鉛筆みたいだったサヨリは三十センチ余のものが混じる様になり群れを作り水面をゆ
うゆうと泳ぐ。その群れはグリーンベルトのように見える。サヨリの口は長いくちばしが
下側に延びその上にある。餌はジャンボを一つ選び(一センチ位で爪楊枝の太さ)小
さな針につける。針が見えると近くに来ても餌を食べないことから目はよさそうだ。エサ
をすーっと引くようにすると追い掛けて来てパクッと食いつく。
そこですかさず合わせないと餌を吐き出す、針を察知してのことだろう。このタイミング
が悪いと見ながら釣ることは出来ない。浮木をつけて浮木下、二十センチで釣る方法も
あるが餌を追わせた方が圧倒的によく釣れる。餌つけの面倒なことはこの上なし。辛抱
が先か釣りが先か。波止場などに居付いたものはまき餌などにつられて近場に寄って
来るので、それを釣り上げる。外海では回遊してきたものを、同じく撒き餌をして逃がさ
ないようにする工夫が必要になる。
行けばクーラー半分から一杯は釣れるが閉口するのは竿や手に小さなウロコがかさば
るほど付き、終いにはバリバリ剝れるほど付き、独特の臭いもする。それは洗っても取れ
難く厄介だ。刺身、お婆ちゃんが得意にしていたサヨリに味噌を挾んで焼いて食べる方
法、そして吸いものが代表料理。妻は近所に配った残りを開きにして薄塩をかけ干物に
していた。豊富にあるから出来ることであって、買ってはできないことだ。買えばいが、
釣りに行けば安いコストで沢山釣れる、採算のとれる数少ない魚の一つだ。
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