フィレンツェから最終地ローマへは約300kmのバスの旅。何れも主要都市だから道路は
整備されており、自動車道を渋滞もなく走っていく。長閑な田舎町が続き車窓からも興
味を引くような景色も見えてこない。眺めるものはないし、することもないから居眠りとトイ
レ休憩の繰り返しで折角の海外旅行なのに、これでは勿体ないと思う。
途中のドライブインでお土産購入タイムが設定されており、良さそうなものを品定めの結
果、可愛いビンに入ったキャンティーワイン、乾燥ポルチーニ茸、からすみを購入した。
ところで、これまでも沢山のドライブインに立ち寄ってきて、いつも不思議だったのは大き
な塊にカビの生えたものが何本も吊り下げられていたものが何なのか?
素知らぬ顔をしていたが気にはなっていた。後になってあれが生ハムの原木であること
を知る。日本では見ることなどないし、勿論のこと相当の専門店でなければ扱っていなか
ったと思われる。緑色混じりの汚い色をしているから食べ物だとは思いもしなかったが、
豚の大腿部をそのまま生ハムにしたものだった。
生ハムの原木はしなやかに曲がるナイフで削ぎながら切り取って食す。表面のカビで汚
れている部分や表面近くの脂は臭いがあるから切り捨てる。表面から1cm近く下にある赤
身と脂の混じった部分が塩気の効いた、美味しい生ハムの部分になる。
どこかで食べたパンチェッタがお気に入りになったのでドライブインに寄った時、小さい包
みのものを買い少しずつ食べていた。脂身ばかりのようなものだったが私には美味しく食
べられた。ハム類は税関を通らないから持ち帰ることはできない。そうとは知らないで買っ
て食べていたが半分くらい残ってしまい機内食にもしていた。帰国時の税関書類でハムは
ダメと知り関空着後すぐにゴミ箱行きとなった。この時の荷物検査は結構入念にあったから、
もし持っていたら没収の憂き目に遭っただろう。ローマに近づくと大都市だから渋滞が始ま
る。流石にローマは古代からの街だからいたる所に遺跡があり、道路工事などを始める時に
は、遺跡保存のための工事が先行してから施工する。
ローマは遺跡の上に新しい土壌が堆積した上に今の都市があるから、何処かを掘り返せば
必ずと言ってほどの確率で元の街が出てくる。その点、ここの都市開発は他の都市のそれと
は工事の仕方が大きく異なっている。私たちのバスが市内の幹線道路を走る道すがら、道路
工事に伴う大規模の発掘現場か保存現場なるものを見ることができた。
市内には沢山の見どころがあるからガイドさんの説明も忙しくなり、私たちも右を見たり左を見
たり、居眠りの暇はなくなった。それにしてもイタリア人は開放的と言うのか無頓着と言うのか、
駐車するにしても適当に止めているから、渋滞に拍車をかけていた。幹線でも遭遇するが裏
道になると、いい加減さは拍車がかかる。
大都会ローマと言えど、照明は全体に暗いから繁華街から離れた所にあるホテルの周りはもっ
と暗く感じた。
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