タヌキとキツネと人間と(6)

2021-12-10 09:29:27 | 童話
タヌキとキツネは、
「今度は2匹で、もう一度アイスクリームを買いに行ってみようよ。」
「そうしようか。」
そして、今度は2匹がそれぞれ左手に小さな石を持って、その上を右手でポンと叩きました。そうすると、手の中の石が、100円が1個と5円が1個と1円が3個になりました。
タヌキが、
「ここに108円有りますのでアイスクリームを1個ください。」
と言い、キツネも
「ここに108円有りますのでアイスクリームを1個ください。」
と言いました。
すると、お店の人が
「はいはい、ありがとうね。」
と言ってアイスクリームを1個ずつくれました。

そして、タヌキとキツネは2匹でアイスクリームを食べようとしましたが、キツネのアイスクリームだけが木の枝になっていました。キツネがまた、

「あっ、人間に騙された。」
と言うと、タヌキが
「僕のは、おいしいアイスクリームだよ。」
と言ってアイスクリームを食べました。
「どうして僕だけ人間に騙されるのかなあ?」
とキツネが言うと、
「どうしてかね?」
とタヌキが言いました。
しかし、なぜだか分かりません。