爛漫日記

インターネット古書店 独楽知の、春爛漫ではなくて、秋爛漫?の日記です。

映画「胡同のひまわり」

2006-09-19 16:39:26 | 映画
中国の若い張揚(チャン・ヤン)監督の映画、「胡同(フートン)のひまわり」を見てきた。

主人公は監督と同じ、1967年北京生まれの向陽(シアンヤン)。
物語は大きく3つに別れていて、向陽(シアンヤン)役は9才の少年、19才の青年役、32才の結婚した若者役の3人が演じていた。
成長を違和感なく感じられるほど、雰囲気の似ている3人で驚いた。

30年間で劇的な変化をとげた中国、舞台は北京、中国現代史の一面が要約された映画だった。
場面のあちこちに、5月に旅行に行った北京の風景が見られて嬉しかった。

文化大革命時代に思想改造用の集団農場へ送られて6年も労働に従事させられていた父親が北京の四合院に帰ってきて、9才の少年は違和感を持って再会する。
北京で急速に失われゆく四合院での子ども達の生活は、16年ほど時代が違うけど、服装も遊びも親たちの姿も似ている、日本の私の子ども時代が描かれていた。

青年になった向陽(シアンヤン)が、冬の天然リンクでスケートをする少女に出会う場所は、私が旅行中にボートに乗った、後海という湖の景色とよく似ていた。
昔は日本でも寒い地方では、湖が凍るとスケートをしたけど、今は氷が割れると危険だということで禁止されていると思う。
実際に割れて、映画では何回も湖に落ちる。

結婚してジープに乗る向陽(シアンヤン)は、高層マンションが建ち並び高速道路が走る今の北京で、倉庫を改造した部屋に住む若い画家。
ペンダントをして、奥さんの出産場面に立ち会いながらビデオカメラを回す、全く今の若者として描かれている。

この変化は私達の世代の変化よりも速い!
日本の変化の50年を、北京は30年で経験している!

この映画のもう一つの大きなテーマは親と子の対立。
日本人とよく似た俳優の、日本の親子とよく似た問題でけんかしていた。
父役、母役とも若い時から老人までを演じきって、2人とも迫力ある役者だった。

北京はさらに変わっていくだろうし、映画を見たらまた北京に行きたくなった。



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