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「あなたにはその記憶が必要だったのよ」@『今日はヒョウ柄を着る日』


 かの星野博美さんのエッセイ集です。昨年は『みんな彗星を見ていた』読みましたが、今回は少し軽い本です。それにしても、なんでまた星野氏が岩波書店から本を出すん??と不思議でしたが、岩波のWEBサイトに、彼女が連載をしていたものをまとめた本のようです。

 いろんな書評では「なぜ、おばさんはなぜヒョウ柄を着るか」というベタなテーマ(書名にもなってますが)で盛り上がっていますが、僕が気に入ったのは、そこではなく「カラスと夕焼け」の部分。

 遠い昔の祖父が亡くなった日の記憶を、家族で出し合うんだけど、同じ日に同じ体験をしているはずだけど、みんな記憶が一致しない。でも姉が「あなたにはその記憶が必要だったのよ」と言ったその言葉が妙に納得させられますねえ

 うん、たしかにそうだね。人は体験したことを、全部記憶してるわけではなく、自分にとって必要なことだけど記憶している。苦しみから逃れるために、さみしさを和らげるために、喜びをいつまでも忘れないために。

 うん、確かにそうだ。人間って そうなんだね。
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