みんなの気持ち(飛行機の気持ち)(2)

2015-10-27 21:12:30 | 童話
僕が公園に着くと友達が待っていました。
『やあ、早いね。待った?』
『ううん、僕もさっき来たんだよ。その絵本はな~に?』
『僕の大事な飛行機の絵本だけれど、公園の飛行機に乗りたいんだって。』
『絵本が言ったの?』
『そうだよ。僕はこの絵本といつもお話しをしているんだよ。』
『ふぅ~ん、そうなんだ。』

『絵本さん、公園の飛行機に乗るよ。』
『この飛行機は、僕の中に載っている飛行機より小さいんだね。』
『公園の飛行機さん、こんにちは。僕は大きな飛行機がいっぱい載っている絵本だよ。』
『うん、こんにちは。僕は昔、子供さんをたくさん遊覧飛行に連れて行ってあげたんだけれど、古くなったので、今はこの公園で子供達と遊んでいるんだ。』

『みんなと遊んでいて楽しい?』
『ああ、楽しいよ。』
『空を飛んでいる時と、こうして子供達と公園で遊んでいる時と、どっちが楽しいの?』
『う~ん、空を飛んでいる時は空を飛ぶのが楽しかったし、今はこの公園で子供達と遊んでいるのが楽しいよ。』
『さあ、みんなで飛行機に乗るよ。』

僕が『ぶ~ん。』
友達が『ぶ~ん。』
絵本が『ぶ~ん。』
そして、飛行機が『ぶ~ん。』

僕が、『わあ、楽しいなあ。』
友達が、『楽しいなあ。』
絵本が、『楽しいなあ。』
飛行機が、『楽しいなあ。』
              おしまい