ぽろろ、ぽろろ(6)

2016-04-25 21:50:37 | 童話
僕の机のある方から
『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』
と聞こえてくる。

『だぁれ?』
『やぁ、エンピツケース君だ。なぁに、今日の学校の勉強と宿題を頑張ったねだって。うん、頑張ったよ。お父さんとお母さんに話をしたらほめてくれたよ。』

物置の方から
『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』
と聞こえてくる。
『だぁれ?』、

『あっ、僕の自転車だ。なぁに、自転車に乗って公園に行こうよだって? 自転車の好きな友達を呼んで来るから待っててね。』
『友達が2人来たから3人で公園へ行くよ。この公園はね自転車に乗って走ってもいいんだよ。楽しいね。』

ぽろろ、ぽろろ(5)

2016-04-24 10:48:27 | 童話
空の上から
『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』
と聞こえてくる。

『だぁれ?』、
そうか、空の上の雲君だ。

『なぁに、雲君の背中に乗せてくれるの? ダメだよ、僕は重たいから乗れないよ。雲君が空に何か絵を書いてよ。わっ、おいしそうな綿菓子とドーナッツだね。それに、飛行機雲もきれいだね。』

僕が家に帰るとキッチンの方から
『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』
と聞こえてくる。
 
『だぁれ?』
『あっ、コップ君だ。えっ、コップでお水を飲むとおいしいよだって、僕はジュースの方がいいなぁ。コップ君貸してね。ゴクッゴクッ、ジュースはおいしいなぁ。』

ぽろろ、ぽろろ(4)

2016-04-23 10:27:30 | 童話
僕の足の下の土の中から
『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』
と聞こえてくる。

『だぁれ?』
モグラ君かな?

『なぁに、僕は土の中には入れないよ。』
『えっ、モグラ君は昼間は眩しくて外に出られないから、夜になったらジャンケンをして遊うよだって。
ダメだよ、僕は夜は家に帰らなければいけないんだ。
だから今ジャンケンをしようよ。
モグラ君は土の中から手だけ出せばいいんだよ。
ジャンケンポン、僕はチョキだけどモグラ君はパーだから僕の勝ちだよ。
そうか、モグラ君はパーしか出せないんだ。』

ぽろろ、ぽろろ(3)

2016-04-22 22:06:44 | 童話
小川の近くで
『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』
と聞こえてくる。

『だぁれ?』
声は聞こえるけれど、だれが呼んでいるのか判らない。

『だぁれ?』
『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』
『あれっ、川の水君かな?』
『そうだよ、ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』
『なぁに、川の中で一緒に遊ぶの? 海水パンツを持ってくるから待っててね。』
『海水パンツになったから川に入るよ。』

僕は川の中で水に押してもらった。
『たのしいな、たのしいな。』

ぽろろ、ぽろろ(2)

2016-04-21 21:56:23 | 童話
公園の木の上から
『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』
と聞こえてくる。

『だぁれ?』
小鳥が呼んでいるのだ。
『なぁに、僕は羽根がないから一緒に飛べないよ。えっ、きれいな歌声の競争をするの? 僕は歌がうまくないから、小鳥君が唄ってよ。』

『ピピピピ、チチチチ、ピーピピ、ピーピピ。』

『やっぱり小鳥君は歌が上手いね。だけど、『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』
とは鳴かないの?
『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』と鳴くのは友達を呼ぶ時だけなのか、だから僕を呼ぶ時はみんな『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』と言っているんだね』