爛漫日記

インターネット古書店 独楽知の、春爛漫ではなくて、秋爛漫?の日記です。

藤原新也『黄泉の犬』

2006-12-11 21:25:01 | 私の本
最近出版された藤原新也のこの本を読み終わった。
実はこの本は、1995年7月から1996年5月まで「週刊プレイボーイ」に連載されたものに、今回あることをやっと書き加えられ、出版することができた本でした。
いろいろ驚くことが書いてあったり、いろんな話が入り組んでいて、どれもおもしろかった。


大学を止めてインドへ行った若い頃の藤原新也の、そこで身近に出会う人間の死への受け止め方がシンプルでいいなあと思う。

「火葬との出会いは本当はそのような平和国家における小市民的エゴイズムを一挙にくつがえす手荒な場面だった。しかし、それがあまりにも自分の育った世界とかけ離れていたために私ははじめそれを見たとき戸惑ったんだ。人間が粗大ゴミみたいに目の前でどんどん燃やされていく。それが正しい光景なのか、間違っている光景なのか若い私には判断できなかった。というよりこんなに人間の生死があられもなく衆目の前にさらされ、丸見えになっていいのだろうかというおののきの方が先に立ってね。
 それで私は見つづけたんだ。一体これはなんなのだろうって。その不思議なマジックを来る日も来る日も見つづけた」


いつもながら、藤原新也の本を読むと何か刺激される。
今回気が付いたんですが、藤原新也さんて私より7才年上なんですね。


コメント
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