おじいちゃんのメガネ(3)

2021-12-17 09:44:49 | 童話
僕はお父さんに頼んでメガネの耳に掛ける所を取り外してもらったので、二つの丸い所だけになって本当の自転車のようになった。

『もっと本物の自転車のようにしよう。』
僕はお母さんに爪楊枝を3本もらって、お兄ちゃんに1本を短く切ってもらった。
僕はお母さんからもらった糸で、長い2本をメガネの丸い所に結び付けた。そして、長い2本に短い1本を糸で結び付けてハンドルにした。

『やった、ハンドルができた。』
しかし、僕の自転車は立たない。『よしっ、自転車を立てるスタンドを作ろう。』
僕はお母さんからまた爪楊枝を3本と、結び付ける糸をもらった。
僕は3本を糸で結び付けて三角形を作り、後の車輪に糸で結び付けた。
『やった、やった、立ったよ。』

そして、お兄ちゃんに小さくなって丸くなった消しゴムを貰って、車輪と車輪との間に糸で結びつけてサドルにした。

僕はおじいちゃんに僕の作った自転車を見せると
『おぅ、すごいね。』
と言ってくれたので、お父さんやお母さんやお兄ちゃんにも見せた。みんな
『すごい、すごい。』
と言ってくれた。

僕はこの自転車を大切にして、本当の自転車を買ってくれた後も、机の上に置いてある。
おじいちゃんはもう居なくなってしまったが、僕とおじいちゃんとの宝物の自転車は、いつまでも僕の机の上に飾っている。

  おしまい