[画像]答弁者としておじぎする自民党”ヒゲの隊長”こと佐藤正久さん、2011年7月11日午後1時過ぎ、参議院インターネット審議中継からキャプチャ、トリミング。
〈国民が与えた「再ねじれ」、参議院自民党の一つの答え〉
1年前、2010年7月11日(日)の第22回参院選で、国民(有権者)が民主党政権および国会に与えた課題は「再ねじれ」でした。再ねじれ国会では、尾辻秀久さんの副議長昇格にともなう参議院自民党の会長選挙で、世襲グループ(中曽根弘文さん、小坂憲次さん、山本一太さん、林芳正さん、世耕弘成さん、西田昌司さん)が勝ち、その主導権をにぎりました。自民党の衆参の横串だった派閥のくびきから解放された、参議院自民党はあたかも“関東軍”のような雰囲気となりました。ついには、「参院での予算審議で衆院を解散に追い込む」(小坂幹事長)、「問責決議案を提出する」(一太政審会長)とだんだん先鋭化していきました。実際に昨秋の第176回国会のネット傍聴者は参院の方が多いという逆転現象になりました。しかし、3月、これは国民でなく、天がある“判断”を下しました。年間で最大の見せ場である3月前半の予算審議中の「3・11」でした。それからの4か月、参院自民党は不発をくり返してきました。そして・・・
国民が与えた「再ねじれ」という課題からちょうど1年・・・参議院が出した一つの答え。それは、「議員立法」でした。
参院自民党がコツコツと議論してきた「原子力災害の(東京電力でなく)国費による仮払い法案」(177国会参法9号)が野党5党共同提出としてきょう、実質審議入りしました。法案提出者はみな非世襲議員・・・自民党の陸上自衛隊1等陸佐出身の佐藤正久さん、公明党の通産官僚出身の浜田昌良さん、みんなの党の福島県議出身の小熊慎司さん、新党改革の元福島県議で典型的「たたき上げ」の荒井広幸さんらです。
“ヒゲの隊長”は、第21回参院選で初当選した2007年夏から4年間、北澤俊美さん(参院外交防衛委員長→防衛大臣)という好敵手の下、国会議員としての力を上げてきた感じがします。ヒゲの隊長は、おととし、「国の防衛を司る防衛大臣の言動は極めて重い。防衛大臣が前言を変えたら、困るのは部下たる自衛官である」とする内容の質問主意書を出しました。責任野党らしくて好感が持てますが、やはり野党慣れしていないのか、その主意書のタイトルは「北澤防衛大臣の発言の無責任性と防衛問題の考え方に関する質問主意書」と「無責任性に関する質問」という初めから、けんか腰でした。案の定、全閣僚が閣議で決定した答弁書では「政府としては、憲法および専守防衛などの基本的防衛政策の下で、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つことを目的とした各種施策を推進する」と軽くあしらわれてしまいました。これでも答弁書としてはていねいな方ですよ。こういうのはたいてい20代前半の新米キャリア官僚が書いているとされています。ところで、ヒゲの隊長が福島県出身であることは「3・11」で初めて知りました。そして、きょう筆頭発議者として、答弁デビューしました。やはり陸自の隊長になるような人は、どんな世界でも通用するし、体が丈夫ですから、これからドンドン責任あるポジションで活躍していくことになるんだと考えます。
午後2時半ごろ、みんなの党の松田公太(まつだ・こうた)さんが質問に立ちました。スター選挙区の東京選挙区で、最下位5位に滑り込みました。その松田さん、「きょうは東日本大震災から4ヶ月」「私が当選した第22回参院選から1年」と述べました。週末に被災地に行き、配偶者と2人のお子さんを亡くされた被災者と会ったときに、「この1年間、私自身ナニやってたんだろう」「この4ヶ月間、政治家はナニをやってたんだろうと思った」とし、「今日から被災者の人をしっかりとみて、再スタートしたい」としました。この質疑中に松田さんは「いまちょうど2時46分になりました」と話し、他の委員が第1委員会室の時計を見上げる光景がみられました。こういった流れをつかむ松田公太さんの非凡さを感じました。この松田さんにも「大化けの予感」がありますが、どうなるでしょうか。
ねじれ国会が熟議で再スタートしました。
〈骨抜きされた地方一括交付金は沖縄県限定で再スタート〉
さて、きょうは2009年8月30日の第45回衆院選からの再スタートがありました。民主党幹事長の岡田克也さんは11日の定例記者会見で、枝野幸男官房長官に提言を出した「沖縄振興一括交付金」の「一括交付金」の意味について、マニフェストに盛られた地方一括交付金のことだとの認識を示しました。そして沖縄県をモデル地区にして、権限を「各府省の根っこから断ち切って」沖縄県に一括してオカネを渡し、使い方は「沖縄県に決めてもらう」としました。
岡田さんは、「地方一括交付金は、マニフェストの中でもうたった地方主権の改革の柱です。そのなかで、沖縄(県)を、モデルとして位置づけてやっていこう」としました。なお、2009マニフェストでは「地域主権」という言葉を民主党は使っていましたが、いわゆる「地域主権3法案」について、今国会で、自民党の修正要求に基づき「地域主権」という言葉を削って、成立させました。ですから、「再ねじれ」の中で、振るい落とされて、「地域主権」という言葉は消えたと考えるのがスジです。
これは岡田さんが、霞が関の抵抗・骨抜きの盲点を突いたのだと思います。私は「総務省主管の地方一括交付金」になるのだと思ったのですが、「内閣府主管の地域自主戦略交付金」に骨抜きされました。ただ、橋本行革で、北海道開発庁は「国交省北海道局」になりましたが、沖縄開発庁は「内閣府沖縄振興局」になっています。また、今年度予算書では内閣府に盛られた「地域自主戦略交付金」は、沖縄だけ別の費目で計上されています。ですから、これを沖縄振興一括交付金として、マニフェストの原点に戻ろうという考え方だと思われます。
いわば、苦しいときこそ、原点に戻る。君子は本を務む、本立ちて道生ず。マニフェストの地方一括交付金の原点を、霞が関の骨抜き工作の盲点をついて、内閣府と沖縄県に突破口を見つけたのだと考えます。
ハットカズ(HAT-KZ)といって、これは長妻昭さんが野党時代に提唱したもので、「ひも付き補助金」「天下り」「特別会計」「官製談合」「随意契約」の頭文字です。これらは、すべて、各府省から自治体への「補助金」を断ち切ると、天下りを受け入れる必要もなくなるし、官製談合も随意契約もなくなり、自治体が元気になり、国および自治体ひっくるめた公会計の総額が安くなります。長妻さんは現在「筆頭副幹事長」として党本部幹事長室にいます。
そして、「いくつものステップを踏んだ上で」、税源移譲がゴールだとの認識を岡田さんは示しました。そして、岡田さんは、二大公共事業官庁である、国土交通省と農林水産省の両大臣(大畠章宏さんと鹿野道彦さん)にきょうあすで会って、「覚悟をもってやってほしい」と強調します。また、枝野官房長官が土曜日に菅直人総理に話しており、総理と官房長官のラインはできているということです。少し青空が広がった気がします。
このように、各省にある紐付き補助金の温存を図る官僚が、内閣府に置いた「骨抜き地方一括交付金=実質は紐付き補助金」を、岡田さんがターゲットにしたのではないか、と私は推測しています。
ちなみに事務次官人事の季節ですが、ことしは震災と延長国会で止まっていますが、農水省の町田勝弘事務次官に続き、岡田さんと同じ昭和51年入省組がドンドン事務次官になります。ときどき「岡田さんに官房長官をやってほしい」という人がいますが、私は岡田さんが官房長官をやったら霞が関と大げんかになると考えます。ですから、もっと民主党支持率が高くないとその人事案はないと考えます。そして、岡田内閣総理大臣というのは、それこそ今の民主党のレベルでは議員がついて行けません。岡田さんは木曜日で58歳になりますが、何となく雰囲気や政界ポジションが似ている鈴木貫太郎が首相になったのは77歳で、大隈重信は78歳まで首相を務めています。まずは民主党の底上げです。
骨抜きにされたマニフェストの地方一括交付金は、沖縄県限定で再スタートしました。
〈村松岐夫・衆議院小選挙区画定審議会会長に岡田幹事長がメッセージ〉
記者会見で岡田幹事長は、来年2月に迫っている小選挙区の区割り案の策定作業が止まっていることに関連して、「(国会が)1人1枠方式を認めないという(最高裁判例を公職選挙法に反映させる)ことになれば、21増21減(案)でやるのか、あるいは選挙制度を変えるのかというどちらかの選択肢しかないだろう」と語りました。7人の委員で構成する衆議院選挙区画定審議会の村松岐夫(むらまつ・みちお)会長(京大名誉教授)は3月28日に記者会見し、「「国会や各政党、各会派が議論を開始されると思う。その結論に注目する以外ない」として1人1枠(いちにんいちわく)方式に関する国会の答えがでるまで、区割り見直し作業を一時中断ています。
衆議院議員選挙区画定審議会設置法では「衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定に関し」「その改定案を内閣総理大臣に勧告するものとする」とあります。ですからこの審議会は小選挙区を前提にしたものです。ということは、岡田さんの「21増21減か選挙制度を変えるのかという選択肢しかない」というのは、村松会長らに「21増21減で作業を進めてください」というメッセージであると考えられます。審議会は官僚の手はなるべく借りずに7委員の手でやるべきです。今回は平成の大合併による、自治体ごとの見直しも必要です。選挙の投開票事務などは法定委託事務ですから、現在のように、一つの基礎自治体が2つの選挙区の投開票作業をしていると、おそらく日本全体で、10億円程度の国費が“ムダ”になっているのではないでしょうか。いまどき10億円は大きいです。ぜひ、村松先生らは、21増21減で区割り案をつくってほしいと考えます。これは私の考えですが、きょうの岡田幹事長の発言はそういう意味で、ほぼ間違いないと考えます。
これは第46回総選挙に向けたスタートといえるでしょう。3月でいったん作業が進んでいましたが、村松さんら7委員は見切り発車で再スタートしてください。
私は日本の歴史の転換点に立ち会い、きょう「歴史の証人」となっていることをうれしく感じています。日本には底力がある。そして、それを上手く分配していくためにどうするか、もっと積極的に政治の議論をする。そのたった一つの工夫だけで、日本は復活できるでしょう。7・11からの再スタートです。
6月23日(木)から空転していた延長国会ですが、7月6日(水)の衆院予算委の集中審議(全閣僚)、7月7日(木)の参院予算委の集中審議(総理と閣僚)で正常化しました。8日(金)は衆・厚労委で「新型インフルエンザの予防接種に関する特措法の改正案」(174閣法55号)が可決され、同日午後の衆院本会議で参院へ。衆・厚労委(民主党・渡辺周筆頭理事、自民党の加藤勝信、田村憲久、公明党の古屋範子理事)はあいかわらず「働きます委員会」です。これまでの宿題が山積みだからという状況もあるので手放しで褒められませんが、衆参の厚労委は今国会で議員立法も3本仕上げています。
このように、延長国会では、法案審査も正常化してきました。
そして、8日(金)には、衆本で「原子力賠償スキーム法案」(177閣法84号)が審議入り。一方、参院では「原子力災害の国費による仮払い法案」(参院自民党など野党5党提出、177参法9号)が審議入り。そして、来週月曜日には、衆・東日本大震災復興特別委員会で「スキーム法案」、参・東日本大震災復興特別委員会で「仮払い法案」が同時に動くという、「両院制(2院制)」らしい国会フル操業がみられます。これは衆院側で閣僚が答弁し、参院側で提出者の自民党・佐藤正久さんら野党5党が答弁するので可能になったわけです。しかし、ねじれ国会による国政の停滞による参議院に向けられた厳しい目も影響していると思われます。私も今第177国会では、ねじれのおかげでだいぶ勉強させていただきました。岡田克也幹事長もそう思っていると考えます。安住淳・国対委員長も、10年後にはそう振り返るでしょう。
特例公債法案(平成23年度の赤字国債発行法案、閣法1号)については、参院・財政金融委員会の荒木清寛理事(公明党)が、7日のTV入り予算委員会に乗り込みました。そして、4月29日の3党政調合意について、「公党間の信頼を損ねた」として、菅直人首相を激しく批判しました。荒木理事が怒るのはムリもなく、たいていは3月に参院財金委に回るこの法案ですが、3党政調会長協議のストップにより、7月になっても参院に回っていません。いまだに衆院財金委に残っています。そこで、参・財金委は、一般質疑で、自民党の林芳正さんらが野田佳彦財務相らに「早く回せ」と議論していますが、法案そのものが来なければ、参院はどうにもなりません。荒木さんが怒るのは当然でしょう。で、その翌日7月8日(金)に、3党政調会長(玄葉光一郎さん、石破茂さん、石井啓一さん)が協議を再開しました。翌日付日経2面は「自公、ハードル下げる」「子ども手当の見直しを必ずしも法案成立の前提条件にしない方針」を示したそうです。ただ、公明新聞は「子ども手当 実務者で見直し協議へ」としています。民主党ニュース(ホームページ)では「実務者協議は、民主党政調会長代理の城島光力さん、自民党政調会長代理(元厚労副大臣)の鴨下一郎さん、公明党副代表で元厚労相の坂口力さんが務め」、「12日(火)夕方に3党政調会長協議をする」ということになっています。こういった情報はこれまでなかなかディスクロージャーされていなかった情報で、民主党広報委員会には頑張ってほしいです。一方、「子ども手当」については、やはり坂口試案の方向性で決着しそうな気配です。特例公債法案に光明がみえてきました。
それから、「東日本大震災の二重ローンの債権買い取り機構」(自公案は参院に提出、民主党案は未提出)についてですが、8日(金)の衆・財務金融委員会の一般質疑で、珍しいやりとりがありました。与党時代に財務副大臣を務めた自民党の竹下亘・野党側筆頭理事が、「まとまれば民自公で法案を出したい」「政府(民主党)は法案は出さずに政令で出したいと聞いている。なぜ閣法を出さないのか?」と質問しました。これに対して、金融庁を担当する内閣府政務官で民主党の和田隆志さんが「現状は、自民党が法案を用意しているとうかがっている」として、閣法は出さない方針を黙認しました。これに対して、竹下さんは「その自公案を参考にしながら、民自公で実務者協議をしている。できれば閣法として提出して欲しい」と“お願い”しました。野党が政府・与党にこのような“お願い”をするのは極めて異例だと思います。やはり、菅政権の法案の作成能力が遅いということがうかがえます。もちろん、この債権買い取り機構について、「被災3県と茨城県で、県ごとに機構をつくり、中小企業融資の独立行政法人に加えて地域金融機関にも出資させる」という構想を日経が報じました。これには、県域営業が基本の、地方銀行、信用金庫、信用組合からもオカネを出させたい、という金融庁あるいは財務省の狙いが見え隠れします。ぜひ、日本国憲法第83条の「財政民主主義」という基本に、国難のときだからこそ、立ち戻ってほしいと考えます。ちょっと調べましたが、この条文は400年近く前のイギリスでの国会開設運動にまでその思想はさかのぼります。また、これは権力闘争によって勝ち取った「被支配者(有権者)の権利」だそうで、大事にしたい物です。
