[写真]記者会見中の携帯電話使用をたしなめる岡田幹事長、22日の記者会見映像(民主党ホームページ内)からキャプチャー
4年ぶりに執行部に復帰した岡田幹事長が22日、初の記者会見をしました。今後、原則、毎週金曜日の3時から30分間、岡田克也さんの記者会見も民主党ホームページでライブ、ビデオで見られるようになります。
http://www.dpj.or.jp/media/kaiken.html
執行部とは役員会のメンバーのことで、副代表時代は役員会終了後、隔週で開かれる常幹に出席するだけでした。
きょうの初会見で、1問目に答えている途中に、携帯電話を使用する人に対してやんわりと
「(記者会見中の)電話はぜひ控えてほしいと思いますので、(記者)仲間のみなさんにもたいへん迷惑になると思いますので、よろしくお願いします」
と述べ、岡田流の合理主義をかいま見せました。
年収2000万円×6年が保証され、ぬるま湯に浸かる参院民主党が「反岡田」でまとまったのはこの辺の合理主義にあるのかなあ、と感じさせる場面でした。
「発想が一から違う政治家」といえば、小沢一郎さん、岡田克也さん、新党日本の田中康夫さんの名があがると思いますが、それぞれ「一から違う」のですから、それぞれの考えは違います。
3人のうち岡田さんは唯一、欧米(アメリカ)留学歴がありますので、西洋的な合理主義が強い面がうかがわれます。ちなみに「合理主義」とは、イデオロギーの名称ではありませんから、勘違いしないでくださいね(^^;)
岡田さんは通産省からハーバード大学に派遣留学している最中に、スペースシャトル「チャレンジャー」の爆発事故に悲しむ米国民が毅然としたレーガン大統領を信頼し、こんな時こそ米国は団結しなければならないとして、悲しみを乗り越えようとする姿勢をみて、初めて政治家を志しました。
岡田さんなら、日本の労働生産性が上がり、残業時間が減って、少子化に歯止めがかかると期待しています。
20日に55人ほどの議員が岡田陣営の慰労会を開いたことについて、「民主党と自民党は違う。派閥ごっこをして何の意味があるのか?」と述べました。慰労会では「95の会」と名付けて、岡田さんを支える集まりをつくろうという話が出たようです。
きょうは金曜日ですから、閣議がありました。その中で民主党参院議員の加賀谷健さんの質問主意書に関する答弁書が決定され、「第45回衆院選のもっとも遅い投票日は10月20日」であることが分かりました。
当ブログが「今後の政治日程」で指摘していたことが正しかったことが証明され、ほっとしました(^^;)。9月10日の任期満了日に解散するとその翌日から40日以内に総選挙が行われますから、10月20日(火)がもっとも遅いケースになります。日曜日に限れば10月18日(日)になります。
余計なお世話ですから、すべての衆院選候補者陣営は10月20日まで総選挙が延ばされても良いように、資金や事務所・コピー機などのレンタル契約の計画を立てておかなければなりません。
麻生首相が解散を選択せず、三木内閣以来の任期満了総選挙を選択した場合は、9月10日より前に総選挙が行われます。日曜日に限れば9月6日(日)までに総選挙が行われます。この法律はハッキリ言って変ですが、ゲームのルールは守らなければなりません。とはいえ、どんな格好であれ9割方、解散するでしょう。
もう一つ頭に入れるべきは、麻生太郎自民党総裁の1期目の任期満了日が9月30日だということです。
ですから、麻生首相が9月10日に解散し、自民党総裁選をやって、衆院選に臨むというシナリオは当然考慮しておかなければなりません。、総裁には再選(2選)まで出馬可能ですから、麻生総裁と他の候補による総裁選の可能性もあります。同党規約によると、国会議員+都道府県連代表者の総数の半数以上の署名があれば、総裁選の前倒しも可能となっています。
加賀谷健さんの質問主意書と政府の答弁書はいずれ、下のページに載ると思います(参院事務局さん、早めにね!)
