古書籍・古物店の経営、自社出版物の編集及び販売を事業内容としている『まんだらけ』がホームページに万引き
に対する反撃行為に出た。万引きに遭った商品の返却がないと防犯カメラで撮影した映像を公開すると期限を設け
て警告している。この行為が法的に違法行為となる根拠に『リンチ的』であり、被害者には加害者を裁く権利はな
いと意見を言う人、万引きをしたのだから当然のことと容認する人、世の中は広いから様々な意見があるようだ。
そもそも、万引きは犯罪であり、当の本人も良く知っている確信犯。軽い気持ちだろうが重い気持ちだろうが犯罪
には変わりないのに、TVなんかの番組で観る限り警察でしっかり叱られ家族が迎えに来て『無罪放免』のような
形になっているようだ。いつぞやTVで万引き被害に遭い商売が成り立たなくなり閉店に追い込まれた例を紹介し
ていた。個人商店は薄利の中、努力して商いをしている。仕入れる物の代金は多分、月末決済とか翌月決済の短期
に支払いを要求され店が買い取ったものが売れなければ儲けはない。店が買った物は店の財産。個人商店だから店
主の財産と同じだ。それを盗られるという事は、私たちが自分で買った物を盗まれることと同じなのだ。
他人の家に入って泥棒をするか、店先で泥棒をするかの違いだけで『泥棒』
万引きは無くなるどころか増え続け、近年は哀れな事だが老人の万引きが増えていると聞く。
さて、私たちは裁判官ではないから万引きをした人物の罪を裁くこと出来ないが、被害に遭いながらいつも結果的
には『無罪放免』にされては、溜ったものではないと言う店の言い分はよく理解できる。被害の損失分を誰も補て
んしてくれない事が続く訳だから、今回のような事も起こってくる。
大阪のある店で同様の警告をしたところ万引きが無くなったとTVで放送していた。その店主も様々な所から批判
されたり、応援を得たり大変だったらしい。万引きをした人物にも人権はある。では人権と被害を天秤にかけて納
得のいく捌きがるのか。うーん、と唸らざるを得ない。
万引き被害を受け続けた店主の名言。『私は万引きする人たちに対する教育者ではない。生活者だ』