また、空転中の先週末7月1日(金)には、自民党の小里泰弘さん、谷公一さん、公明党の西博義さん、みんなの党の山内康一・国会対策委員長、たちあがれ日本幹事長の園田博之さんら野党4党が「がれき処理の(自治体の希望による)国の代行を可能とする特別措置法案」(177衆法19号)を衆院の鬼塚誠事務総長に提出しました。これは災害廃棄物(がれき)の処理で手一杯の自治体が国に代行する「補完性の原理」を定めた法案です。こういった法案が閣法で出てこないのは、政務三役の責任の下にあるとは言え、官僚の能力が落ちているからだと考えます。そして、消極的であってもそれは、菅政権というよりも日本国への背信行為になりかねない、ということをよく自覚して欲しい。
今週の国会で気になったのは、正常化直後の6日(水)の衆・予の午前9時台の宮城1区民主党の郡和子さんの質問で、前夜に就任した平野達男・復興相が答弁に立つと、委員席から拍手がわきました。この後、細野豪志・原発事故担当相が答弁に立ったときは、まったく拍手がありませんでした。しかし、国会会議録上は、細野大臣も、これが就任後初登場であり、平野さんと同様です。かつて、将棋の羽生善治さんが「7冠」になったとき、「7冠よりも、後世に残る棋譜を残したい」という趣旨の発言をしたのが印象に残りました。今はチャンスです。国難のこの第177国会の議事録は後世、何度も読み直されるでしょう。そいう意味では、8日(金)の衆本で、総理に対して、賠償スキーム法案で代表質問になった民主党1期生が、この人がとても頑張っているのはよく聞いていますが、東京電力福島第一原子力発電所周辺の動物の保護について、質問したのが気になりました。本論と関係からです。この議員がこの問題でタイヘン良くやっていること、また政調や議連の声が政府に届いていないのは分かります。しかし、被災者のことも考えれば「我慢(Patience)」も与党議員の仕事なのではないかと思いますが、どうでしょうか?もう少し、小説のように「流れ」「ストーリー」というものをみんなが意識して国会を運営して欲しいものです。
さて、来週月曜日である7月11日は、第22回参院選の民主党敗戦・自民党勝利による「再ねじれ国会」から1周年です。それを思えば、民主党執行部は1年間、よく頑張ってきました。ところで、参議院史上1回しかない首相問責決議の審議を、参本一般傍聴席で見たことを思い出します。趣旨弁明は輿石東さん、賛成討論は簗瀬・参院国対委員長でした。そして政権交代で与党になった第22回参院選で輿石さんは18・7万票(得票率43・0%)と自民党の宮川典子候補に18・3万票(得票率42・2%)まで追い上げられる危機一髪の勝利。簗瀬さんは賛成討論で「総理主催の桜を見る会で」「女優の菊川さん、タレントの眞鍋かをりさんに囲まれた総理は、物価が上がる」「しようがない」と攻撃して、全体の文脈としては問題なかったのですが、あたかも福田康夫首相が菊川怜さんや眞鍋かをりさんと桜を見たから問責するかのような趣旨にとられかねない演説に感じられました。簗瀬さんは自民党とみんなの党のはさみうちにあって落選してしまいました。このような野党時代の体験も踏まえて、輿石会長は、問責を出せないように、参院自民党も、参院民主党もしっかりおさえているのだと考えます。月曜日の、ヒゲの隊長や、元福島県議のみんなの党の小熊慎司さんらの答弁が楽しみです。こういった非世襲グループががんばって、参院自民党を食い物にする世襲グループ(中曽根弘文会長、小坂憲次幹事長、山本一太政審会長)と民主党内世襲グループ(小沢一郎さん、鳩山由紀夫さん、田中眞紀子さん)らの復興利権をねらう6月1日以降の不信任政局の不安定をなだらかにすべきです。不安定はいけません。波風はいりません。参議院の将来のためには、世襲グループは問責決議案を提出しないという選択をすべきです。
また7月14日(木)の衆本で「再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り法案」(閣法51号)が趣旨説明と代表質問で審議入りする見通しです。そして、15日(金)には、第2次補正予算案が提出され、衆参本会議で、野田財務相の演説と代表質問が行われる見通しです。来週はかなり忙しくなりそうです。フル操業といきましょう。
[画像]参・予算委で質問する民主党の轟木利治(とどろき・としはる)さん=参議院インターネット審議中継から
(未定稿)
(利害関係者の方は、必ず会議録やインターネット審議中継などで確認してください。あくまでも私の手元のノートから書き起こした国会傍聴記です)
【2011年7月7日(木)参院予算委員会集中審議】
きょう(7月7日)から、参院でも審議が再開しました。
トップバッターは民主党・新緑風会の轟木利治さん(全国比例)でした。「初めて総理に質問します」、「この機会を与えていただいた先輩に感謝します」、「この委員会の与野党の理事のみなさんにも感謝します」ということで、TV入り・総理出席の「集中審議」に、さしかえで予算委員に起用されたことがうかがえます。で、私は、なぜ轟木さんが起用されたかは、ピンと来ました。彼は「基幹労連」(日本基幹産業労働組合)の組織内として、民主党比例代表で当選しています。
轟木さんは「再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り法案によって電気料金が上がる。業種によっては、コスト高になる。(法案審議では)その産業に配慮すべきだ」と指摘しました。基幹労連は、鉄鋼・非鉄金属などの素材産業のはたらく仲間が参加しています。
轟木さんは「菅直人総理は、先日の国会答弁で、『コスト高になるので反対している業種がある』としているが、それはどの業種を想定しているのか?」と聞きましたが、菅さんは「新・成長戦略の会議で、米倉弘昌・経団連会長が書面で提出した意見によるものだ」として、具体的にどの業種かは想定していないが、経団連から「業種別では(電気料金高で)コスト高になる産業がある」との意見が出ているとしました。
「総理のお考えは分かりましたけれども」として、「日本の電気料金は世界的に高いポジションにあります」としました。
そして、再生エネ法案(177国会閣法51号)について、担当の海江田万里・経済産業大臣に説明を求めました。海江田答弁から、現在の法律でも、余剰分の買い取り制度はすでにあり、買い取り価格も現在も電力料金に負荷されていることを確認して、「再生エネ法案は“全量固定価格買い取り制度”という名前でどうも難しく考える方もおられますが、理解していただけたかなと思います」と述べました。だれが?理解していただけたのか・・・となると、おそらく、素材産業の経営者だったり、労働者だったりするでしょう。支持者の中でも、ちょっと理解不足で、法案への反対論を轟木事務所にぶつけている人がおそらくいるのでしょう。大組織をバックに当選した議員も楽でないですね。
轟木さんは法律や政府の決定にある「電力多消費産業」とは何か? そして、それに対する国の支援はあるのか?と経産相に問いました。
海江田さんは「私どもの頭の中にあるのは、電炉業、曹達業、鋳造業・・・こういったところに属する事業者は電気を大量に消費しているという認識があります」としたうえで、国の支援策として考えられるのは「その業種の会社が省エネ設備を新設したり、省エネ研究をしたりするときの補助だ」としました。この辺はいかにも与党と閣僚の答弁という感じですが、私としては、なるほどという感じです。
調子が出てきた轟木さんは「この3つの電炉業、曹達業、鋳造業は他の産業の10倍電気を使います。いわば“電気が原材料”です」と述べました。「電炉業と言っても、あまりピンとこない方もいらっしゃるでしょうが、鉄をつくっています」とTV入りですので、かみ砕いて説明しました。
原材料に、「工場・電気・労働力」を加えると、製品ができあがる・・・というのが経済学のイメージですが、現場のイメージは、「電気も原材料だ」と。これは専門家でないと出て来ないヒトコトだと感じました。
そして、はたらく仲間は「(電力料金の安い時間に操業するので)土日も、深夜も、お盆も・・・とにかく人が休んでいるときに稼働している産業です」としました。これ以上の電気料金という“原材料高”はごめんだ、だから「再生エネ法案」は審議するな!~~と論が進むのか思いきや、轟木さんも民主党国会議員です。支持者の聞きたいことを引き出し、自分たちの産業のこともTV入りでアピールしたうえで、「こういった産業もあります。(電力高で生産コストが上がれば国際競争力が下がるので)新成長戦略にも影響もあります。そういった点もふまえて、再生エネ法案の審議をしてほしいと思います。本日は大変ありがとうございました。以上でございます」。
ということで、轟木質問で、素材産業が労使協調で、再生エネ法案の慎重審議を求めているらしい、ということが、参・予算委員会の集中審議という場で明らかになりました。こういう風に、轟木さんが質問してくれたので、見えなかった論点が見えてきました。やはり国会議員たるものは、非公開の政調部門会議はほどほどにして、ヒラバの国会でドンドン発言して欲しいと考えます。
轟木さんは最後まで「基幹労連の出身だ」と名乗りませんでしたが、名乗ってもいい、ハッキリした国会審議を私たちは求めてもいいのではないでしょうか。
ぜひ、政府も出したい法案は、国会冒頭にどーんとだして、各委員会は定例日には必ず開いて、理事会もネット中継して、法案の審議入り自体がされないというルール改正をしてほしいです。これは野党も賛同するでしょう。この前日の衆院予算委員会では自民党が「津波対策推進基本法案」を9ヶ月も審議してもらえなかったとしています。しかし、自民党が与党だった頃には、野党である国民新党・民主党共同提出の「郵政民営化一時凍結法」が参院で可決された後、衆院で1年間議論されなかったことがありました(郵政株式売却凍結法案、1年間の眠りから覚める)。
当ブログは、5月18日付エントリーで「再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り法案(177閣法51号)の成立を呼びかけよう!」ということで、各種団体だけでなく、国民の声も一般法案の審議に届けようと呼びかけさせていただきました。しかし、その後、「3つの想定外」が重なってしまい、やや困惑しております。1つは、審議入りしないという状態になり、大手マスコミと違い、体が1つの当ブログとしては、「なぜ審議入りしないんですか?」と国会議事堂に出向き、与野党理事から本音を引き出す取材が難しいという状態になりました。これはきょうの轟木質問でスッキリしました。そして、2つめは、当ブログが他のブログに引用され、「菅直人は初めから脱原発派だった」という「原発vs再生エネ」の二元論が展開されました。わが国の政治議論のなかで、「いまだにこんな低水準の議論を展開する国民がいるのか?」と思うと、うんざりです。わが国土のエネルギー源はほとんが火力と水力で、原子力も再生エネルギーも少数派です。脱原発で、LPGをドンドン燃やしたり、川をせき止めてダムをドンドンつくるという選択肢もあるわけですから、この二元論はあり得ません。政治的思惑です。そして3つめは、菅総理が、政権延命の3条件に使っている。ただ、第176臨時国会の所信表明演説(2010年10月1日)でも、菅総理は、再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度の創設に言及しています。
なお、2011年6月16日の民主党幹事長定例記者会見で、私は「(再生エネ法案が)(衆院)経産委員会で審議入り自体されていない状況にあるが、経団連の一部企業からの圧力があるのか」と質問しています。岡田幹事長は、「そういったことを私、感じたことはありません。それから、この固定価格買取制度によって、大きく電力料金が上がるわけではありませんので、諸外国の例を見ていても。それが競争力を失わせるとか、そういう議論ではないと考えております」と答えています。
一方、なぜ太陽光パネルでは、日本のシャープ、京セラ、三洋電機などがドイツ企業としのぎを削っていたのに、太陽光パネル産業でドイツが国際競争力を強めたのかを調べたら、これは、やや古い文献でも、「ドイツでは2000年の再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り法の成立による国内での普及」によるものということでほとんど一致しています。三洋電機なんか全体では再建企業になってしまいました。この10年間の政治の怠慢が悔しいです。昭和セル石油も太陽光パネル産業に進出してきていますから、産業政策としても、修正協議もして、再生エネ法をしっかり成立させましょう。
また、電炉業、曹達業、鋳造業の経営者・労働者が納得できるよう、ていねいに説明し、また、修正協議も辞さない構えが求められます。きょうは、国会内で、衆院経産委の民主党側筆頭理事を見かけました。この法案だったんでしょうか。ちょっと声をかけようかと思いましたが、面識のない方ですので自重しましたが、しっかりと延長国会を見ていきたいと考えています。
[画像]自民党の岩屋毅さん、同氏ホームページの「岩屋たけしの歩みーAn Album Of Mr. Takeshi Iwaya-」からキャプチャ、トリミング。
7月6日(水)の午前9時からの衆院予算委員会の「延長国会の諸課題に関する集中審議」から国会が正常化しました。6月22日(水)の衆院本会議以来、2週間ぶりの正常化。その本会議で、フロントベンチの政権準備政党(The Opposition) である「自民党」の党議に違反して、横路孝弘議長の発議による「延長幅70日間」に造反(賛成)した、シャドウ防衛大臣の岩屋毅さんと、シャドウ内閣府特命担当大臣(行政改革・公務員制度改革担当)の河野太郎さん。2人とも辞表を提出していましたが、自民党党紀委員会(民主党では倫理委員会)から「役職停止1年間」の処分を受けたことから、シャドウ閣僚辞任となりました。
これにより、自民党のシャドウ・キャビネットのホームページ(http://www.jimin.jp/member/s_cabinet/index.html)からは、6日午後に2人の顔写真が削除されました。とはいえ、自民党は大丈夫なんでしょうか? というのは、河野さんの後任はまだしも、岩屋さんはシャドウ防衛大臣だったんですが、現在、空席ということになります。副大臣として、徳田毅さんと佐藤正久さんがいますが、どちらが優先するかは決まっているのでしょうか。自民党のことはよく分かりませんが、自民党は「東日本大震災復興基本法」を成立させたのに、いまだに、シャドウ復興担当大臣も置いていないようです。このようなことでは困ります。民主党に何かあったらどうするんですか? 日本のために、自民党にもしっかりしてもらわないと困ります。
