第十一章 実験開始
そして、科学推進省による宇宙での衝突実験計画が開始された。
密閉容器に捕獲されて、科学推進省の厳重な地下倉庫に保管されているブラックホールの中から、今回の実験に使用するブラックホールの選別を開始した。
エックス線と、JAXAが開発したマイナス質量の検知器を使用して、質量が限りなく近いブラックホールを二個選び出された。
そして、それぞれプラスとマイナスに電荷を持たせて、それをステンレスの容器に格納してロケットの発射基地のある種子島ロケット発射場へ厳重な警備態勢の下で運ばれ、宇宙放出の準備を待った。
やがて二個の格納容器は種子島ロケット発射場からH2Aロケットに搭載されて宇宙に放出する準備が整い、燃料の注入を終えて発射の秒読み態勢かが整えられた。
「やっとこの日が来たね。この実験の成功により地球の危機を脱することになるね。」
「そうですね、この実験には人類の未来がかかっていますからね。」
「肩の荷が重いね。」
「そうですね、これの成功を足掛かりにして、全てのブラックホールが除去できますし、今後、ブラックホールが地球に近接して来ても対処できますね。」
「今まで経験したことのなかった宇宙の脅威を超えられる事の意義が大きいね。」
「人類の勝利ですよね。」と、科学推進省の職員たちは今回の意義を強調した。
「発射15分前。」
「燃料タンク異常なし。」
「軌道制御ロケット異常なし。」
「監視カメラ異常なし。」
「発射1分前。」
「秒読みを開始します。」
「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、発射。」
「1分経過、5分経過、10分経過、順調に上昇しています。発射は成功しました。」
二個のステンレスの格納容器を搭載したH2Aロケットが発射され、どんどんと高度を増していき、放出予定の高度に達した。
「実験高度に達しました。これより軌道維持装置および実験装置の動作確認を開始します。」
「軌道制御ロケット異常なし。」
「二つのブラックホールの格納容器異常なし。」
「二つの超電導のモーター異常なし。」
「格納容器の回転軸異常なし。」
「回転計測装置異常なし。」
「格納容器への荷電装置異常なし。」
「地上の高エネルギーレーザー光線照射装置も異常なし。」
「これから超電導モーターにより、回転を加えていきます。」
超電導モーターはキーンという甲高い音を発して回転を増していった。
「二個の格納容器共に光速に達しました。」
「これより、カメラを搭載した監視装置を放出します。」
これで二個の格納容器の放出と、それを追尾する監視体制が整い、二個の格納容器は高度と移動速度をコントロールされながら、ブラックホールを格納した密閉容器を放出し、追尾用の監視装置で二個の衝突のタイミングを図った。
そして、二個の密閉容器が衝突する直前に、地上のレーザー光線発射装置から二本のレーザービームが鋭い光を発しながら、それぞれの密閉容器に向けて照射された。
そして、レーザービームがそれぞれの密閉容器に命中したのと同時に、密閉容器がお互いに引き合って衝突したのを監視装置のカメラで確認した。
その瞬間、地上の管制センターのモニターに強烈な閃光が映し出された。
その強烈な閃光を見た科学者たちは二つのブラックホールの消滅を確信した。
「やった、成功だ。」
それは、ブラックホールは光をも呑み込むので、閃光が生じたことはブラックホールが存在していないことを意味するからである。
その閃光が終わった時に、管制センターの全員がモニターに映し出された映像に注目した。
それは期待していたとおり密閉容器も黒点も消滅していて、成功していたのである。
モニターで確認した全員から歓喜の雄叫びが上がった。
「これで人類脅威のブラックホール消滅の技術確立ができたな。」
と、科学推進省の山上がの安堵の表情で語った。
この実証実験で、残りのブラックホールも順次消滅を進める方針が確立された。
そして、科学推進省による宇宙での衝突実験計画が開始された。
密閉容器に捕獲されて、科学推進省の厳重な地下倉庫に保管されているブラックホールの中から、今回の実験に使用するブラックホールの選別を開始した。
エックス線と、JAXAが開発したマイナス質量の検知器を使用して、質量が限りなく近いブラックホールを二個選び出された。
そして、それぞれプラスとマイナスに電荷を持たせて、それをステンレスの容器に格納してロケットの発射基地のある種子島ロケット発射場へ厳重な警備態勢の下で運ばれ、宇宙放出の準備を待った。
やがて二個の格納容器は種子島ロケット発射場からH2Aロケットに搭載されて宇宙に放出する準備が整い、燃料の注入を終えて発射の秒読み態勢かが整えられた。
「やっとこの日が来たね。この実験の成功により地球の危機を脱することになるね。」
「そうですね、この実験には人類の未来がかかっていますからね。」
「肩の荷が重いね。」
「そうですね、これの成功を足掛かりにして、全てのブラックホールが除去できますし、今後、ブラックホールが地球に近接して来ても対処できますね。」
「今まで経験したことのなかった宇宙の脅威を超えられる事の意義が大きいね。」
「人類の勝利ですよね。」と、科学推進省の職員たちは今回の意義を強調した。
「発射15分前。」
「燃料タンク異常なし。」
「軌道制御ロケット異常なし。」
「監視カメラ異常なし。」
「発射1分前。」
「秒読みを開始します。」
「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、発射。」
「1分経過、5分経過、10分経過、順調に上昇しています。発射は成功しました。」
二個のステンレスの格納容器を搭載したH2Aロケットが発射され、どんどんと高度を増していき、放出予定の高度に達した。
「実験高度に達しました。これより軌道維持装置および実験装置の動作確認を開始します。」
「軌道制御ロケット異常なし。」
「二つのブラックホールの格納容器異常なし。」
「二つの超電導のモーター異常なし。」
「格納容器の回転軸異常なし。」
「回転計測装置異常なし。」
「格納容器への荷電装置異常なし。」
「地上の高エネルギーレーザー光線照射装置も異常なし。」
「これから超電導モーターにより、回転を加えていきます。」
超電導モーターはキーンという甲高い音を発して回転を増していった。
「二個の格納容器共に光速に達しました。」
「これより、カメラを搭載した監視装置を放出します。」
これで二個の格納容器の放出と、それを追尾する監視体制が整い、二個の格納容器は高度と移動速度をコントロールされながら、ブラックホールを格納した密閉容器を放出し、追尾用の監視装置で二個の衝突のタイミングを図った。
そして、二個の密閉容器が衝突する直前に、地上のレーザー光線発射装置から二本のレーザービームが鋭い光を発しながら、それぞれの密閉容器に向けて照射された。
そして、レーザービームがそれぞれの密閉容器に命中したのと同時に、密閉容器がお互いに引き合って衝突したのを監視装置のカメラで確認した。
その瞬間、地上の管制センターのモニターに強烈な閃光が映し出された。
その強烈な閃光を見た科学者たちは二つのブラックホールの消滅を確信した。
「やった、成功だ。」
それは、ブラックホールは光をも呑み込むので、閃光が生じたことはブラックホールが存在していないことを意味するからである。
その閃光が終わった時に、管制センターの全員がモニターに映し出された映像に注目した。
それは期待していたとおり密閉容器も黒点も消滅していて、成功していたのである。
モニターで確認した全員から歓喜の雄叫びが上がった。
「これで人類脅威のブラックホール消滅の技術確立ができたな。」
と、科学推進省の山上がの安堵の表情で語った。
この実証実験で、残りのブラックホールも順次消滅を進める方針が確立された。