食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『夢追人、狩猟免許への挑戦』

2013年07月05日 18時15分26秒 | 趣味

 いよいよ、最後の関門となる狩猟講習会と試験だ。受験生に若い人は少なく当時、

36歳の私が若い部類だった。そもそも狩猟なる趣味は遠くの昔に衰退していること、

若者は山の中を駆けずり回ったりして野生の獲物を獲る必要性を全く持っていなか

った。だから、狩猟はスポーツだとか外国では貴族たちの嗜む高貴な趣味だと言っ

ても、文化論の違いに他ならない。

日本の若者からは『野蛮な趣味』としか映らなかったと思う。

この日の為に前猟期は人について歩き狩猟はどんなものか予備知識は身につけ

ていた。しかし、それは実践知識であり筆記にどれ位、役立つかは判らない。

狩猟に関する本など書店にはないから、六法全書の狩猟法を頼りにしていたら、

先輩が『狩猟読本』なる日本猟友会発刊の参考書を貸してくれたので、それを参

考に勉強した。狩猟に関する法律や数字などは大体覚えたものの、模擬試験の

ようなものさえないから、試験の想定すら出来ない状態だ。

狩猟鳥獣、つまり狩猟の対象となる動物のイラストが描かれているものの、実物を

見たことはないし、大きさも一切分からないなど不安材料は沢山あった。午前中に

狩猟講習があり、この講習で習ったことが午後の筆記に出るらしいとは聞いていた

が、午前の詰め込みを全て午後まで覚えているはずはない。

午後の筆記試験は予想外の問題が散見され、自信満々から半々になった。今で

も覚えている問題で困ったのが『日本狸は北海道に生息するか』『狸は木に登るか』

だった。筆記の後、挙銃姿勢の試験、絵を見て狩猟鳥獣かどうか、名前は何かを言

う口頭試験、そして松江城に行き距離の目測試験等があった。いい加減と言えばい

い加減なもので『あの松までの距離は?』と試験官が真面目な顔をして問う。

そんなもの分かるはずはないし、訓練もしたことはないのに受験生は真面目に『うー

ん、250m』なんて適当に答える。私も完全な当てずっぽうだったのに、不適格ではな

かったらしい。

発射した弾が大体どの辺りまで飛び、そこまでどれくらいの距離があるのか目測し、

その範囲内で発射による危険がないか確認するためのものだ。

試験結果は何の前触れもなく、いきなり免許が郵送されてきて合格を知った。

これで私もハンターの一員になった。

 狩猟登録

猟期は11月15日から翌年の2月15日までの3ヶ月しかない。免許を持っていても狩猟

ができるのではなく登録して初めて、この期間だけできる。従って免許はあるが今年

は休猟する人は登録しなくてもいい。

登録税や猟友会、ハンター保険等で3万円近くかかる。1か月、1万円につくのでドンド

ン山に行かないと何の為に登録したのか分からない。

ここで狩猟登録証、登録バッチ、弾の許可書、地図をもらう。10月の末に登録されるの

でそれから解禁の日までハンターにとつては待ち遠しい日が続く。また、この日ばかり

は普段は顔を合わせることのない人と出会うのであちこちで小さな輪ができ話を弾ま

せる。


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