7月6日(水)の予算委は、久しぶりだからか、自民党の質問はあまりキレがありませんでした。というよりも、自民党は明らかに、「菅内閣を退陣させよう」という気はまったくない。このまま任期満了に追い込むか、できれば解散して欲しい。これは幹事長と政調会長が質問に立っての感想ですから、間違いないでしょう。みんなの党も渡辺喜美代表が明らかに解散してほしいという本音が見えました。政権を担い続けることのきつさというのを、十分に、民主党議員・秘書も、あるいは国民も、味わうべきだと、私は考えています。
幹事長の石原伸晃さんが、延長国会で「閣法で出すべき法案を菅内閣が出さないので、議員立法で出す」として、二重ローン対策の金融機関再建買い取り法案などをアピールしました。そのうえで、「浜田政務官引き抜き事件」に触れました。菅直人首相は、「私も新進党から自民党に一本釣りされるのを(さきがけ・第1次民主党で)見ていた」と攻撃しました。
続いて、政調会長の石破茂さんが60分間質問しましたが、相変わらずの「与党ならこうするもんだ」という説教調でした。伊吹文明さんと石破茂さんは野党質問になっていないように思えますが、自民党会派は持ち時間が多いので、サンドウィッチのように間に挟むには、傾聴に値すると思います。勉強になります。しかし、石破さんは「浜田事件」について、自分が新進党を離党して自民党に帰った過去がなかったかのように、ぬけぬけと批判しました。鳥取県の有権者はいい加減に怒ったらどうでしょうか。浜田氏について、石破さんは、「(第22回)参院選は政権選択選挙ではないが、民主党政権を批判する有権者の声があらわれたものだ」として、「こういう人を(自民党公認候補として)鳥取県民にお願いした不明を恥じ入る」と述べました。しかし、鳥取県ではこのような二大政党間の鞍替えが相次いでいます。ちなみに「鞍替え」は「旦那がひいきの芸者を”鞍”替えする」という下品な語源を持つ言葉なので、当ブログでは、「国替え」、「院替え」などと言い換えていますが、この場合は、「鞍替え」がピッタリです。第44回衆院選(2005年9月11日)では、郵政造反で自民党を除名(民主党でいう除籍のこと)された川上義博さんが、小沢一郎氏の誘いで、第21回参院選(2007年7月29日)で民主党公認で当選し、小沢グループになりました。小沢氏は、さらに自民党の田村耕太郎参院議員を引き抜き、選挙区も捨てさせ、第22回参院選(昨年7月11日)で民主党公認の全国比例の候補者としましたが、落選しています。また、民主党の鳥取選挙区の女性候補者は、元自民党参院議員の孫娘でしたが、これは祖父と孫は別人格ですから、いいでしょう。鳥取県では有権者が選んだ政党を次々と裏切る政治家が出ていますが、火付け役は石破さんです。石破さんは、自民党政科研(中曽根・渡辺派)から、細川・羽田内閣発足後に新生党に移り、新進党結党に参加しました。そして、小沢一郎氏に辟易し(これに関しては同情しますが)、自民党平成研(小渕派)に一本釣りされてしまいました。この石破氏の「1度裏切る人間は2度裏切る」行為により、鳥取県では「鞍替えは全然オッケー」になってしまいました。鳥取県民はもっと怒るべきです。
石原さんの総括的質問、石破さんの説教に続き、塩崎恭久さんが「原子力賠償スキーム法案」などについて、そして、赤澤亮正(あかざわ・りょうせい)さん成立した議員立法に対する民主党の対応について質問しました。この赤澤質問も大会派だからできる質問です。赤澤さんは鳥取2区ですから、石破さん、赤澤さんの鳥取選出の衆議院議員は全員が質問に立ったことになります。小泉チルドレンで小選挙区で生き残った2期生は、赤澤さん、稲田朋美さん、徳田毅さん、小里恭弘さんの4人で、全体の5%程度になります。
赤澤さんは、議員立法の津波対策推進基本法案(筆頭発議者・二階俊博さん)を第174回通常国会に提出したのに、民主党(小沢一郎幹事長・山岡賢次国対委員長)がたなざらしにしたことを菅総理(民主党代表)が知らなかったとして、民主党のシステムが危機管理に即していない、と批判しました。民主党と自民党の相対的な比較ならば、それは自民党に一日の長があるでしょう。しかし、だったら自民党政権50年間に、閣法として、津波対策推進基本法を成立させるべきでした。
そして、繰り返しになりますが、自民党も政権準備党(The Opposition)として、シャドウ防衛大臣とシャドウ復興対策担当大臣、シャドウ行革・公務員制度改革相を今すぐ任命すべきです。聞くところでは、英国では、シャドウ大臣にも少額の手当が国から支給され、シャドウ首相には若干の交際費も国費で認められているようです。このように、日本でも、シャドウ・キャビネットに、「資料費」などを支給するシステム作りが必要です。
2週間ぶりに国会が正常化した今朝、このブログの左につけた「ブンブンカウンター」を使ったリアルタイム・ログ(アクセス履歴)解析で、「hq.jimin.or.jp」というリモートホストからのアクセスが全体の4位になっていました。その後、現時点では19位となっていて、朝早くから働いていることからしても、自民党の総裁・幹事長室や政務調査会事務局などが見ていたかもしれません。おそらく、2人の新閣僚について、何か質問しようかと探っていたのでしょうか。ならば、あすの参院予算委員会の質疑では、意外にバクダンはなさそうです。ちなみ自民党本部よりも海上保安庁からのアクセスが多くて、「あれsengoku38さんか?」と思いましたが、その方はすでに退職していますし、この国会で法案や、第2次補正予算案は関係ないと思うんですが、どうなんですかね。
とにもかくにも、日々のアクセスありがとうございます。また有料ブログの方も6月の無料試読の方が多く有料会員になっていただき、7月は過去最多の購読者となっております。すでに7月1日の昼頃には入っていた情報で、遅くなってしまいましたが、謹んで御礼申しあげます。
さて、最後に。言わずもがな、野暮も野暮、スーパー野暮なヒトコトです。岩屋毅さんと河野太郎さんも、1年間の役職停止中も含めて、引き続き、自民党でがんばって、第46回衆院選で政権担当可能な2つの政党の選択肢を私たちに必ず提示していただきたいと考えます。
あすは午前10時から参院予算委の集中審議です。衆院の青少年問題特別委員会もあります。そしてあさって金曜日の参院本会議、衆院本会議から法案審議が再スタートします。暑いですから、シャキッと、短時間でしっかりと仕上げていきましょう。
[河野太郎さんのブログから抜粋引用はじめ]
一夜明けて 私はなぜ会期延長に賛成したか
2011年06月24日 00:53|影の行政刷新・公務員制度改革担当相
http://www.taro.org/2011/06/post-1036.php
今朝入金するはずだった党本部からの交付金の振り込みが取り消されたという連絡で1日が始まる。議員会館の経常経費半年分だ。
(中略)
自分が正しいとは思っていても党と違う行動をとったのだから、役職の辞表を書く。党本部に提出に行く時に、地下道で蓮舫消費者問題担当大臣とすれ違う。「例の問題の打ち合わせをどこかでお願いします」と言われて、いかん、消費者問題調査会長を辞表に書き漏らした。
辞表の修正をしながら、来日中のシンガポールのゴー・チョクトン上級相との昼食会に帝国ホテルに向かう。
昼食会のメンバーは、党三役と小坂参院幹事長、塩崎代議士と僕。ここで辞表を手渡すわけにもいかないし。
しばらく静かにしていたが、上級相が原子力の問題を取り上げたので、Although today I am on probation, but 我が国の原子力業界は腐っている、力説した。上級相、笑いながら、彼はまだ党内で少数派かい。
遠藤筆頭副幹事長から、昨日の件で弁明を聞く機会をつくってから処分ということになるからとの連絡をいただく。
議員会館に戻って、スタッフに、辞表を出してからみんなの党にいくよと声をかけたら、ええっと驚いている。あれ、みんなの党の原子力の勉強会は今日だろと言ったら、離党してみんなの党にいくのかと思った、だって。おいおい、よせよ。
約1時間半、みんなの党の会議室で、原子力・エネルギー政策の勉強会で講師。渡辺代表から、みんなの党の総裁ポストが空席なのでこちらでぜひ、とお誘いをいただく。
その後、学術会議から河川の基本高水の検討状況についての説明。
自民党は、前日まで50日の会期延長で与党と合意していた。だから自民党は会期延長に反対しているわけではないという執行部の説明はウソではない。
しかし、昨日の本会議には、50日間の会期延長の動議はない。
昨日の本会議の採決は、会期を70日間延長をするかどうかだ。
自民党は会期を50日間延長しろと訴えたが、結果として70日間の会期延長の動議が本会議に提出され、採決となったのだから、それぞれの議員がとることができる選択肢は70日間の会期延長に賛成か、反対かだけである。反対が通れば、会期は延長されず、国会は閉会する。
自民党執行部は50日が妥当であり70日は長すぎると主張し、私は国会は通年でやるべきで70日は短すぎるという意見だ。
しかし、50日の延長も通年国会の開催も、そうした動議がかかっていない以上、その選択はできない。主張の如何に関わらず、70日の延長か閉会か、どちらかを選ばなくてはならなかった。
だから私は70日の会期延長に賛成した。
被災地の状況を考えれば、国会を閉会することはできない。東電に代わって国が賠償金を仮払いする法案を自民党は提出したばかりである。再生可能エネルギーの買い取り法案もある。そして特例公債法案も待ったなしだ。二次補正もある。
だから、閉会という選択肢はない。それならば、70日という数字にどの程度満足しているかは別として、賛成しなければならない。
私は、国会改革を訴える仲間や民自連といった超党派の仲間と一緒に通年国会をずっと訴えてきた。
南三陸や陸前高田、気仙沼などの被災地に足を運び、被災された方々や町長をはじめ行政に携わる方々の声を直接、聞いてきた。
今、政局で、復興を遅らせてはならない。永田町の理屈は、いや、屁理屈はどうでもいい。国民に、まっすぐに、政治が国民のために全力で動いているということを理解してもらえるような行動を議員一人一人が行っていかなければならない。
政治不信は極まっている。いや、むしろ、政治家不信だろう。
会期を70日延長したら三次補正が遅れるなどというのは永田町の理屈だ。世の中の理屈は、三次補正が必要ならば与野党の政治家が力を合わせてそれを全力で早くやればいい。
もし、自民党の理屈が被災された方々にもきちんと伝わるのだったら、なぜ、小野寺、秋葉、吉野、梶山といった被災地の代議士が本会議を退席しなければならなかったのか。彼らが一番、つらかったはずだ。なぜ、彼らが、自民党はこう行動したと堂々と地元で胸を張って伝えられるような行動を、自民党はとらなかったのか。
世の中が国会議員に望んでいるのは、与党も野党もなく、力を合わせて国民のために一生懸命仕事をしてくれということではないか。永田町の屁理屈で行動するのはやめよう。
[河野太郎さんのブログから抜粋引用終わり]
このエントリー記事の本文は以上です。
[写真]菅直人首相と平野達男復興相、2011年6月5日、首相官邸ホームページから。
2011年7月5日、坊ちゃん議員らしく、スパッと辞任した松本龍さんに代わり、復興相(東日本大震災復興対策担当大臣)に平野達男さんが起用されました。順調な人事で、歓迎します。平野さんは、参院岩手選挙区(1人区)選出ながら、昨年6月の代表選で、小沢一郎氏が推した候補ではなく、副総理の菅候補に投票しており、「政権の重荷」「与党の責任」を知っている人だと思います。おとといのエントリーで、参院本会議でノー原稿で演説(討論)した議員を松本龍さんが「へーやるねえ」と感心したエピソードを書きましたが、このときノー原稿で、政権交代後最初の予算の賛成討論に1年生議員を起用したときの筆頭理事が平野さんでした。平野さんはノー原稿演説について、「憲政史上初だ!」と褒めたそうですが(実際にはノー原稿は野田佳彦さんらたびたびありますが)、人を見る目がある、頼れる“現場監督”です。
このときの政権交代後最初の与党としての参・予算委で筆頭理事を平野さんが務めたのですが、与党でありながら、野次る議員が多く、残念でした。しかし、あるとき、野党の質問中に、最前列に座る平野筆頭理事が左手を高く挙げ、掌を後ろに向けて、「止め!」のジェスチャーをすると、委員会室がさっと静まったことがあります。そして、高く挙げた手をしっかりと伸ばしながらサッと前にやると、今度は野党の議員が、次の質問に進み、審議がスムーズに動き出した場面がありました。平野さんはヒトコトも発していませんから、議事録には残っていません。が、これが平野達男さんの正念(性根)場だったと思います。復興の陣頭指揮も同じようにとってもらいたいと考えます。一方、退任した松本龍さんについても、多くの人から「ああいう人ではない」「ストレスではないか?」という声が次々とあがっているようです。龍さんの面倒見が良いという人柄があらわれた格好で、こちらも「正念場」ということになります。イチイチ言葉がなくても、政治家というのはいろいろな人と交わるのが仕事ですから、性根は分かるものです。
とにかく余裕がありませんから、力がある人の背中を押して、日本復興を進めていきましょう。
そのなかで、6日付東京新聞3面に気になる記事がありました。ベタ見出し(見出しが1行)の記事で、「小沢元代表『受けるな』平野氏に」。平野復興相が菅首相から就任を要請された際、首相と対立関係にある元代表・小沢一郎さんに連絡したところ、「受けるな」と言われ、入閣を辞退するよう促されていたと民主党関係者が明らかにした、とする記事です。東京新聞は「具体的な会話の中身は明らかではない」とことわりながらも、小沢の圧力は奏功しなかったとしています。そして、「入閣が正式に決まった後、平野氏は小沢元代表へ伝えようと、再び連絡を試みたが、返答は得られなかったという」としています。このように、小沢氏が電話の取り次ぎに一切応じることがなくなることは今までにもたびたびありました。かつては、岩手3区の佐々木洋平衆院議員が一切連絡をもらえず、黄川田徹さんに公認候補者をさしかえられ、佐々木さんは無所属で出馬しましたが小選挙区ではとうてい及ばず、その後国政に戻ることはできませんでした。新進党時代に船田元さんも同じようなことをされたみたいです。これはまさに、小沢氏の性根です。何とか、地方の方、高齢の方、貧しい方にも小沢氏の性根を知ってもらいたいものですが、なかなか支持者は根強い物があり、世襲グループ(田中眞紀子氏、鳩山由紀夫氏ら)への親しみが底堅いようです。
