夢の向こう(2)

2021-12-02 10:19:52 | 童話
またしばらくして、夢の中で友達が向うから歩いて来たので『夢の向うから帰って来たの?』と聞いたら『そうだよ。』と言ったので、僕は『夢の向うへ探検に行ってくるよ。』と言うと、友達は『うん。』と言って夢の出口から出て行ってしまったので、僕は一人で、前の探検の時よりもずっと遠くまで夢の中を歩いて行った。

ずっと歩いて行くと遠くに家が見えてきた。もっと歩いてその家に着くと、家の中から、僕のお父さんとお母さんが出てきて『おかえり。』と言った。
僕は『ただいま。だけど、ここは夢の中なの? それとも夢の向うなの?』と聞くと、お母さんが『ここは、夢の中よ。夢の向うは、ここからモノレールに乗っていくの。』と言った。

僕はすごく高い空の上を走っているモノレールに乗って、大きな駅に着いた。それから、幅が広くて、高く大きなエスカレーターで、みんなと一緒に駅から滑って降りた。

『早く起きないと学校に遅れるわよ。』
僕はお母さんに起こされた。
大きなエスカレーターは、みんなが学校や会社へ行かないといけないので、みんな夢の出口へ向って行っていたのだ。
僕が大きなエスカレーターに乗っている時に、もう一つのエスカレーターが動いているのが見えた。そうか、途中で、もう一つのエスカレーターに乗り換えれば、夢の向うに行けたのではないかと思った。
今度、すごく高い空の上を走っているモノレールに乗って、幅が広くて、高く大きなエスカレーターに乗ったら、僕だけエスカレーターを乗り換えようと考えた。