犬の散歩は大変です、毎朝、毎晩、
それと多少の雨の日も、許してくれません・・・
普段の散歩は、
近くを一回りですが、休日は遠くへも出かけました。
車に乗せて行く事もありました。
『乗る?』と云いますと、喜んで飛び乗り、
動き出すと、助手席に座り陣取ります。
そして、前や外を興味深く観ていました。
出来るだけ人と出会わない所を選び、
鎖から解放させる事が出来る道を選びます。
杖に出来そうな位の長さで、いざという時は、
ある程度の強さを持った棒を、いつも持ち歩きました。
道では無いような所も歩きます。
犬は靴を履いていませんので、
裸足で歩けるような所を選びますが、
下刈りして時間が経ったような所を歩くと、
足の裏に刺さらないか心配でした。
出来るだけ、
砂利道や下草が柔らかい所を探しながらの散歩になります。
ポ~は、鎖から解放されると、
斥候気分になるのでしょうか、
少し先を歩き、そして時々、後ろを振り返り、
後から付いて来るか確認していました。
夏から秋にかけては、蛇の存在が気になり、
キョロキョロしながら歩きますが、
ポ~は気にならないらしく、平気で前を向き歩きます。
ポ~との散歩で1度も蛇に会う事はありませんでした。
山で下刈りをしている人からは、
『マムシが、いるから気を付けな。俺は、草刈り機を持っているから、前にいれば切っちゃうから大丈夫だけどね』と笑いながら言われました。
左右120°位に歯が付いた円盤を振り回しますから、
マムシも歯が立たないでしょうね。
ポ~の友達のチャオ
朝いつものように、
鎖で繋がれた犬と鎖を持った男と二人で、散歩に出かけました。
ある家の前まで来ると、
丸顔の柴犬が、牙を剥きだし植え込みから飛び出てきました。
芝畑の柴犬と同じような形相で、
敵討ちに巡り合ったような形相です。
毎朝この家の前を通るのですが、こんな事は初めてでした。
ポ~は他の犬と会うと、
いつもするようにシッポを振って、何だろうの顔でした。
2度3度、鎖で相手の攻撃をかわしましたが、
このままでは、ポ~が噛まれます。
鎖を外し、ポ~が動きやすいようにしました。
ポ~は、相手の攻撃をかわし、
喧嘩を売って来る相手の右足を噛み、勝負が付きました。
『キャイン、キャイン』と云いながら、
シッポを後ろ脚の間に入れ、耳を後ろに下げ、
植え込みのある家の中に飛び込んで行きました
相手の犬の飼い主は、顔も出しませんでした。
こちらは、何事も無かったかのように、
鎖に繋がれたポ~と一緒に散歩の続きをしました。
相手の犬の飼い主は、顔も出しませんでした。
この家のこの柴は、いつもは繋がれていて、
今日はたまたま鎖から解放されていたのでしょうか、
文句を言われるのかもと、
思っていたので、云われなくて幸いでした。
云われれば、言い返しますが、
ポ~は、女の子ですが、強かった!
社員が連れてきたチビは、最初からポ~には逆らいませんでした。
ポ~のご飯を食べようとする方が間違いですが、
ポ~の中には、何か1っ本スジが通っているような感じを持っていました。
してはいけない事と、しても良い事が、
犬の中にもあるような感じをもっているかのようでした、
それは人間にも通用するかのようでした。
喧嘩も自分からは、仕掛けません、
相手が近付いて来ると尻尾を振って待ちました。
前回の芝生の時の犬のような事件がありました。
犬の種類も前回の犬と同じような丸顔の犬で、
一般的に柴と呼ばれる顔つきでした。
ポ~の顔つきは、少し尖がっている顔つきで、
人間でしたら美人だったと思います。
この頃、ポ~が毎朝散歩に行きたがり、6時頃になると、
こちらの顔を見つめ、眼が合うとダッシュし、玄関前で待っていました。
それも、いつものように右足を上げるポーズをしてです。何の合図か、癖なのか分かりませんが、『おばあちゃん、右足を上げている犬がポ~だって覚えてよ、顔が分からなくても、座っている時、右足を上げている犬がそうだからね』と妻が母に教えていました。ポ~の敬礼かもしれません。
ポ~と友達だった、猫のチャオ
ポ~の鎖を持ち、その犬の攻撃を2~3度交わしましたが、
どうしてもポ~の動きがぎこちないので、
鎖を外し、ポ~がどうするか任せました。
ポ~は相手が遊ぶのではなく、
襲おうとしているのだと気づきました。
ポ~の顔は、牙を剥き怒った顔になりました。
相手が突進してきた所をカワシ、後ろに回り込み、首の後ろを噛み、
相手の勢いを利用し、空中に放り投げました。
相手の犬はドサッと云う音を立て、背中から地面に落ちました。
首から血が流れ、頭を下にし、立っていた耳は後ろに向いています。
シッポを後ろ脚の間に入れ、降参の形を取りました。
相変わらず二人の老夫婦は、
何事もなかったかのように、静かに芝の作業をしています。
二人の犬では無かったのでしょうか、
ポ~の猫友達のチャオ
仕事が終わると、ポ~とチビを連れ、
社員達と一緒に散歩をするのが日課になりました、
雨の日も風の日も土日以外は毎日です。
休日は、娘と一緒に会社に来てポ~の散歩でした。
ある日、いつものように芝畑のあぜ道を歩いていると、
ポ~の仲間と思われる1匹の犬が、
牙を剥きだして、ポ~をめがけて突進してきました。
最初ポ~は、仲間だと思ったのでしょう、
シッポを振って来るのを待っていました。
その犬は野放しで、
縄張りを侵されたと思ったのでしょうか、
襲い掛かってきました。
ポ~は鎖に繋がれています。
側で老夫婦が芝の手入れをしていますので、
二人の犬かと思っていましたが、止める事もしません。
このままだと、ポ~が噛まれてしまいます。
まだポ~の喧嘩を観た事がありませんが、
鎖に繋がれたままで噛まれたのでは、可哀そうです。
鎖を外すか迷いました!