平野達男さんは次の2013年6・7月の第23回参院選で改選を迎えます。選挙制度改革があれば、岩手県選挙区は他の選挙区と合区(がっく)したり、東北ブロック大選挙区などになったりする可能性があります。仮に平野さんが岩手県選挙区1人区ということで、立候補すると、小沢グループの嫌がらせや、自民党(鈴木俊一県連会長)の追い上げを受ける可能性が出てきました。平野さんは次の選挙の時点ではまだ59歳ですから、年金をもらうまで時間があります。たとえば、全国比例に転出するにしても、自民党にはJA組織内の山田俊男さん、民主党には岩手県連(元県会議長)の藤原良信さんらと支持層が重なります。衆参ダブルになれば、衆院という選択肢もありますが、いずれにしろ、参議院の岩手を中心とする選挙区が軸になります。ぜひ、平野さんの故郷への思い、復興に資する、国に報じようとする意気込みを私たちは買おうではありませんか。復興相としての実績で、仮に岩手県内で小沢氏が妨害しても、しっかりと押し上げる。有権者の識見が問われます。
こう思うと、まさに平野復興相は「平成の長井代助(ながい・だいすけ)」と思います。長井代助とは、漱石(夏目漱石)が明治42年に朝日新聞に連載した『それから』の主人公です。代助は義侠心からかつての恋人・三千代を友人に譲りますが、「自然の児(こ)になろう」と決心し、三千代に告白し、三千代はそれを受け入れます。そして、代助は、兄から「貴様は馬鹿だ」「おれも、もう逢わんから」と言われながらも、立ち上がり、「僕はちょっと職業を探してくる」と言い、真夏の炎天下に飛び出します。そして、飯田橋から電車に乗り、まっすぐに走り出した電車のなかで「ああ動く。世の中が動く」と言いました。そして、「代助は自分の頭が焼け尽きるまで電車に乗って行こうと決心した」という一文で『それから』は終わります。昭和60年の東映映画では松田優作さんが演じています。
平野復興相の『それから』を応援したいし、また被災民の方々のなかにひょっとして、立ち上がれるのに立ち上がろうとしていない人がもしもいるのなら、どうか炎天下のなかでも代助のように立ち上がってほしい。東北の『それから』、日本の『それから』。一体となって、もう一度立ち上がるために。志のある人をしっかりと応援し、偽者の政治家(おもに世襲グループの一部)をしっかりと抑えつけましょう。
一人一人の有権者にとっても「正念場」の夏、あなたの性根がみられています。
さあ、いよいよ、きょう7月6日(水)の午前9時から、衆院予算委員会の集中審議(今年度予算の執行状況に関する調査)から、延長国会が正常化します。
東日本大震災復興対策担当大臣が松本龍さんから平野達男さんに交代しました。これについては、エントリーを改めて、感想を書くかもしれませんが、松本さんがTV・スチールカメラ・ペン記者入りの、大臣と県知事の会談のアタマ撮りのなかで、話した後に、「今のはオフレコです」と言ったのは、これは報道における紳士協定上、ありえません。オフレコは事前に断り、両者が合意してからです。よほど仲の良い取材者ならば、武士の情けで後からオフレコを認めることもありますが、あの場面では、宮城県庁を担当している記者もいるわけです。これを報道した東北放送(TBC)は当然の対応ですが、他の会社が報道しなかったことから、東北放送のスクープになってしまいましたが、いずれにしろ、東北放送は「社会の木鐸」と言えると思います。
その東北放送(TBC)のアナウンサー・解説委員出身の民主党の郡和子さん(宮城1区)が2期生ながら、集中審議のトップバッターに選ばれました。郡さんは今国会でははじめから予算委員でした。「3・11」後の最初の衆院予算委員会となった4月26日の集中審議でも、しっかり座って議論を聞いておられました。このとき、私は傍聴席の2階(一般傍聴席)にいたのですが、中井洽委員長に促されての「黙祷」のとき、それに従ったのが私1人だったことに違和感を持ちました。もちろん、前列の1階(報道傍聴席)から溢れたスチールカメラマンが黙祷する姿にシャッターを切るのは当然ですが、民報カメラのビデオエンジニア(?)の人なんかは、黙祷に加われたのではないでしょうか。
それはそうと、郡さんは民主党代表選挙でも、勝ったり負けたりですが、毎回、私から見て、国益に資する判断をしています。女子アナから解説委員への道は、ご存じの通り、NHKの小宮山洋子アナウンサー・解説委員が拓いた道ですが、厚労副大臣を務める小宮山さん同様に、衆院・厚労委員会に所属していました。ただ、民主党の場合は、長妻昭さんなど、厚労委員会には人材のだぶつき感があったのは事実で、こうやって予算委員会で、震災復興と社会保障、そして財源と絡めた議論を、郡さんにはやってほしいと期待しています。
時間も与党としては異例の25分間です。そして、地上波アナログ放送は、被災3県(宮城県など)を除き、7月24日の正午で終わります。郡さんは2月3日の基本的質疑でも、NHKテレビ・ラジオ中継入りで質問していますが、延長国会での再登場となりました。日ごろの行いが良いからでしょう。
午前9時にNHKテレビ・NHKラジオ・衆議院インターネット審議中継・ニコニコ動画で視聴できなくても、ビデオで見ることができます。
7日(木)には参・予算委の集中審議があり、8日(金)から法案審議に戻れそうです。
私は昨年の3月に、とあるコンベンション施設で、松本龍さんにエスカレーターで、前を譲ってもらったことがあります。とある参院議員と2人で話していて、長幼の序、エレベーターに乗るところで、「松本先生どうぞどうぞ」と言うと、「いいよいいよ」と言われて恐縮しながら、先にエスカレーターに乗りました。そのときはその参院議員に「さっきの本会議でノー原稿で演説してましたよね?」という話をしていて、松本さんは衆院なので、「えっなに(参院)本会議でノー原稿?やるねえ~」と後ろから話に加わってくれました。大変なジェントルマンだと思いましたが、慣れない閣僚生活と「3・11」の重責と緊張のなかで、吹っ切れすぎたのでしょうか。ちょっとよく分からない現状です。
6月22日の衆院本会議(会期の8月31日までの延長)の翌日から、きょう7月4日まで合計8営業日、本会議・委員会がまったく開かれないという最近では珍しい国会空転が続いていましたが、与野党衆参とも正常化への意識は高く、あさって7月6日(水)に、衆院・予算委員会集中審議ということになりそうです。
「浜田政務官引き抜き事件」がありましたので、参院自民党がしっかり国会に戻ってくれるのが大前提です。参院自民党も野党5党共同で、「原発被害者への(東電を待たずに)国費による仮払い法案」を参議院先議で出しています。これは参院では可決される可能性が高く、衆院でも絶対安定多数を占める民主党とも、委員会での政治家同士の修正協議次第ということになります。参院自民党も早く審議をしたいでしょう。ただ、「浜田事件」がありました。会期末までの日程をまだありますから、多少の冷却期間としてのここ8営業日、あすを入れて9営業日、集中審議(法案との直接の関係はない)を入れても、合計10営業日の空転はやむを得ない、民主主義のコストだ、と私は考えます。
とにもかくにも衆参同時の正常化が必要です。昨日のNHK日曜討論で、自民党の石原伸晃幹事長が唐突に「自民党は審議拒否はしていませんよ」と強調しました。石原さんの言うとおり、私も自民党は審議拒否をしていないと考えます。とはいえ、やはり、国会運営をめぐる有権者の監視の目が強まっていることを感じさせる発言でした。そして、石原さんは「浜田事件」についても「引き抜いた、引き抜かない、という話は(民主党も自民党も)両方悪い」と述べて、自民党内での衆院と参院がまとまっていないのではないか、ということをうかがわせました。
というわけで、国会空転だと、特段ネタもないので、当ブログも開店休業となってしまいそうですが、ブログというのは定期的な更新を楽しみにしてくださっている方もいらっしゃるので、更新しました。中には、「具合が悪いのか?」と心配してくださる方もいるので、こうやって更新しました。
◇
心配ついでに、民主党1期生を中心とする衆議院議員が心配です。マジメな人が多いので、1月24日から通常国会があり、3月11日に大震災があったということで、平日は東京、土日は被災地で、あまり選挙区に帰れていない人がいるようです。
それと、心配ついでに、あまり選挙区で後援会活動としての戸別訪問をあまりしていない人が多いようです。各種団体の行事に「(与党の)民主党衆議院議員、○○先生のごあいさつです」との紹介で、登壇して、それが第46回総選挙の票になると思っている人が少なくないようです。ぜひ、その人は、民主党の2期生以上の先輩に聞けば、分かるはずです。その団体は、野党時代は、民主党議員を登壇させていないし、イチバンヒドイのは、入場拒否、あるいは入場しても、来賓としての名前の読み上げすらしていなかった団体です。そんな団体は向かい風になれば、またそっぽを向くし、第一、歳出のうち政策的経費が実質マイナスとなっているなか、各種団体の選挙での応援は、もはや集票マシーンというよりは、何とか選挙の体裁を保ってくれるというぐらいの存在になりつつあります。各種団体のしめつけで、逆風下のマッチレース1人区(小選挙区)を勝てるとは思えません。各種団体のしめつけは「昨年はオタクの団体を仕分けたけど、選挙の応援をしないと、来年はもっと仕分けるぞ!」とやるのでしょうか。そんなの無駄です。
私は、2人ないし3人の有力候補(予定者)のうち、戸別訪問に来てくれた候補(予定)者を、情勢が厳しければ応援してあげよう、育てようとするのが有権者の本音だと考えます。やはり、1期生でも「衆議院議員」という名刺を持った人が自分の家にあいさつに来てくれればうれしいものです。例えば、衆院なら、日本共産党員だって、家に来てくれた候補(予定者)がいれば、小選挙区では同党公認候補が立候補していても、当選は厳しく死に票になりますから、民主党の候補者に入れるという人がいても、まったく不思議ではありません。私の経験上、衆議院議員に自宅にあいさつに来られてイヤだという人間、それこそ、社会的存在としての「人間」(Human Being)はいない。衆議院議員が地元有権者に戸別訪問して、つっけんどんな対応をされたら、あの菅直人さんと同じ肩書きの衆議院議員でも、精神力でもショックかもしれない。その場合の特効薬があります。早く、次のインターフォンを鳴らすことです。「民主党は大変だけど、頑張りな」という温かい声に少しでも早く癒されるために、1秒でも早く、隣の家のインターフォンを鳴らすのです。公明党は「マイ獲得運動」を展開して、「県会議員」などの現職の名刺を使って、創価学会以外の支持者を増やしていたので、統一地方選後半戦で完勝しました。
さて、比例復活ながら評価の高い1期生の議員が自身のブログで先輩議員から地元の飲屋街をわたり歩いて、日常活動の足腰を強くしたと聞いて、地元の食堂3軒をはしごしたら、けっこう名前を知られていました、と書いていました。これを聞いて、「あっもっと面白い方法があるのにな」と思ったので、それをきょうはぜひ書きたいのです。
それは、第41回衆院選、初めての小選挙区で、四国地方で、新進党公認で2度目の当選を果たした衆議院議員から聞いた、日常活動必勝法です。その人は2期半、県会議員をやっていました。県会の定例会が開催されると、選挙区から県庁所在地に出て、日帰りができないので、ホテル暮らしになります。ここで、自民党の県議などはお互い飲み歩いて、その辺りの社交術で、一定の当選回数になると、議長ポストを手に入れるわけですが、この人は初めから国政に打って出るつもりだったので、県会での出世は興味ありませんでした。県会の定例会の審議は夕方に終わりますから、そうすると、県庁所在地のいわゆる「スナック」という類の酒食店に出かけます。スナック店内には、だいたい、ママとお客さんが10人くらいがいるでしょう。スナックの場合は、お客さん同士も顔なじみのことが多いです。20・30歳代の見知らぬ若い男性が一人で来店すると、初めは他のお客さんは声をかけないですが、ママは気を配りますから、段々打ち解けてきます。そうすると、会話の内容からお客さんも「なんだい、あんた県会議員さんかい?」という話になってきます。そうすると、「地元はどこ?」という話になりますから、選挙区を言うと、お客さんはそこに友達か親戚が1人以上はいるそうです。私もその後、地方周りをするようになって分かりましたが、県庁所在地というのは、働きに出たり、移住したりするなど、つねにその県の中心的存在です。だから、歴史的経緯として、そこに県庁が置かれ、県会議事堂もあるわけです。そうやってママとお客さん全員と友達になり、名刺を渡し、相手の連絡先も教えてくらうぐらい一晩で、打ち解けあう。楽しみながら、腹ごしらえもしっかりして、翌日の県会に向けて、ホテルに帰る。そして、寝る前に、新しい友達全員にお手紙を書く。選挙区の人がたまたま県庁所在地に出張していて会ったとなれば、地元に帰ればすぐに戸別訪問に出かけたのでしょう。そうでなくても、一晩とはいえ、小さいスナックで一緒に食事をし、話した突然あらわれた県会議員さんというのは、ずっと記憶に残るでしょう。ちなみに、1度行ってみんなと友達になったスナックですが、同じ店には2度と行かなかったそうです。
この人は県議としては世襲ですが、国会議員としては非世襲議員です。お父さんはたしか58歳で県議を引退したそうです。なぜなら「僕は28歳の今、県議に出て実績をつくらないと衆議院議員になれない。だからお父さん、58歳だけど辞めてくれ」と説得して、引退してもらったそうです。そして、県議3期目で、38歳で国政に出た第40回衆院選は、中選挙区時代で全県区でしたから、かつての1夜限りのスナック友達もみんなが有権者ということになります。新党ブームの新生党公認ということもあり、初当選しました。そして、第41回衆院選は、新進党公認として、唯一の四国の小選挙区での議席を取りました。ちなみに、この選挙で自民党以外で四国の小選挙区で勝ったのは、もう1人、民主党元職の仙谷由人さんしかいませんでした。2人とも当選2回目ということになりました。ただ、やはり野党で小選挙区で勝つと、いろいろ軋轢があったのかどうか分かりませんが、けっして、金権選挙みたいなことをしたわけではないでしょうが、連座制適用で衆院議員を続けることができなくなりました。しかし、すぐに地元の市長に当選し、現在も務めています。やはり、スナックで「一夜限りとは言え、率直に語り合った仲」の人たちは、逆風のときこそ、支えてくれるんだと思います。
選挙について、得票差で「圧勝だ」と表現する人が多くいます。私は小選挙区では、得票率で判断すべきだと思いますが、どうしても、「3万票の大差だ!」という言い方が好きみたいです。しかし、選挙に強い人というのは、「51%対49%」で勝てる人です。なぜなら、途中で情勢が伯仲していると分析は、どんなに小さい選挙でもオピニオン・リーダーは分かりますから、「あの子(人)を負けさせてはいけない」というオピニオン・リーダーたちの徳俵で勝ちます。だから、大逆風下でも勝てるようにするには、戸別訪問しかありません。
初当選以来10万票以上の得票で連続当選している(比例復活あり)ある副大臣は、地元の秘書に、「各種団体の行事への代理出席は基本的にしなくていい」ということで、平日に休みをとってもらい、かわりに戸別訪問をしてもらうようにしているそうです。そして、土日に帰ったときは、1日に複数回のミニ集会をハシゴしています。