「衆議院選挙の日程に関する質問主意書」(提出回次171回・提出番号164)
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/171/meisai/171164.htm
最も遅い衆院選は10月20日=政府答弁書
政府は22日の閣議で、次期衆院選の投票日について、公職選挙法の規定に基づき解散した場合、最も遅いケースでは10月20日になるとする答弁書を決定した。民主党の加賀谷健参院議員の質問主意書に対する答弁。
公選法は、解散によって行われる衆院選について「解散の日から40日以内に行う」と定めている。仮に衆院議員の任期が満了となる9月10日に解散されれば、10月20日投票の日程が可能になる。 (2009/05/22-17:32)
代表選と世論(ないしは世論調査)にねじれがあったの理由についての考察を書かなければモヤモヤが晴れません。どうしても書かせてください。
まず、私の記憶する限り、「どちらが民主党代表にふさわしいか?」という大手マスコミの世論調査は共同通信社と毎日新聞社が電話、日経新聞社が会員制ネットでやっただけではないでしょうか?
朝日・読売・NHKのリーディングメディア3社はやっていないと思いますが、私の勘違いでしょうか。
これだけ短い期間中にあまり予算が潤沢ではない毎日さんが世調をかけ、1面トップに仕立てました。過去に民主党代表選をめぐる世調を緊急でかけて、新聞の1面トップを飾ったことがあったでしょうか? 私には記憶がありません。
毎日世調の記事には、男女別の数字は出ていますが、年代別の数字は出ていません。平日の昼間の電話調査ですから、層別に偏りがあったのは想像に難くありません。毎日さんの経営体力として厳しいのは分かっていて、世調をかけ、1面トップになったわけですが、民主党議員の一部が「ねつ造だ」と言ったと聞いて、悲しく感じました。
ここで「世論操作」が行われたか?ということですが・・・
私は多くの回答者が「次の民主党代表にだれがいいですか?」という質問を「次の総理大臣にだれがいいですか?」という質問にとらえた可能性があると思います。
世調結果および世論に関して、党内外に驚きがあがりました。民主党国会議員は冷静に努めようとしていましたが、驚いていたのは表情で分かりました。民主党の現職、ハッキリ言えば参院民主党は政権担当能力はあるけれど、政権担当意識が希薄なのだと思います。
それと、共同、毎日、日経の世調結果が世論を席巻してしまったのは、紙を見ないで、ネット上に次々とコピペされたからでしょう。私は8年半社員記者をしていましたがマスコミの論調・経営はともに朝日・読売・NHKが動かしていることを実感しました。その3社が世調をしていないのに、マスコミ総出で世論操作をしたととらえるのは、世論が危険な方向に進んでいると思います。
もし興味がある方は、米の社会学者(ジャーナリスト)だったウォルター・リップマンが書いた掛川トミ子さん翻訳の『世論』が岩波文庫に上下巻で入っていますから目を通していただきたいと思います。
1998年だったと思いますが、橋本龍太郎総理大臣の政務秘書官だった江田憲司さんが、記者の夜回り取材に答えている際に「リップマンの世論っていうの・・・」とふともらしたことがあります。リップマンの世論を「読んだ方がいい」と誰かから言われたのではないかと思いました。岩波文庫に邦訳が入ったころには、江田さんは通産省で朝から深夜まで働いていましたから、1998年の時点では読んでいなく、そのことを気にかけていたのだと推測します。
その夏の第18回参院選は世調と正反対の結果が出て、自民惨敗・民主躍進、橋本内閣は総辞職しました。「1997年4月消費税増税→同年11月山一・拓銀ショック」という流れの経済失政だ、とらえていることを翌年7月の参院選中の出口調査の時点まで橋本首相(自民党総裁)らが気付いていなかったのでしょう。蛇足ですが、1997年11月時点での野党第一党党首も気付いていなかったことは間違いありません。
私は太平洋戦争と新型インフルエンザ騒動の両方を連想しています。「情に棹させば流される(世論に迎合すると自分を見失う)」という明治の漱石の警告はいまでも生きていると思う。これが「マスコミの世論調査は操作されているという世論」に流されているとしたら、極めて危険な状態です。
日本一精度が高い1億人の世論調査すなわち総選挙まであと100日。例えば、東京都議選を「前哨戦」として盛り上げるのはやめた方がいい。主権者は100日後に選挙区、比例区と2つの大きな決断をしなければいけない(最高裁裁判官国民審査を入れれば3つです)。
100日間、それだけを考えて、世論ではなく、私論をつくってほしいものだと思います。