ポ~と仲間だったチャオ
会社の番犬になったポ~は、
社員が連れてきた洋犬の雑種と遊んでいました。
洋犬の雑種はチビと呼ばれ、~を先輩だと思っているようでした。
2匹にご飯を上げると、ポ~は全て食べると云う事はなく、
半分位を残し、お腹が空くと食べると云う感じでした。
洋犬のチビは、与えられた食べ物は全て食べ、
ポ~が残した食べ物を狙います。
当然、ポ~に怒られますが、
食べ物が有る間は、いつも隙を観て狙っています。
和犬と洋犬の違いなのでしょうか?
雑種でも和犬の血が入っていると、
人間の仲間でいつも側にいる感じで、
食べ物はいつでも貰えると思っているので、
食べ物にこだわりが無いのでしょうか、
雑種でも洋犬の血が入っていると、狩りをするために、いつもお腹を空かせて獲物のニオイに敏感になるようにDNAを改良されているかのでしょうか、
和犬と洋犬を観るたびに食べ物の事を思い出します。
ポ~と遊んだチャオの写真を載せておきます。
年を取ったチャオは、排便以外は外に出なくなりました。
子供の時から、
排便は外で済ませていましたので、それの名残です。
家の中でジットしている時間が長くなりました。
トイレも、外に出なくて良いように家の中に用意しました。
チャオは、子供の時から、
夜寝るのは、僕の布団の上でした。
ある日、布団に血が付いているのを見付けました。
チャオの血です。
どこから血を出しているのか、嫌がるチャオを捕まえ、
体を検査しましたら、
前足の肉球に爪が刺さっているのを見付けました。
外に出て、爪を磨くのを止めた結果、爪が伸びすぎ肉球に刺さったのが分かりました。
こんな状態では、家族の手に負えません。
直ぐに医者に連れて行き、爪を切ってもらい、
傷の手当てをして貰いましたが、
この手当の方法が悪かったのだと思います。
強いステロイドを注射したり、傷口に付けた薬などで、食欲がなくなり、やせ細って行きました。
『治療のため、毎日通ってください。人工透析をします』と妻は云われたそうですが、『それは、辞退します』と断ったそうです。
『延命のために苦しい思いをさせたくないから、断ったわ』と云いましたので、『そうだね、もう苦しませたくないね』と承諾しました。
確か、1月だったと思います。
コタラの学術発表の日の朝、
出かける時『チャオ、行ってくるね』
と云いましたら、
『ニャ~』と弱弱しい声を出し、答えてくれました。
それがチャオと最後に交わした挨拶です。
妻は、こたつの中にいるチャオに『行ってくるね』とこたつをめくりましたら、もう亡くなっていたそうです。
1月も末頃の、小雨の降る日でした。
移動の葬儀屋さんに来てもらい、埋葬を頼みました。
家族で、最後の別れをしていると、近くに住んでいる、
犬や猫が『ワオ~ン』とか『ニャ~』とか、
ハウリングしてくれました。
仲間が、いなくなるのが、分かるのでしょうか、
和犬雑種のポ~の葬儀の時も、
犬たちのハウリングが、こだましました。
チャオは時々、狩りの成果を見せに来ました。
獲物は、すずめ・もぐら・ねずみなどです。
ご飯は貰って食べるので、食べません。
自分の腕前を見せるために、
生きたまま咥えて来て目の前に置き、自慢したいのでしょうか、
その咥え方が甘噛みなので、まだ生きています。
モグラとネズミは、口から放すと逃げますが、直ぐ捕まえてオモチャにします。
すずめを見せに来た時は、逃げられるようにかばいますと、
チャオは面食らった戸惑いの表情を浮かべていました。
狩りの仕方は、
シッポを立てて左右に揺らし、頭を地面すれすれに低く構えます。
すずめは危険を感じ、
飛び立つ所をジャンプして空中で捕まえます。
猫が鳥を捕まえる所を観る事が出来ると、その速さに感激します。
30年前ですと、猫が外に出歩くのが普通で、
家の中だけで飼うなどは、考えられない時代でした。
猫を家の中で飼えと云うようになったのは、いつの頃からでしょうか、
チャオは、Wコートでした。
普通猫は、短毛ですが、
チャオは、外側の毛の下に短い毛が生えていました。
先祖は、寒い国から来たのでしょうか?