また、別の議員のブログを読んで驚いたのですが、その議員は、同僚の閣僚経験者の誕生日にお花を贈ったそうです。民主党のどこにそんなお金があるんでしょうか。原資は資金管理団体や総支部ということでしょうが、お花を贈らなければ仲良くしてくれないような人に、贈っても意味はありません。そもそもこの人は総支部の水脈を絶たれそうになっていた人です。時代認識がおかしいです。私は政権交代選挙から2年が経ち、1期生議員にある傾向を見つけました。それは、1期生議員には初当選直後に「気負っている人」と「おごっている人」がいるということです。そして「気負っている人」は危なっかしく見えて、先輩のそれとない誘導もあり、あれよあれよという間に実績を挙げます。「おごっている人」は、自分の居場所がなくなっています。それでも勉強に徹すればいいのに、人間の性、「与党議員らしいこと」をやろうとしてしまうのですが、政府与党の幹部から見れば目障りで、政権を前に進めるうえでは、「線路の置き石」になっています。「気負っている人」→「評判の良い人」になった1期生議員も、統一地方選では、系列地方議員を減らしてしまった人が多いようですが、大型選挙は白黒ドミノになる傾向がありますから、心配ご無用でしょう。泣くのがイヤならさあ歩け。
とにもかくにも、各種団体ほどアテにならない物はないというのが2011年日本の国政だと考えます。
[写真]清野宗広(せいの・むねひろ)衆議院・新事務次長=衆議院要覧(乙)から
衆議院の鬼塚誠(おにつか・まこと)事務総長は2011年7月1日、衆議院事務次長に清野宗広(せいの・むねひろ)さんを任命しました。清野さんは衆議院事務局の委員部長を務めていました。井上茂男・事務次長は30日付で退職しました。
政権交代直前の第171通常国会の2009年7月からの鬼塚体制では、事務次長は3人目となりました。
国会法第27条は第2項は、「参事その他の職員は、事務総長が議長の同意および議院運営委員会の承認を得て、これを任命する」と定めています。
「衆議院要覧(乙)」や新聞報道によると、清野宗広さんは1951年12月、福島県生まれ。東洋大学法学部卒業。1974年(昭和49年)4月衆議院に入り、委員部第6課長、委員部第4課長、委員部第1課長、管理部副部長、憲政記念館長、記録部長、管理部長を経て、委員部長。
清野さんら、衆議院事務局の部長は、本会議では「参事」として、ひな壇の2列目に座っています。6月2日の本会議では、木札による投票がありましたが、清野参事は、白票(賛成票)を受け取る係として、谷垣禎一・自民党総裁ら、自民党、公明党などの議員から、白票を受け取って、投票計量器に投函する手慣れた姿がみられました。その後、投票計量器を見ながら、集計しました。
[画像]投票計量器の白票の数を数える清野宗広参事(委員部長)と、それを見守る鬼塚誠・衆議院事務総長、横路孝弘・議長、2011年6月2日の衆議院本会議、インターネット審議中継からキャプチャ・トリミング。
本会議場に向かって左側のひな壇の2列目の議長より筆頭席が、衆議院事務次長の席になります。前列のひな壇の筆頭席には、内閣総理大臣の席となります。総理大臣の演説、代表質問、予算案、重要な閣法の審議や採決のときには、総理の左肩の後ろにうつります。ですから、総理秘書官だと思っている人が多いでしょうが、実際には衆議院事務局の職員、衆議院参事らということになります。
[写真]ひな壇で起立する首相。後ろ側(向かってやや右側)が井上茂男・衆議院事務次長=当時、2011年6月2日の衆院本会議、衆議院インターネット審議中継から。
というわけで、これからは、菅総理の後ろが、事務次長になった清野さんが座る指定席となります。ただ、6月30日付で退職した井上さんは6月で満60歳ですが、清野さんも12月で満60歳になります。
財務省が今週発表した「平成21年度国の財務書類」の101ページによると、衆議院の職員は1719人いるそうです。これは、衆議院事務局(衛視・運転手含む)、調査局、法制局の3つの部門の合計だと思います。これだけのスタッフがいるのですから、ホームページへの議案のアップを早くしたり、理事会や議運のインターネット中継を始めたり、衆議院規則223条にもとづく傍聴章の交付対象を広げたりするなどの改革に取り組んで欲しいところです。
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〈70日間(49営業日)の延長国会も、1週間も本会議・委員会無しの空転状態〉
70日間の延長となった第177通常国会ですが、延長国会になってからの1週間、衆参とも本会議も委員会も開かれない「空転国会」が続いています。6月22日(水)の会期末では、直前まで「首相vs民自公3党幹事長合意」という異例の構図の攻防があったので、23日(木)、24日(金)に委員会を立てる(審議を設定する)ことが各党国対委員長や、各委員会の与野党筆頭理事ができなかったのは、やむを得ないと思います。しかし、週明けの6月27日(月)~6月29日(水)に審議が一つもないというのは国会の怠慢ともいえそうです。
まず、衆参の各委員会審議では、衆・財務金融委員会の「特例公債法案(平成23年度の赤字国債の発行法案)177国会閣法1号」のように、いいところまで審議が行っているのに、ストップしているものがあります。また、内閣が4月に提出している「再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り法案(閣51号)」のように、いまだに経済産業大臣の提案理由説明すらされていないものもあります。
延長国会は、70日間ですから、要するに、10週間ということになります。この間、7月18日の月曜日が海の日で祝日になります。このほか、7月中は土曜日が5日、日曜日が5日、8月中は土曜日が4日、日曜日が4日あります。
ですから、営業日で言うと、延長の時点では49営業日の審議日数を確保しましたが、そのうち、6月29日時点で5営業日が空転のまま過ぎてしまったわけです。つまり既に1割以上が消えました。仮に国会が第1次産業の農業なら、畑を耕さずに1週間過ぎれば、いいものはできません。第2次産業の「法律工場」だとすれば、大きな法律、付加価値の高い製品をこの後納品すれば、リカバーできますが、第3次産業のサービス業だとすれば、5営業日も休業したら、これはもう、まるまる1割の売り上げ減少でリカバーは不能です。
〈反故になりかけた3党幹事長・政調会長合意に向けて、岡田・玄葉・安住奔走〉
こうなってしまったのは、やはり菅直人首相の不可解と思われる人事があったからです。参院自民党から浜田和幸議員を一本釣りして総務政務官に起用しましたが、これはやるなら、6人以上でなければ意味がなく、1人では、かえって参院自民党が硬化するだけですから、せっかくの3党「4・29」政調会長合意(子ども手当見直し→特例公債法案成立→年金財源安定化の議論)、3党幹事長の幻の「6・22」合意(2次補正予算の成立、特例公債法案の成立、再生可能エネルギー法の採決、そして新首相(新体制)の下での3次補正予算)が反故になりかねない事態です。ただ、日曜日のテレビでは、3党幹事長の間には、6・22合意は首相のヒトコトで却下されたことにより白紙になったものの、その内容は、3人の心の中で生きているという状態でした。まさに“岡田勧進帳”ということで、この“岡田勧進帳”が第177通常国会の最終盤まで持続するかどうかがカギとなりそうです。「政務官引き抜き人事」があったので風前の灯火かと思いましたが、6月28日、安住淳・民主党国対委員長は逢沢一郎・自民党国対委員長に謝罪し、玄葉光一郎・民主党政調会長も閣議後記者会見で3党協議の再開に自信を示し、岡田幹事長は、両院議員総会で「国会正常化のための、自民党と公明党をはじめとする各党と話し合っている」ことを明らかにしました。なんとか“岡田勧進帳”で、“安宅の関”で義経(菅首相)”を向こうに渡らせちゃいましょう。秋になれば青い空も高く、澄んで見えるようになるでしょう。
〈総理退陣の3条件「再生可能エネルギー法案の“成立”」へ国会のハードル上がり、「一定のめど」→「一つのめど」に菅さんのハードル下がる〉
6月2日の菅直人・民主党代表(首相)の「震災対応と原子力災害に一定のめどが立った段階で若い世代に責任を引き継ぎたい」は、6月22日の“岡田勧進帳”では「2次補正成立、特例公債法成立、再生エネ法案採決」となりましたが、6月27日の総理記者会見・28日の両院議員総会では「3つの条件の成立」となりハードルが上がりました。これは「エネルギー解散」を総理が模索しているという観測もありますが、参院の採決では、与党だけでなく社民党などからも賛成を得られるでしょうから、「郵政の再来」はないと思われます。
それとは別に、菅さんは「一定のめど」を「一つのめど」と言い換えており、これは両院議員総会で川内博史さんが指摘しており、今後の課題となりそうです。
〈菅首相vs執行部、菅首相vs民自公の異常事態に〉
いずれにしろ「首相vs執行部」「首相vs与野党幹事長」という構図ができており、当分の間は、岡田さんが最後まで総理を支えながら、いかにして、弁慶のように、富樫(民主党政府外議員、自公、国民)から暗黙の了解を得ながら、義経(菅さん)を安宅の関を渡らせて、花道へと導くかということになりそうです。
何とか、週明けの7月5日(火)には、正常化してほしいと願います。そうすると、延長国会は41営業日ということになります。会期末に政府が提出した「原子力賠償スキーム法案」(177国会閣法84号)、野党5党が参議院先議で提出した「原子力災害被害者への国費による仮払い法案」(177参法9号)の審議はできるでしょう。議員立法への取り組みが進んでいる「公的機関の債権買取による二重ローン債務棚上げの法案」、「協働を支援する労働者協同組合の推進法案」なども審議日程にのぼるかもしれません。
〈6月6日の決算委員会で、参院自民党に“刺されていた”蓮舫行政刷新相だが、閣外に出ることは恥ずかしいことではない〉
ところで、菅直人第2次改造内閣は、追加人事で、細野豪志さんが、「原子力事故の収束と再発防止」担当大臣、節電啓発担当大臣、内閣府特命担当(消費者および食品安全)大臣の3職に任命しました。復興基本法施行に伴い、松本龍さんが東日本復興対策担当大臣(復興相)と内閣府特命担当大臣(防災担当)となり、環境大臣から外れました。環境大臣は、江田五月さんが法相(兼)環境相になりました。そして、枝野幸男さんが内閣官房長官(兼)内閣府特命担当大臣が「沖縄および北方対策」に加えて「行政刷新担当」に復帰しました。閣僚17人枠を橋本行革前の「20人枠」に戻す内閣法改正案(177閣法71号)は衆・復興特別委員会で採決されておらず、廃案になると見られます。このため、蓮舫さんが閣外に出ました。
蓮舫大臣は6月6日の参・決算委員会で、自民党の山谷えり子さんに「3・11」以降、内閣府の行政刷新会議事務局はどうなっているのか?と質問されています。
これに対し、蓮舫さんは次のように答弁しています。
「済みません、通告来ておりませんでしたが、今、行政刷新事務局の人数なんですが、発災以降様々な会議等がありまして事務局併任掛けておりますので若干の減員がありますが、五十人弱、四十七、八人だったと承知をしております」「発災以降、全ての事業は一旦停止をしておりましたが、6月1日に行政刷新会議を開きまして、」「失礼をしました。行政刷新事務局本体で今四十人でございます。」「当然優先されるべきは東日本大震災からの復旧復興だというのは大前提であります」。
とかなり苦しい答弁をしています。橋本行革以降、内閣府にいろいろなタスクフォースができて、構造改革特区や、郵政改革など、各府省の寄せ集めとはいえ、なかなか面白い仕事ができるようになりました。行政刷新会議もその一つですが、蓮舫さんが自分の権力源である刷新会議について、「3・11」以降も継続している、いわば手勢はたっぷりあると啖呵を切っているようで、少し痛々しい答弁でした。もちろん「仕分けられた人・組織」はこの6月6日の答弁と6月27日に閣外に出たことについて、「今度は蓮舫さんが仕分けられたね」との軽口を叩くかもしれません。しかし、それは本人の答弁にあるとおり、「当然優先されるべきは復旧復興だという大前提」の下、プライオリティ、タイムスケジュールとして行政刷新会議の作業が後回しになるだけであって、民主党政権における蓮舫さん(や枝野さん、仙谷さん)らと事業仕分けの功績は大です。まあ、蓮舫さんも勤続7年ですから、首相補佐官になるということですが、場合によっては無役で、参院の委員会に戻ってもいいのでは。実は、逆転の夏の後、簗瀬進・参院国対委員長の指揮による「法案の嵐」作戦での参院可決第1号「年金流用禁止法案」の筆頭発議者は蓮舫さんだったんですね。菅さんや蓮舫さんの自らの権力に執着する姿勢というのは政治家として当然の姿であり、それを嫉妬したり、「鼻につく」などというのは、違うと考えます。とはいえ、時間ができた、蓮舫さんは参議院警務部にスイカでも差し入れしたらいいんじゃないでしょうか。
〈民主党両院議員総会はさながら1922年委員会(英保守党)の様相?〉
きょうの両院議員総会でもベテラン参院議員が「過去2年間に政務三役を務めた人は反省して欲しい。だれが正しいか、ではなく、何が正しいか。総理の言う、『世代交代』とは、年齢のことではない」と言っていました。これはこの人が政務三役入りを狙っているからだと考えます。政治家として何も恥ずかしいことではありません。ただし、「紙に書いてきましたので読み上げます」ではなく、台本なしで演じられないのが蓮舫さん菅さんとの違いなわけですが・・・とはいえ、政党政治はチームプレーですから、適材適所というものがあります。
それと、政権交代後の両院議員総会で、政務官が発言したのは、山井和則・厚労政務官(当時)について、2人目になると思いますが、吉田公一・農水政務官が「衆議院議員の吉田です」と言って、マイクを持ちました。ヨシコーさんは「政治主導というが、全然なっていない。役人から政務官へのレクチャーなんか、1日5~6本になる日もある。だから、私は自分で日程からレクチャーなんて削っちゃう。それも政治主導の一つだ」と発言しました。場内は笑い声に包まれていましたが、どれだけの人がヨシコーさんの発言の意味を骨に肉に染みこませることができるでしょうか。その中で、衆院1期生の橘秀徳さんの「自民党参院議員1人を引き抜いても、かえって野党が硬化するだけなので意味がない。安住淳国対委員長の本音を聞きたい」との発言が良かったと思います。安住さんは「率直に言って、自民党と公明党も、きのうからは(菅の顔だけでなく)安住の顔も見たくない、と言っている。だが、男は黙って与えられた仕事をしていきたい」と答えたのも印象に残りました。
私の場合は、なかなか、1人でやっているフリーランスの政治ジャーナリストなもんで、ちなみに国会ジャーナリストと名乗ろうかとも最近は考えていますが、「なぜ審議が開かれないのか?」を取材することの難しさを痛感します。衆参与野党国対委員長に聞いたり、各委員会の与野党筆頭理事に聞いて回るのは、体が一つではムリ。取材を積み重ねた上でも、さらに想像力を働かせないと「しない」「できない」ことの真相というのは分かりようがないのが実態です。だからまあ、あすもまた新聞を読むわけです。
