おじいちゃんのメガネ(4)

2016-04-04 21:28:01 | 童話
しかし、僕の自転車は立たない。
『よしっ、自転車を立てるスタンドを作ろう。』

僕はお母さんからまた爪楊枝を3本と、結び付ける糸をもらった。
僕は3本を糸で結び付けて三角形を作り、後の車輪に糸で結び付けた。

『やった、やった、立ったよ。』

そして、お兄ちゃんに小さくなって丸くなった消しゴムを貰って、車輪と車輪との間に糸で結びつけてサドルにした。

僕はおじいちゃんに僕の作った自転車を見せると
『おぅ、すごいね。』
と言ってくれたので、お父さんやお母さんやお兄ちゃんにも見せた。

みんな
『すごい、すごい。』
と言ってくれた。

僕はこの自転車を大切にして、本当の自転車を買ってくれた後も、机の上に置いてある。
おじいちゃんはもう居なくなってしまったが、僕とおじいちゃんとの宝物の自転車は、いつまでも僕の机の上に飾っている。

             おしまい