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子結棚町会所(祇園祭の放下鉾) 京都市登録有形文化財

2015年11月08日 08時31分18秒 | 建築物・明治・大正など

 

子結棚町会所(放下鉾) 京都市登録有形文化財  会所家。土蔵

子結棚(こゆいだな)町、祇園祭のとき放下鉾を出す町内です。町会所は、通りに面して2階建ての会所家が建ち、その奥に庭をはさんで土蔵が配されています。町有文書「祇園会十人行事児元之覚并寄進之覚」によると、嘉永2年(1849)に鉾蔵と車蔵が建替えられましたが、元治元年(1864)の大火で鉾蔵は被災を免れたものの、会所家と車蔵は焼失しました。この後、慶応3年(1867)に会所家が新築され、このときのものが残っています。

会所家は、昭和52~54年(1977~1979)に補強のために大修理が施され、1階については土間部分の柱と袖壁、表構えが復元されました。2階は柱を挿入するなど一部改造が加えられているものの、当初の間取りをよく残しています。1階天井には、2階から直接鉾の上にわたるための廊下が収納され、祭のときに引き出して鉾に取り付く工夫がなされています。また会所家2階の裏縁から土蔵の2階にかけて、長大な木製の渡廊がかけられるのも当町会所の特色です。ただこれらの工夫は当初からのものでなく、大正時代になされたものと考えられます。土蔵は各階に出入口をもち、1階には車輪や鉾の部材を、2階には御神体や織物類などを収納しています。これらの会所と土蔵は、祇園祭鉾町の会所の形態をよく伝えるものとして貴重です。

 



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