弁慶の岡田幹事長は「私たちの選んだ総理大臣です。しっかり後押しをしていきたい。国会も正常化させていきたい」と述べましたので、ぜひ、6首脳(岡田克也幹事長、輿石東参院議員会長、安住淳国対委員長、玄葉光一郎政調会長、仙谷由人代表代行(兼)内閣官房副長官、枝野幸男・内閣官房長官)が頑張ってほしい。
そして、井上義久公明党幹事長が26日放送のフジ「新報道2001」で名付けた「代表取締役専務3人組」(岡田幹事長・石原伸晃自民党幹事長・井上幹事長)にも頑張ってほしい。菅首相にも見苦しいほどに権力に執着して欲しい。
歴史の変動期ですから、これくらいの不安定さに驚いてはいけません。戦国時代の農民の日記にも「今は戦国の世にて・・・」という記述があるそうです。まあ、何とかなります。国民にとっては訓政期。国会議員にとってはまさに正念場(性根場)です。
[写真]衆院議員に初当選した菅直人さん、1980年6月の第36回衆院選、江田五月さんのホームページから引用
菅直人さんが、1年生議員として、衆院科学技術委員会に初登場した29年前に、風力など再生可能エネルギーについて質問し、化石燃料や原子力の問題点を指摘していたことが、国会議事録データベース(国立国会図書館)で分かりました。しかし、質問の最後に自民党政府の中川一郎大臣(科学技術庁長官・原子力担当)から、「(再生可能エネルギーが)あるから、原子力は要らないのではないかということの口実に使う、利用する、乗り過ぎ、悪乗り」をしないようたしなめられていたことも分かりました。
菅さんは14日の参院・東日本大震災復興特別委員会で「何か私が再生可能エネルギーについても最近言い出したかのような表現をされましたが、是非私の一期目のときの議事録を御覧をいただきたいと思います。風トピア計画という、科学技術庁長官、当時の中川一郎さんとの間で私が交わしたやり取り、私は、アメリカのウインドテストセンター、三宅島にあった風力の二つの大きな発電機、東電が持っておりましたが、そして科学技術庁が行っていた風トピア計画、これらを全部自分の目で見ると同時に、国会でもそのことを取り上げておりまして、別に今回のことで急に申し上げ出したわけではありません」と答弁しました。というわけで、実際に調べたら、その通りでした。
これは、1982年(昭和57年)3月23日の衆院・科学技術委員会(当時は常任委員会)でのやりとりです。この第96回国会は鈴木善幸内閣として2度目の通常国会で、参院全国区を廃止する公職選挙法改正のため、94日間延長して会期244日間のロングラン国会でした。また、国会議事堂至近のホテル・ニュージャパンで大規模な火災が起きるなど、平和で経済的に安定した中で、本来ならばしっかりと未来への種まきをしておくべき国会だった、と今から振り返ると思います。
この国会で、菅さんがいた「社民連(江田五月代表)」は同じく野党で金権政治を批判していた「新自由クラブ(河野洋平代表)」と「新自由クラブ・民主連合」という会派を組んでいていたので、小政党ながら13議席あり、そこそこの質問時間は確保できていたようです。そこで、衆院の各委員会が動き出した3月23日の一般質疑に、1年生議員の菅直人さんが颯爽と登場しました。
[議事録から引用はじめ]
私、この科学技術委員会において初めての質問をさせていただくわけですけれども、きょうは「むつ」の話とか原子力発電所の話とかいろいろ議論がなされたようですけれども、私の方からは、日本におけるエネルギー開発の中でのいわゆるソフトエネルギーといいましょうか、またクリーンエネルギーともいいますけれども、そういった開発の中で特に風力の問題、風の問題について二、三お尋ねをし、また、大臣の御見解を伺いたいというふうに思うわけです。
エネルギー問題といいますと、石油がだんだんなくなるのではないか、石油がなくなったときに、まず議論をされるのが原子力ということですけれども、実は地球には毎年大変な量の太陽のエネルギーが降り注いでいて、それがただ直接に太陽の熱というだけではなくて、風を起こしたり波を起こしたり、いろいろな形でこの地球にエネルギーをもたらしている、そういうものをもし人類が使うようになれば、クリーンな形であるだけでなくて、まさに無限に再利用ができるリニューアルエネルギーという言い方もしているようですけれども、再生できるエネルギーになってくると思うわけです。
そういう意味で大臣にまずお伺いしたいのは、こういうエネルギー政策の中において、そうしたソフトエネルギーないしクリーンエネルギー、そういったものの技術開発というものについて、大臣がどのような意欲で取り組もうとされているのか、御見解をお伺いしたいと思います。」
[議事録から引用おわり]
というわけで、私も議事録を見て、驚いたのですが、29年前の1年生議員・菅さんは再生可能エネルギーとしての、風力について質問しています。そして、「私も、この風トピア計画の実施のころから大変関心を持っておりまして」と述べており、これより前から関心を持っていたことは議事録にしっかりと残っていました。私は菅首相を支持しながらも、人としての菅さんは大嘘つきとの前々から思っていたので、14日の菅答弁が事実で驚いてしまいました。
「たとえ石炭にかわったとしても、石炭の液化がうまくいったとしても、石炭エネルギーも化石エネルギーとしていつかはなくなるわけですし、また、原子力発電の問題もいろいろな問題を抱えている。ウランがなくても、核融合になれば無限であると言えば言えますけれども、それもまたいろいろ問題を抱えている」と指摘しました。そのうえで、「もともと、太陽から地球に送られてくるエネルギーを一番いい形で使う技術が開発されれば、まさに未来永劫エネルギー問題については展望が開けてくる」と応用物理学科で学んだ造詣を感じさせる発言をしています。
また、通産省資源エネルギー庁の役人とのやりとりでは、「そうすると、いまの電気事業の法律的な制約の中ではむずかしいということですか」と話、電力業界と自民党政権との構造的な問題に意識を持っていたと思われる発言をしています。
それから、10回連続当選し、非世襲議員ながら内閣総理大臣となった菅さんが、求心力を落とすなかで、1年生時代の青春の思い出である、再生可能エネルギーの法律を仕上げようとしていることは十分に理解できます。
なお、この議事録、中川一郎・大臣が最後の答弁で興味深いことを言っています。
「サンシャインがあるから原子力は要らないのではないかということの口実に使う、利用する、乗り過ぎ、悪乗り、こういうことがないようにひとつぜひ御理解をいただきたい、この辺をお願い申し上げておきます。菅委員にはその点ないと思いますが、(略)」
[国会議事録から引用はじめ]
第96回通常国会 衆議院 科学技術委員会 - 3号
昭和57年(1982年)03月23日
昭和五十七年三月二十三日(火曜日)
午前十時二分開議
出席委員
委員長 近藤 鉄雄君
理事 岸田 文武君 理事 小宮山重四郎君
理事 保利 耕輔君 理事 与謝野 馨君
理事 小林 恒人君 理事 関 晴正君
理事 草川 昭三君 理事 和田 一仁君
上草 義輝君 小沢 一郎君
中村喜四郎君 平沼 赳夫君
前田 正男君 村上 勇君
五十嵐広三君 安井 吉典君
山本 幸一君 吉田 之久君
山原健二郎君 菅 直人君
出席国務大臣
国 務 大 臣
(科学技術庁長
官) 中川 一郎君
出席政府委員(略)
委員外の出席者(略)
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
科学技術振興の基本施策に関する件
――――◇―――――
○近藤委員長 これより会議を開きます。
科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。
(中略)
○近藤委員長 菅直人君。
○菅委員 私、この科学技術委員会において初めての質問をさせていただくわけですけれども、きょうは「むつ」め話とか原子力発電所の話とかいろいろ議論がなされたようですけれども、私の方からは、日本におけるエネルギー開発の中でのいわゆるソフトエネルギーといいましょうか、またクリーンエネルギーともいいますけれども、そういった開発の中で特に風力の問題、風の問題について二、三お尋ねをし、また、大臣の御見解を伺いたいというふうに思うわけです。
エネルギー問題といいますと、石油がだんだんなくなるのではないか、石油がなくなったときに、まず議論をされるのが原子力ということですけれども、実は地球には毎年大変な量の太陽のエネルギーが降り注いでいて、それがただ直接に太陽の熱というだけではなくて、風を起こしたり波を起こしたり、いろいろな形でこの地球にエネルギーをもたらしている、そういうものをもし人類が使うようになれば、クリーンな形であるだけでなくて、まさに無限に再利用ができるリニューアルエネルギーという言い方もしているようですけれども、再生できるエネルギーになってくると思うわけです。
そういう意味で大臣にまずお伺いしたいのは、こういうエネルギー政策の中において、そうしたソフトエネルギーないしクリーンエネルギー、そういったものの技術開発というものについて、大臣がどのような意欲で取り組もうとされているのか、御見解をお伺いしたいと思います。
○中川国務大臣 代替エネルギーの重要性については御理解いただいておりますが、その中でソフトエネルギーの位置づけということでございます。ソフトエネルギーも、量的にも場合によっては相当大きなものもありますし、いろいろ利点もございます。しかしながら、現在の技術的段階では、季節的な問題だとかあるいは時間的な問題だとか、一カ所での発電量というものがきわめて限られる、あるいはコストが高い等々、現段階で大量のエネルギーとして使うことにはまだ定着しない、これはひとりわが国のみならず世界的な傾向でございまして、現段階では石炭とかあるいは天然ガス、並んでやはりコストの面、実用的な面では原子力ではなかろうか、こう言われております。
ただ、このソフトエネルギー、風力を中心にして無視していいものかというとそうではない。これはやはり長期的なエネルギーとして十分関心を持っていかなければいけない、こういうことについては間違いのないことだと存じます。そこで、研究予算につきましても、自然エネルギー分野の拡充のために昭和五十四年度では八十億円、五十六年度では二百二十三億円、五十七年度予算でも二百四十三億円というものを計上いたしまして取り組んでおる次第でございます。
ちなみに私も、科学技術庁が委託をして風力の研究をいたしておるのを、たしか石川県でしたか行って見てまいりましたが、一基一キロワット程度ということでございまして、まだまだ当面はむずかしいのではないかと思いますが、粘り強く研究することについて、そういった基本もありますので、努力はしていきたいと思っております。
○菅委員 半ば積極的であり、半ば消極的な回答だったように思うのですけれども、私は最初に申し上げたように、このエネルギー、特にこうしたソフトエネルギーの開発というのは、五年、十年の問題であるという以上に、ある意味では人類がこれから先永久に抱えている問題の解決の一つの大きな可能性があるんじゃないか。
たとえ石炭にかわったとしても、石炭の液化がうまくいったとしても、石炭エネルギーも化石エネルギーとしていつかはなくなるわけですし、また、原子力発電の問題もいろいろな問題を抱えている。ウランがなくても、核融合になれば無限であると言えば言えますけれども、それもまたいろいろ問題を抱えている。もともと、太陽から地球に送られてくるエネルギーを一番いい形で使う技術が開発されれば、まさに未来永劫エネルギー問題については展望が開けてくる、そういう意味では、確かに現実の中でのむずかしさはあると思うのですけれども、もう少し日本の政府としても積極的な態度をとっていただけないかというふうに思うわけです。
その中でもう少し具体的な問題をお聞きしたいのですが、科学技術庁として、これまでもクリーンエネルギーの問題、特にきょうは風の問題に的をしぼってみたいのですが、風、風力の利用について過去においても幾つかの研究をされており、現在、将来においてもされようとしているように聞いておりますけれども、その概要をお聞かせいただきたいと思います。
(中略)
○菅委員 あわせて、きょう資源エネルギー庁の方にもおいでいただいていますので、資源エネルギー庁関係で行われているクリーンエネルギーの計画、特に風力について、いまの現況なり過去の実績なりの概要をお知らせいただきたいと思います。
○清木説明員 通産省で実施しております風力の研究開発につきまして、特にサンシャイン計画の関係の風力の開発について御説明させていただきます。(略)
○菅委員 科学技術庁にもう一遍戻りたいのですけれども、先ほど風トピア計画の話をしていただいたのですが、私も、この風トピア計画の実施のころから大変関心を持っておりまして、たしか、三カ所において八基ですか、風車を設置されていろいろとやられてみた。たしか、このときの実験といいましょうか実証実験は、いまも言われたように比較的小さい、一キロから二キロワット程度の発電についてやられたと思うのですけれども、ここに、いろいろ調査結果の概要とかというのが出ているわけですけれども、この内容が、これからの可能性があるという評価だったのか、いや、これはいろいろやってみたけれどもなかなかうまくいかないという評価だったのか。せっかくなさった風トピア計画の結果と、それから次に、いま言われました二千キロワット程度の風力の実験とがどういう形でつながっているのか、そのあたりについてはどうですか。
○下邨政府委員 風トピア計画につきましては、御指摘のように三カ所で行いました。愛知県の武豊町とそれから群馬県の安中市と石川県の金沢市、それぞれ条件の違います三カ所で行いました。温室の冷暖房に使うとか、電気自動車の充電に使うとか、あるいは養魚水槽の加温とか、誘ガ灯の点灯、そういうものに使うというようなことで検討したわけでございます。(略)
○菅委員 少し細かい内容に入りますけれども、私もきょう、ちょうどここへ来る途中、部屋で「フォト」という、これは政府関係のあれだと思いますが、四月一日号に「春風にアイデア風車花ざかり」と書いて、あちこちの風車が出ていまして、大体小型の風車を使っていろいろやっておられる。
それで、大臣の北海道でも、昔から山田さんという人が開発をした風車が幾つか、もう五十年くらい前から使われていて、それが五十年後にも動いていたというので、いまから数年前にも何かテレビのカメラが入ったり、いろいろあるようでして、私、この風力について、きょうの質問に当たっていろいろと準備をしたときに、この風トピア計画では非常に小さい風車を使われているわけですね。それはそれなりに、いまの話でもわかるように機能した。確かに、一つ当たりのエネルギーの出る量はそれほど膨大ではないけれども、まあコンパクトなもので言えば、それなりに機能した。部分的には、特に離島とか、配線がしにくいようなところでは、経済性も、限られた場所ですけれども十分あり得るのじゃないか。
