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西林寺  天台宗  木槿地蔵があります

2015年10月23日 17時01分45秒 | 寺院

天台宗

 

木槿地蔵(もくげ)

西林寺は上京区の北端、鞍馬口に近い民家の立て込んだ街中にある天台宗寺院で、

本堂があるだけだが、もくげ地蔵を祀る寺として古くから知られた名刹である。

『山州名跡志』21巻によれば、当寺の本尊は勝軍地蔵で、役小角の作といわれる。

愛宕山の慶俊僧都天狗太郎坊の示現によって感得したが、木槿の草むらの中に

みいだしたことから「木槿地蔵」と呼ばれるに至ったとしるしている。

一説にむかし当寺が荒廃していたとき、その周囲に木槿の花を挿し植えて

垣としたからともいわれる。

木槿は一に「むくげ」ともいい、中国・インドを原産とするアオイ科の落葉灌木で、

高さ約3メートル、夏から秋にかけて一重または八重の淡紅・白色などの花を咲かせる。

朝咲いて夕方にしおれるので「一口花」ともいわれ、

中国唐代の詩人白居易が「槿花一日の栄」とよんだ如く、はかない花の代表格とみなされた。

繊維が多いので折れにくく、これがために生垣に多く用いられた。

西林寺は延暦年間(782~806)、慶俊僧都によって王城火伏の寺として創建されたと伝えるが、

その後の応仁の兵火や天明の大火などによって再三焼失した。

今の本堂は弘化2年(1845)の再建と伝える。

したがってもとの本尊勝軍地蔵はなく、かわりに錫杖と宝珠をもつ半跏像の延命地蔵型となっている。

しかし本尊は代わっても、その名声は絶えることなく、江戸時代には

洛陽四十八願所の第十九番霊場として庶民の信仰厚く、京都の多くの人々の信仰をえている。

なお、境内には愛宕山狗太郎坊が市中へ飛来するとき、

しばし羽を休めたという「天狗松」というのがあった。

これに因んで寺の山号を羽休山飛行院と称したが、今は惜しくも松は枯死してしまった。

 

 

 

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            天狗・太郎坊の井戸



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