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引越しいたします。

パキスタン、中国の要請で巡礼支援活動のウイグル人ビジネスマンを逮捕。

2007-07-21 23:39:01 | ニュース

ラールマスジド(レッドモスク)事件、また19日のバロチスタン州ハブ市での中国人技術者襲撃事件への対応で中国の属国化しつつあることが次々に明らかとなってきているパキスタン。

このバロチスタンでの中国人に対する自爆攻撃事件、「イスラム原理主義」勢力なのかそれともバロチスタン独立勢力なのかはわかりかねますが、とにかく中国人に対するパキスタンの土地の住民の反感はかなり大きくなっていることは確かでしょう。
メディアの中には中国がウイグル人の過激勢力が「イスラム原理主義テロリスト」との結びつきを警戒しており、ラールマスジドあるいはFATA(パキスタンの連邦管轄下部族地域、いわゆるトライバルエリア)のなかのワジリスタン州などにウイグル人がいたことをほのめかして述べているものもあります。
しかしながら、「タリバン」の著書がある有名なジャーナリストのアーメド・ラシッド氏は中国のバロチスタンにおいての経済活動が当地住民の生活を奪っているという認識が住民の中で高まっており、契約はすべて中国が持っていき労働者はすべて中国人である、と述べています。

参考 イギリス タイムズ紙
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/asia/article2106397.ece

そのなかで中国はパキスタンへの「テロ防止命令」のドサクサにまぎれて、パキスタン政府に圧力をかけてまずしい巡礼者を支援しているウイグル人ビジネスマンにまでテロリストのレッテルを貼ってウイグルへ強制連行、処刑をしようとしているというUHRP、ウイグル人権プロジェクトの報道があったので紹介します。

ウイグル人権プロジェクト 7月9日
http://uhrp.org/articles/368/1/Uyghur-detained-in-Pakistan-at-risk-of-extradition-to-China/index.html

ウイグル人権プロジェクト(UHRP)によれば事業家でウイグル人活動家のオスマン・アリハン氏(1976年生まれ)がパキスタンの公安部にラワルピンディで7月5日に拘束されたことがわかった。
UHRPはパキスタンがアリハン氏を中国に送還しようとしていることに深く懸念する。犯罪者であると訴追されて裁判にかけられたウイグル人は中国の法制度のもとでは適正な法的な陳述を得ることはほとんど不可能であり、往々にして拷問と虐待に悩まされる。

アリハン氏は人民中国政府から6月25日の中パ両国の合同ワーキンググループ開催に先立ってパキスタン当局に渡された「指名手配リスト」に載った20人のウイグル人の1人である。アリハン氏はは事業活動に加えてパキスタンやトルコの貧しいウイグル人学生を援助するために活動してきた。彼は独身であり中国のパスポート、中国市民権を持っていいる。

「アリハン氏が中国に送還されれば、彼は恐ろしい運命に悩まされることは確実です。」卓越したウイグル人のリーダーで人権活動家のラビア・カーディルさんは言った。「私はパキスタン当局が国際規範のノン・ルフールマン原則(注、迫害を受ける危険のある国家へ難民を追放、または送還してはならないとする、難民の地位に関する条約に明記されている原則)に忠実に行動し、アリハン氏を中国に送還することを中止することを懇願します。」

アリハン氏は2006年8月および9月に行われたサウジ入国ビザ拒否に抗議するウイグル人の在パキスタン、サウジアラビア王国大使館前での平和的抗議活動の主催者の一人であった。報道によると中国政府の猛烈な圧力により、サウジ当局は抗議者たちすなわち一般市民としてパキスタンを旅しメッカへの巡礼ハッジジに参加するためにずっとビザを求めていた人たちへのその発行を拒否していた。
抗議活動の結果、またつづいての国際社会からの圧力により、サウジアラビアはウイグル人巡礼者にビザを発行し、それは北京を激怒させた。


注、このビザ不発行事件については当時レポートがありました。
サウジがウイグル人にビザを与えない。

http://blog.goo.ne.jp/kokkok2014/d/20060930
ウイグル人の完全勝利
http://blog.goo.ne.jp/kokkok2014/d/20061005

中国当局は絶え間なく、平和的且つ合法的な宗教活動を抑圧することで知られ、特にウイグル人の宗教活動には激しく取締りを行う、ウイグル人はイスラムの穏健な型で宗教活動をするのであるが。最近の東トルキスタンにおいてのウイグル人からの今年のハッジ(メッカ巡礼)の為のパスポートを没収する計画はアリハン氏がパキスタンで組織することを支援した抗議活動の成功への露骨な反応であるし、中国によるウイグル人の宗教慣習に向けられた制限することのもう一つの宣言でもある。

アリハン氏は一時滞在したトルコから、ほぼ二ヶ月前以来パキスタンを旅していた。彼はいまだ中国から輸入されていない商品を調査して、サウジアラビアに送ろうと計画していた。

東トルキスタンから近接する国に逃亡するウイグル人は、大きくなる危険と中国への送還のリスクに直面する。アムネスティインターナショナルは数知れないパキスタンを含む近接国からのウイグル人の強制送還の事例を文書化しており、その文書には彼らが拷問や他の残虐か非人道的な虐待にさらされている事が書かれている。

アリハン氏の事例は2003年に「祖国分裂の試み」および爆発物保持の容疑でパキスタンから中国へ送還されたイスマイル・セメド氏のものと類似している。
セメド氏の法廷が指名した弁護士さえもが彼の事件を取り仕切る裁判官に、提出された証拠はセメド氏に有罪とするには適当ではないと述べたにもかかわらず、有罪とされて2005年10月にに死刑を宣告されて2007年8月に彼は処刑された。セメド氏の事例は中国が法体系を脅迫と抑圧の手段として使用する意志を表している。

UHRPが目にした、セメド氏の判決書によれば、爆発物所持容疑についてのただ一つの証拠は他の何人かのウイグル人の証言であった、そのうち二人は1999年に中国政府により処刑された。UHRPはこれらのウイグル人の証言は拷問によって得られたものであるであろうと信じる、そしてセメド氏の「彼についての容疑の自白」の書類も拷問を通じて無理に引き出されたものであろうということも。

他の事例では、ウイグル族のシャヒール・アリ氏がネパールから中国への2002年の追放につづいて2003年3月に処刑されたが、ネパールは中国と緊密な外交関係を持っていた。セメド氏のようにアリ氏は東トルキスタンにおける中国の支配に反対である履歴を持っていたし、前科で収監の経験もあった。

UHRPはパキスタンにアリハン氏あるいは中国の「指名手配リスト」にあるどんな他のウイグル人も追放しないことを強く勧める。国際法はどんな個人も安全が保障されない国への追放を禁止している。

中パ関係 エントリー
バロチスタンでの中国人殺害事件とムシャラフ大統領訪中

http://blog.goo.ne.jp/kokkok2014/d/20060220
パキスタンがウイグル人キャンプを撤去
http://blog.goo.ne.jp/kokkok2014/d/20060708
中パ合同軍事演習
http://blog.goo.ne.jp/kokkok2014/d/20061211

ラビア・カーディル紹介サイト↓

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