それが、次の計画になっていま言われていた二十キロ級の計画になると、今度は非常に大きなブレードを使った、いわゆる風車を使った計画になっている。サンシャイン計画の中身をいろいろ聞いてみますと、これまた三十メートル近い風車を使ってやっている。実は、私も二年ほど前にアメリカのデンバーにあるウインドテストセンターというところで幾つかの風車を見てきたのですけれども、確かに、大きい風車である程度機能しているところもあるようですが、逆に、小さな風車をもっとたくさんつくるようなやり方があるのじゃないだろうか。これは専門的な議論になってしまいますと私もよくわかりませんけれども、たとえば、一つだけそのポイントを挙げてみますと、この風トピア計画のときの風力の強さというのは、大体どのくらいの平均風力だったということになっていますか、ちょっと質問途中ですが……。
(中略)
○菅委員 そうすると、いまの電気事業の法律的な制約の中ではむずかしいということですか。それともいまでも可能だということですか。
(中略)
○菅委員 (略)時間もほとんどありませんので、もう一度最後に大臣に伺いたい。
これは科学技術庁には限りませんけれども、たとえば石油代替エネルギー法などを見ていても、または石油代替エネルギーの開発にかける国の補助金の総額とかにしてみても、原子力にある程度の費用をかけることそれ自体は、科学の進歩のために危険性をいろいろ除去する上でも必要かと思いますけれども、もう一つの道であるこういった自然エネルギーの道が、先ほど言われた五十五年で八十七億ですか、五十六年で二百二十三億、五十七年で二百四十三億なんといったら、これがどの程度の大きさか大臣はよく御存じだと思います。まさに微々たるものでして、決して相当力を注いでいると言えないと思うのですけれども、科学技術庁の長官として、こういったことについてこれからさらに大いにがんばりたいとか、何かそういった大臣の御意見を伺って、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
(中略)
○中川国務大臣 非常に外国のことも勉強されまして、いろいろと御提起をいただきまして、まことにありがとうございました。
ただ、金額をもって力の入れ方を判断していただいても、御承知のように原子力ということになれば非常に高度の技術が必要である、したがって、研究費もかさまなければならないものである。風力その他については、原理その他はもう大体わかっておりまして、あとは実用化するのに低コストになるためにはどうする、あるいはいま言ったような電気の貯蔵というのですか、使わないときの電気をどうするというような問題もありますので、これから研究していくことについてはやぶさかでなく、金額も二・八倍とかふやしているわけでありますから、防衛費じゃないけれども突出をいたしておりまして、その辺も理解していただきたいし、せっかくの御提言ですから、一生懸命努力していきたいと思います。
ただ、ここでお願いしておきたいのは、サンシャインがあるから原子力は要らないのではないかということの口実に使う、利用する、乗り過ぎ、悪乗り、こういうことがないようにひとつぜひ御理解をいただきたい、この辺をお願い申し上げておきます。
菅委員にはその点ないと思いますが、これも必要だが、そういうこともありますということも知っていただきたい。非常に高い両面ということでございますから、その点は高く評価いたしておるところでございます。
○菅委員 終わりにしようと思ったんですが、私の質問にないことまで言っていただきましたので……。
私は、基本的には、こういう科学技術というのはツーウエー、スリーウエーでいいと思うのです。ただ、やはりそのときのバランスというものがあって、九九・九%こちらだけで、あと〇・一%――それこそ私からも大臣に申し上げたいのは、少しばかり費用をつけているからといって、そういった自然エネルギーについても力を入れてないのではないのだという言いわけに使われないようにぜひお願いをして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○近藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後五時五十二分散会
[国会議事録から引用おわり]
第177回国会の延長を受けて、今後の政治日程 by 下町の太陽・宮崎信行を更新しました。70日間の延長と言うことで、与党が「60日ルール」を使う可能性もあるので、その辺りの想定も加えました。また、第3次補正予算案は、次期国会という観測が浮上していますが、その辺に関して、自分の考えに基づいて、盛り込みました。
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【2011年6月22日(水) 衆院本会議】
衆議院は22日の本会議で、第177回国会の会期を「70日間延長」し、8月31日(水)までにすることを決めました。国会法13条により、衆院の議決が優先しました。
国会法12条では通常国会(常会)の延長は1回のみですので、
第177回通常国会(常会)の会期は平成23年(2011年)1月24日(月)から同年8月31日(水)までの220日間となりました。
民主党政権での会期の延長は、第174臨時国会以来2度目。
通常国会の延長は2年ぶりで、民主党政権としては初めて。
第71回特別国会(第2次田中角栄内閣)の280日間、第96回通常国会(鈴木善幸内閣)の244日間、第13回通常国会(第3次吉田茂内閣)の235日間、第61回通常国会(第2次佐藤栄作内閣)の222日間に次いで、国会史上(あるいは憲政史上でも)5番目に長い会期の国会となりました。
衆本は、午後1時の設定でしたが、3時間遅れた、午後4時から開かれました。
横路孝弘議長が、「会期を70日間延長して、8月31日までとしたい」と発議。
民主党を代表して「会期延長」の賛成討論に立った高山智司(たかやま・さとし)さんは「(今第177回通常国会では)ここまで67本の閣法、16本の議員立法、12本の条約が通っている」として、野党会派への感謝の念を示しました。「震災復興に与野党はありません」「我々はただひたすら働き続けるしかありません」「震災復興に夏休みなし!会期を8月31日(水)まで延長し、(与野党の)みなさん、全力で働きましょう!」と述べました。
また、高山演説では、「この国難を乗り越えるには、与党も野党も歩み寄るべきところは歩み寄る。譲るべきところは譲る。そうしないと乗り越えられません」「私たちの仕事は法律と予算をつくることです」「なによりも大切なことは、復興の道筋をつける本格的な第3次補正予算を早期に成立させることです」と含みを持たせて呼びかけましたが、この「3次補正」が今国会中になるのか、次の国会になるのかが焦点となります。仮に首相を代えるとなると、今国会および8月末に間に合わず、遅れることになります。8月22日(月)の週に3次補正を提出すると、ギリギリで会期内に成立させられる可能性もあります。しかし、仮に代表選や首班指名があるとまずムリです。ここが味噌の「70日間延長」というアイディアであると思われます。ここ数日、「いったい会期の延長と延長幅に何の意味があるのか?」と思っていた人が多いでしょうが、通常国会の延長とその延長幅には、「この国のかたちに対する思想」が結集した議案だと私は考えています。
会期の延長に関する与党の賛成討論には、国会運営で評価の高い若手議員が起用される傾向があります。これは国会全般の流れについて、深い理解が必要だからです。民主党議員が与党議員として、会期の延長の賛成討論に立ったのは、きょうの高山智司さんが結党以来初めてとなりました。第173回臨時国会の延長時には、民主党による賛成討論はありませんでした。このときは、当時の小沢一郎幹事長が山岡賢次・国対委員長に指示して、与党・民主党の演説は省かせたため、議長の発議の後、野党の反対討論が行われ、その後の、採決の結果、発議が圧倒的多数で「賛成」されるという流れがおかしい議事録が残ってしまいました。このため、「政権交代の夏」から3ヶ月と余韻が冷め切っていない1年生議員が大いにクビをひねりました。ただ、この少し前に、小沢幹事長の依頼で講演した東大前総長が「通年国会」に言及したことから、多くの1年生議員が次々とブログで「通年国会が必要だ」と記したので、つくづく「洗脳って恐いな」と恐れおののきました。
閑話休題。
これに先立ち、自民党は木村太郎さんが反対討論。高山討論につづいて、公明党は反対の立場から討論に立ち遠藤乙彦・議運理事が「不信任案を出したら、前日に(民主党小沢グループが)70人結集した」「それで代議士会での菅首相の発言につながった」とし、「総理の延命と保身のための会期延長だ」としました。日本共産党の佐々木憲昭さんは賛成討論しました。社民党は服部良一さんが賛成討論をしましたが、話し合いが「大政党だけだった」と注文をつけました。みんなの党も山内康一さんが賛成討論し、同党が「通年国会を主張している」ので、70日間の延長幅は「まことに不十分だ」と述べました。起立採決の結果、賛成多数で議長の発議通り、会期は8月31日(水)まで延長されました。
〈延長国会の見通し〉
今次延長国会では、衆・財金委にとどまっている「特例公債法案(平成23年度赤字国債発行法案)」(177閣法1号)、衆・経産委に付託されている「再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り法案(177閣法51号)や、衆・予算委員会での「平成23年度第2次補正予算案(未提出)」などが議題となります。また、衆・厚労委での「10月1日以降の子ども手当に関する法案」(民自公政調会長が協議中)、「二重ローン対策法案」が議題となると思われます。
延長国会のカギとなるのは、やはり予算です。「2次補正(復旧テコ入れ補正)」は、おそらく7月下旬提出~8月上旬成立という流れになりそうな気配です。
ねじれ国会のなか、与野党および官邸の協議で、70日間延長に成功した7首脳、なかんずく岡田幹事長の功績はきわめて大きいものがあります。朝日新聞によると、官邸官僚が「歴代政権でも首相退陣をめぐるかけひきや混乱はあったが、ここまで表に出てしまうことはなかった」と苦笑した、ということで、「クリーンでオープンな民主党」という菅さん、岡田さん、枝野さんら非世襲グループによる「クリーンでオープンな民主党」路線が続くことになりました。なんとか、世襲グループに政権を奪い返されないよう、国民みんなで支えていきましょう。
〈会期延長に成功した岡田幹事長ら民主党7首脳が続投〉
各会派の延長の話し合いに失敗して、ハプニング的に閉会してしまった例は過去にあります。福田赳夫首相(自民党総裁)時代の第82回臨時国会は、会期末の11月25日に、(再)延長に失敗し、いろいろな法案が廃案や閉会中となりました。そこで、内閣改造のうえ、1週間後の12月3日に天皇陛下に召集詔書を公布していただき、12月7日から12月10日までの4日間の第83回国会を開きました。この国会では所信表明演説はヒラから図に、前国会で失敗した各法案(離職者対策諸法案、国鉄運賃法改正案、健康保険法など改正案、防衛2法案、国家公務員給与改定5法案)を処理しました。第82臨時国会の不手際については「各派間の話し合いが難航しているうちに時間切れが迫り、本会議を再開したが、法案の審議は一切行われないまま散会した。このため、(略)いずれも審査未了となるという波乱の幕切れとなった」と記されています(『議会制度百年史』の『国会史(下巻)』=衆議院・参議院編、大蔵省印刷局発行=の120ページ)。
このときとは違い、民主党幹事長の岡田克也さんがねばり強く各会派をとりまとめ、菅直人首相を説得することで会期延長に成功し、最終的には民主党7首脳(菅直人さん、岡田克也さん、枝野幸男さん、仙谷由人さん、輿石東・参院議員会長、安住淳さん、玄葉光一郎さん)がひきつづき政権の重荷の旗振り役を続投することになりました。会期延長により、6月~8月の間に、民主党代表選による政治空白が生まれる可能性はなくなりました。
明治憲法(大日本帝国憲法)ではその第42条で「帝国議会は3ヶ月をもって会期とす」として、「必要ある場合においては勅命をもって延長することあるべし」となっています。いったん、話が横にそれますが、明治憲法39条には「両議院(衆議院 or 貴族院)の一つにおいて否決したる法律案は同会期中において再び提出することを得ず」となっており、「一事不再議」が憲法で決まっていました。では、なぜ現行法制で憲法どころか国会法にも「一事不再議」がないかというと、現行憲法で初めて国会は予算を審議できることになったので、補正予算が「一事」になるのかどうかという問題があるのが最大の理由です。ですから、「一事不再議」は議会政治の大前提である「会期独立の原則」に基づき、「一つの会期における国会の意思決定は一つ」という考え方に基づくものです。ですから一事不再議は憲法を超越した憲政の常道であると私は考えています。つまり第177回国会として、「内閣を信任」した後に「内閣を不信任」したら、その間に何があったのか、プロセスが歴史のブラックボックスと化してしまいます。だから一事不再議は重要な原則なのです。このことについて、衆議院の職員を経て自由党など参院議員を務めた人が「一事不再議は審議の効率性のため」という解説をしていますが、それは信頼と慣例を積み重ねてできている議会政治の長年のルール、日本で言えば憲政の常道をあまりよくご存じないのではないかと感じざるを得ません。
閑話休題。
70日間の延長により、この6月~8月の間に民主党代表選が実施される可能性はなくなりました。ただし、会期がこれより早く終わる可能性は一つだけありますが、今回民主党7首脳が6月2日前後からの不信任案否決をめぐる大波に耐え、会期延長・現体制続投に成功した以上、菅首相の一存でそれ(解散)をするのは厳しく、解散はないと思われます。
〈延長された「正念場(性根場)国会」で試されるのは、岡田克也さん〉
第2次田中角栄内閣が総選挙の12日後から会期280日間の特別国会(第71回国会)を開いたことがあります。この例からすると、やはり2009年9月16日召集の第172特別国会を4日間ではなく、280日間くらいやって、政治主導確立法、国会法・内閣法・国家行政組織法・衆議院規則・参議院規則を一気に改正してしまった方が良かったと悔やまれます。つくづく、野党・民主党の政策ではなく、統治法の準備不足と、鳩山代表・小沢幹事長のロングスパンの展望を欠いた国会運営が残念でなりません。
昨年は第22回参院選を控えていたため、延長せず、請願などの継続審議ができないという残念な会期切れとなりましたが、民主党7首脳はなんとか土俵際で逃げ切りました。「3・11」以降の国会劇場は役者(政治家)の性根があらわれる正念場国会となりましたが、さらに延長国会となりました。歌舞伎十八番の内『勧進帳』では、義経を守る弁慶と富樫の「山伏問答」の後、再度富樫が登場してくる場面「弁慶の戦(いくさ)物語」があります。富樫に酒を勧められた弁慶が延年の舞を踊ることになります。義経が菅さん、富樫が自民党なら、弁慶は岡田さんということになります。岡田さんが延長国会の閉幕まで延年の舞を踊ることになるのか。これは正直、私も分からない。1月に「正念場」、3・11には「こういうときこそ人は見られている」と語った岡田さんですが、どうやら延長国会で性根をイチバン見られることになる主役は、岡田克也さんということになりそうです。
