代表選と世論(ないしは世論調査)にねじれがあったの理由についての考察を書かなければモヤモヤが晴れません。どうしても書かせてください。
まず、私の記憶する限り、「どちらが民主党代表にふさわしいか?」という大手マスコミの世論調査は共同通信社と毎日新聞社が電話、日経新聞社が会員制ネットでやっただけではないでしょうか?
朝日・読売・NHKのリーディングメディア3社はやっていないと思いますが、私の勘違いでしょうか。
これだけ短い期間中にあまり予算が潤沢ではない毎日さんが世調をかけ、1面トップに仕立てました。過去に民主党代表選をめぐる世調を緊急でかけて、新聞の1面トップを飾ったことがあったでしょうか? 私には記憶がありません。
毎日世調の記事には、男女別の数字は出ていますが、年代別の数字は出ていません。平日の昼間の電話調査ですから、層別に偏りがあったのは想像に難くありません。毎日さんの経営体力として厳しいのは分かっていて、世調をかけ、1面トップになったわけですが、民主党議員の一部が「ねつ造だ」と言ったと聞いて、悲しく感じました。
ここで「世論操作」が行われたか?ということですが・・・
私は多くの回答者が「次の民主党代表にだれがいいですか?」という質問を「次の総理大臣にだれがいいですか?」という質問にとらえた可能性があると思います。
世調結果および世論に関して、党内外に驚きがあがりました。民主党国会議員は冷静に努めようとしていましたが、驚いていたのは表情で分かりました。民主党の現職、ハッキリ言えば参院民主党は政権担当能力はあるけれど、政権担当意識が希薄なのだと思います。
それと、共同、毎日、日経の世調結果が世論を席巻してしまったのは、紙を見ないで、ネット上に次々とコピペされたからでしょう。私は8年半社員記者をしていましたがマスコミの論調・経営はともに朝日・読売・NHKが動かしていることを実感しました。その3社が世調をしていないのに、マスコミ総出で世論操作をしたととらえるのは、世論が危険な方向に進んでいると思います。
もし興味がある方は、米の社会学者(ジャーナリスト)だったウォルター・リップマンが書いた掛川トミ子さん翻訳の『世論』が岩波文庫に上下巻で入っていますから目を通していただきたいと思います。
1998年だったと思いますが、橋本龍太郎総理大臣の政務秘書官だった江田憲司さんが、記者の夜回り取材に答えている際に「リップマンの世論っていうの・・・」とふともらしたことがあります。リップマンの世論を「読んだ方がいい」と誰かから言われたのではないかと思いました。岩波文庫に邦訳が入ったころには、江田さんは通産省で朝から深夜まで働いていましたから、1998年の時点では読んでいなく、そのことを気にかけていたのだと推測します。
その夏の第18回参院選は世調と正反対の結果が出て、自民惨敗・民主躍進、橋本内閣は総辞職しました。「1997年4月消費税増税→同年11月山一・拓銀ショック」という流れの経済失政だ、とらえていることを翌年7月の参院選中の出口調査の時点まで橋本首相(自民党総裁)らが気付いていなかったのでしょう。蛇足ですが、1997年11月時点での野党第一党党首も気付いていなかったことは間違いありません。
私は太平洋戦争と新型インフルエンザ騒動の両方を連想しています。「情に棹させば流される(世論に迎合すると自分を見失う)」という明治の漱石の警告はいまでも生きていると思う。これが「マスコミの世論調査は操作されているという世論」に流されているとしたら、極めて危険な状態です。
日本一精度が高い1億人の世論調査すなわち総選挙まであと100日。例えば、東京都議選を「前哨戦」として盛り上げるのはやめた方がいい。主権者は100日後に選挙区、比例区と2つの大きな決断をしなければいけない(最高裁裁判官国民審査を入れれば3つです)。
100日間、それだけを考えて、世論ではなく、私論をつくってほしいものだと思います。
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