1月半ばを過ぎて、谷内六郎画集から選んだのは『陽のにおい』。
「するめ」が描かれたおもしろい絵です。
でも、もっとおもしろいのは、六郎さん独特の??な文章です。
絵に添えられた文を読むと思わず笑ってしまって、シアワセな気持ちになります。
陽のにおい(文・谷内六郎)
元旦や晴れて雀のものがたり、たしか一茶の句でしたね、この表紙のは元旦や晴れてするめのものがたりです、いかの口ばしは鳥と同じです、しかも鳥になるところだったのですが勉強や宿題をなまけていたので足が十本も生えて鳥になりそこないました、でもどっちにしても人間に食べられちゃうのでかなしいのです、それで白鳥という鳥などは魚でも鳥でもかなしいものだ、はかないものだという哲学者のような心で空をとんでいるのですね、白鳥は悲しからずや空の青、海の青にも染まずただよう、人間がヒューマニズムの精神からにわとりの羽根をむしって赤い羽根を作ります、肉はヒキ肉コマギレ百匁いくら、牛豚馬魚の眼はみんな涙でいっぱい、それで芭蕉がゆく春や鳥なく魚の眼は涙とうたったのですね。
「するめ」が描かれたおもしろい絵です。
でも、もっとおもしろいのは、六郎さん独特の??な文章です。
絵に添えられた文を読むと思わず笑ってしまって、シアワセな気持ちになります。
陽のにおい(文・谷内六郎)
元旦や晴れて雀のものがたり、たしか一茶の句でしたね、この表紙のは元旦や晴れてするめのものがたりです、いかの口ばしは鳥と同じです、しかも鳥になるところだったのですが勉強や宿題をなまけていたので足が十本も生えて鳥になりそこないました、でもどっちにしても人間に食べられちゃうのでかなしいのです、それで白鳥という鳥などは魚でも鳥でもかなしいものだ、はかないものだという哲学者のような心で空をとんでいるのですね、白鳥は悲しからずや空の青、海の青にも染まずただよう、人間がヒューマニズムの精神からにわとりの羽根をむしって赤い羽根を作ります、肉はヒキ肉コマギレ百匁いくら、牛豚馬魚の眼はみんな涙でいっぱい、それで芭蕉がゆく春や鳥なく魚の眼は涙とうたったのですね。