山の上のロックの永~い旅(4)

2021-12-25 09:45:51 | 童話

『いっぱい来たね。すごい、すごい。』

『この飛んでいる中にお父さんとお母さんも居るよ。』

『こうしてお父さんやお母さんとお話しをしているの?』

『そうだよ、他のトンボともお話しをしているんだよ。』

『それなら寂しくないよね。』

『うん。』

『ここには、ヤゴ君以外は居ないの?』

『沢山居るよ。アメンボやタガメ、そしてゲンゴロウも居るよ。今はみんな出かけているのかな。』

『帰って来たら教えてよ。』

『いいよ。』

『あっ、小鳥が来た。』

すぐ近くでウグイスが鳴き始めた。

『僕の名前はロック、いい声だね。』

『褒めてくれてありがとう。』

『いつも、こんなにいい声で鳴いているの。』『違うよ、お嫁さんを探す時だけこうして鳴くんだよ。』

『今、君は鳴いているからお嫁さんはまだなんだね。』

『うん、まだ鳴き方が上手くないから仕方ないんだ。』

『僕は上手いと思うけれどね。』『みんな、もっと上手いよ。』

『頑張ってね。そしてお嫁さんが見つかったら教えてよ。』

『少し時間がかかるよ。』

『暫くここに居るからいいよ。』

『素敵なお嫁さんが見つかるといいね。』

『もっともっと頑張るよ。』

『応援しているからね。お嫁さんが見つかったらプレゼントは何がいい?』

『そうだね、玄関に飾る花輪の飾りがいいかなぁ。』

『いいよ、僕は作れないけれど、リス君に作って貰おう。』

『リス君は手が器用だから、きっと素晴らしい花飾りができると思うね。』

『うん、楽しみにしているね。』