[写真]税の一部改正法の与野党修正協議をてがけた藤井裕久・首相補佐官(プレス民主からキャプチャーのうえ、トリミングさせていただきました)
【2011年6月22日(水) 参院本会議】
いよいよ会期末の朝となりました。しかも夏至です。第177通常国会は8月31日(水)までの70日間延長され、会期220日間となる見通しです。この間、菅直人首相は続投できる可能性が高まりました。また、世襲議員グループの「参院自民党」が提出をちらつかせていた「菅首相問責決議案」の提出は不発に終わったもようです。
参院本会議が午前10時に開会しました。「国税の一部改正法(閣法82号)」と「地方税の一部改正法(閣法83号)」が、与野党各党(日本共産党を除く)の賛成多数で、可決・成立しました。天皇陛下の御名御璽が入り、公布され、官報に載ります。
参院本会議の押しボタン式の投票では、
国税の一部改正法が「投票総数236、賛成230、反対6」
地方税の一部改正法が投票総数が「238、賛成232、反対6」
でした。各議員の投票行動(賛成、反対)は次のホームページから見ることができます→ http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/177/vote_ind.htm
なお、実際の議事日程は、藤末健三総務委員長、藤田幸久財政金融委員長の順番で行われました。
前日(21日)の審議と採決では、総務委員会で自民党の片山さつきさん、財金委員会で自民党の佐藤ゆかりさんが付帯決議を提出。両案とも、日本共産党が反対討論をしたうえで、各党の賛成多数で可決していました。
やれやれ、ホッとしました。
この法には、住宅購入時の登録免許税の軽減、中小企業の法人税率の軽減、雇用を促進するために従業員を増やした企業への税制上の優遇措置、NPOなど寄付金税制の拡充、航空機燃料税の引き下げ、証券軽減税率の2年間延長などが入っており、多くの項目では、国税だけでなく、地方税での措置も含まれているようです。
なお、私の認識では、相続税の基礎控除額の5000万円→3000万円の引き下げと税額の50%→55%への引き上げは見送られたと思います。それと国税通則法の廃止(抜本的見直し)も見送られ、国税通則法という法律は存続することになっていると考えます。この辺は、おそらく税理士さんでも対応できていない人がいると思いますので、直接税務署や国税庁の事務センターなどに問い合わせることをおすすめします。
これにより、6月30日までのつなぎ措置だった、国税と地方税の税制改正にめどがつきました。なおも、国税は閣法2号と地方税は閣法4号を内閣が修正し、議案として延長国会に残ります。しかし、歳入全体にしめる影響は、いまだに衆院委員会に残っている「特例公債法案(平成23年度の赤字国債を発行する法案)」(閣1)に比べれば軽微ですので、このまま、閣法82号と閣法83号のまま、平成23年度が進むことになりそうな気配を感じています。
この租税特別措置などのつなぎを踏まえて、6月30日までに、自民党も賛成できる項目を閣法2号、閣法4号から抜き出して法案をつくる修正協議は、民主党は首相補佐官の藤井裕久さん(昭和30年大蔵省入省)、自民党は元自治大臣の野田毅さん(昭和39年大蔵省入省)が担ったそうです。大蔵省の先輩・後輩で、国会議員および「自由党幹事長」としては野田さんが先輩になります。それと野田さんは、どうも「与党政治家らしさ」が強いように私には思え、こういう修正協議では国家国益を優先するタイプだと考えます。この辺は、岡田克也幹事長らの人選が良かったんだろう、と考えます。まあ、野田さんも、まさか未来予想図の「野田財務大臣」が新進党時代の1年生議員の野田佳彦さんとは思っていなかったでしょう。野田聖子さんというのは若干ケーカイしていたかもしれませんが、新進党解党後に、小沢一郎氏から離れていった当選5回生の佳彦さんが財務大臣、小沢氏についていった毅さんは当選13回生にして野党第1党で無役という悔しさを、修正協議にぶつけたのなら、報われたように思います。
このように、以前は、税制論議には、党人派の山中貞則さんなどがいましたが、最近では、せめて通産官僚(尾見孝次さん、町村信孝さん)がいるくらいで、ほとんど財務官僚(伊吹文明さん、津島雄二さんら)でないと取り扱えない状態になっています。「代表なくして課税無し」が議会政治の発祥ですが、最近の民主党議員は、税調で、特定業界の「免税継続」を訴えたり、税と社会保障の一体改革で「消費税引き上げに反対」するなどといった木を見て森を見ず、の議論ばかりで、ていねいに、税制を体系的に勉強している議員がいないように思えます。たいへん憂慮すべき事態です。
関連エントリー)衆院通過時のエントリー
ねじれ国会の難題1つ解決 6月30日つなぎ切れの税制改革法案が衆本を通過
なお、参院本会議では、大震災のための金融機能強化・金融機関再編特措法(閣法73号)、総合特区法案(閣法27号)も可決・成立しました。
この後、午後の衆院本会議で会期延長が決まります。
asahi.com(朝日新聞社):税制改正修正法成立 法人減税や所得・相続増税は先送り - 政治
2011年度税制改正修正法が、22日の参院本会議で賛成多数で可決、成立した。認定NPO法人に寄付した場合の優遇税制拡大や、従業員を増やした企業を減税する雇用促進税制などを盛り込んだ。法人税減税や所得・相続増税など、当初の改正案の根幹部分は今後、改めて与野党で協議する。
税制改正法案は、毎年3月末までに成立させるのが慣例。今年は野党の反対で成立が遅れていたが、民主党と自民、公明両党が今月8日に一部項目の修正で合意。期限が切れて増税になると企業や国民生活に影響が大きい租税特別措置を3カ月延長する「つなぎ法」の期限が6月末に迫ったため、与野党の合意項目だけ切り離して成立させた。
修正法には、離島航路の航空機燃料税や不動産売買契約書につける印紙税の軽減など6月末で切れる租税特別措置の12年3月末までの延長や、低額年金所得者の申告不要制度の創設、11年末に期限が切れる証券優遇税制の2年延長なども盛り込まれた。
[写真]藤井裕久さん(筆者撮影)
ついに藤井裕久さん(昭和30年大蔵省入省)が、ナント外国為替特別会計(外為特会)の元本部分(外貨準備高)の取り崩しについて言及しました。まさに、日本が変革期、正念場を迎えていることを感じさせました。
発言は、2011年6月20日夜放送のBS11番組の「インサイドアウト」の中で飛び出しました。
藤井さんは、税と社会保障の一体改革に関して説明した後に、いわゆる霞が関埋蔵金について話しました。
「埋蔵金といっても、たいていスッカラカンなんですが、(およそ円換算で100兆円前後になる)外為会計(は大きな埋蔵金)ですねえ。(外為特会からの繰り出し分を)一般会計に入れると、技術的には、ドルを売って、円を買うので、ますます(1ドル=80円よりも)円高になっちゃうんですよねえ。(現状では、埋蔵金は)外為(特会)は残してあります。他はスッカラカンです」と述べました。
司会の二木啓孝さんが「米国債を売るということですか?」と合いの手を入れると、藤井さんは「それですよ」と述べ、外為特会の元本部分である、米国財務省証券の売却という長年のタブーに驚くほど、あっさりと言及しました。そして、「(米国債を売ると、)円が高くなりますから。(外為特会の所管官庁である財務省は)通貨当局の責任者なんですから」として、財務省内で外為特会を担当する理財局と通貨当局を担当する財務官・国際局がおなじ省内である以上、現状では外為特会の元本は取り崩しにくいとしました。しかし、念押しをするように、「でも、議論しないといけない」と明言しました。大蔵・財務官僚出身者が、テレビで公然と外為特会の取り崩しに言及したのは、私が知る限りは、明治維新とそれに続く太政官布告から143年目にして初めてなのではないでしょうか。
これについては、2011年4月29日の民主党幹事長の岡田克也さんが定例記者会見で言及しており、当ブログでも岡田幹事長、「外為特会の元本に手をつけられるか検討」、タブーに1歩踏み出すというエントリーにまとめてあります。また、野党時代の2008年10月2日に、大塚耕平さん、大久保勉さん、そして菅直人さんの3人が財務省理財局を視察したことで大きな話題を呼びました。
「3・11」後の不安定さは、未来が生まれてくるビッグバンなのか。この議論、藤井さんや岡田さんがやるなら、ぜひ背中を押したいと考えます。
[写真]左上から時計回りに、民主党の岡田克也さん、枝野幸男さん、岸本周平さん、後藤祐一さん。
2011年6月20日(月)の参院本会議でやっと、「東日本大震災復興基本法」が成立しました。提出者は、民主党の黄川田徹さん、後藤祐一さん、公明党の石田祝稔(いしだ・のりとし)さん、自民党の加藤勝信さんでした。ポイントは「復興庁」「復興債」「復興特区」の3点セットで、もともと公明党が使い出した言葉が3つとも盛り込まれた格好です。この後は、内閣府復興庁の設置法案が延長国会に出てくると思います。日本はセクショナリズムの縦割りですから、「細く長くよろしくお願いします」(衆院審議での岩手1区選出の階猛さんの質問)という東北復興のためには、スーパ官庁「復興庁」をつくって、各省から権限を剥がしてきて、集めるというのは官僚機構の風土にあっています。人事では、なるべく「片道切符」で行ってもらう、東北出身者などから「志願兵」を募るかも良いかもしれませんね。かつて総理府(現在の内閣府)にあった沖縄開発庁は1972年~2000年橋本行革までありました。復興庁は、2011年(2012年?)~2030年ぐらいまでのスパンになるのでしょうか。むしろそのくらいに考えた方が、被災者の方にとっても気が楽なような感じもします。
さて、以前のエントリーにも書きましたとおり、民主党1年生議員の神奈川16区の後藤祐一さんが東日本大震災復興基本法(第177国会衆法13号) 、和歌山1区の岸本周平さん が改正NPO促進法(第177国会衆法12号)を提出者として成立させました。両法案は、ともに、与野党の修正協議のうえ、委員長が起草した議員立法です。
[画像]参院本会議で答弁する後藤祐一さん(参議院インターネット審議中継)と参院内閣委員会で答弁する岸本周平さん(本人ブログ)
これについて、1年生議員の校長先生、岡田克也幹事長に、20日の定例記者会見で聞いてみました。
岡田さんは、「提案者になるのは、あまり期(当選回数)は関係ないんですね。与野党で(法案の修正)協議して、中心的な役割を果たしたからこそ、提案者、答弁者になっている」という傾向があることを明かしました。そして、「1期生であれ、国会の場で答弁するということは、蓄積も必要ですし、経験も必要ですし、良い勉強になります」「まあ、そういう活躍をしていただくことは大歓迎ですし、チャンスはどんどんいかしてほしい」としたうえで、質問者は「少し鍛えるという意味で、与党であれ、野党であれ、厳しい質問もしてほしいと思います」という「岡田流やさしさ」を見せました。
そして、伝説の第143臨時国会(金融国会)の政策新人類として一躍スター政治家に躍り出た当時34歳の枝野幸男さんを例に挙げて、「提案者に対して、質問する機会があったんですが、まあかなり突っ込んだ質問を枝野提案者にいたしました」と語りました。
で、この枝野VS岡田の議事録を調べてみました。
1998年9月8日(火)の衆院・金融安定化に関する特別委員会で、提案者には、民主党から現経産副大臣の池田元久さん、元内閣官房副長官の古川元久さん、官房長官の枝野幸男さん、そして公明党からは現在は政調会長の石井啓一さんらが名を連ねています。政府側の答弁者は宮澤喜一・大蔵大臣でした。
岡田さんは「民主党の岡田克也です。きょうは、野党三会派の法案について質問をさせていただきたいと思います。質問をする以上、同じ党とはいえ、聞くべきことはきちんと聞く、そういう姿勢で聞かせていただきたいと思いますので、よろしく御答弁をいただきますようお願いします」と切り出しました。そしてまずは「金融再生委員会」(現在の金融庁)がなぜ、国家行政組織法(行組法)3条に定めた「3条機関」と位置づけたのか、という実にオーソドックスで大事な質問からスタートしました。
そして、この議員立法の条文を精査していて、法の28条について、「ですから、客観的な条件が28条の適用のためには必要ですが、そういうものを満たしておれば、(金融機関が)みずからが払い戻しの停止のおそれがあると認めてそういう申し出をしてくる」「原則的には、金融再生委員会は28条でそれを受けとめて、そして一定の要件がそろえば手続に入っていく、その導入のための規定になるということですね」「これは、おそれですから、(中略)銀行自身がみずからおそれがあると思ってこの申し出をすれば、おそれがあると自分が言っているわけですから、28条でそれを受けとめて、その手続に要件がそろえば入っていく、こういうふうに理解していいですね」と畳みかけます。
そうすると、枝野提案者は「まさに今御指摘のとおりでありまして・・・」と、34歳にしてすでに閣僚かと見間違うような語り口で、「そういったことから公的管理等に入っていくというケースが、むしろ場合によっては、特に初期の段階は、金融再生委員会が立ち上がっても、そのしっかりとしたルールに基づいての検査というのが終わるまでの間というのは、もしかするとそういったケースの方が多いのかもしれないというふうに思っています」と、今の枝野答弁と比べると、ずいぶんしどろもどろのようにも感じますが、よく考えながらしゃべっているのが議事録からうかがえます。
当時の岡田さんと枝野さんは、民主党の初代執行部で、政調会長代理と筆頭副会長という、政調の「ナンバー2」と「3」のコンビでした。その前から、民主党結党準備会で、政策すりあわせチームに各々の所属政党の代表者として侃々諤々やっていましたから、その岡田さんから、厳しい”ノック”が飛んでくるとは枝野さんもゆめ思わなかったでしょう。
岡田さんは「枝野さんからは『なんかずいぶん厳しかった、自民党の質問者よりも厳しかった』と後で文句を言われましたが、そういうこともあってもいい」として、民主党を13年間かけて、政権政党に作り上げてきた自負を感じさせました。
[国会議事録から引用はじめ]
第143臨時国会(小渕恵三首相、いわゆる「金融国会」)
衆議院 金融安定化に関する特別委員会 11号
平成十年(1998年)九月八日(火曜日)
午前十時一分開議
出席委員
委員長 相沢 英之君
理事 石原 伸晃君 理事 藤井 孝男君
理事 村田 吉隆君 理事 保岡 興治君
理事 山本 有二君 理事 池田 元久君
理事 中野 寛成君 理事 坂口 力君
理事 谷口 隆義君
愛知 和男君 伊藤 達也君
伊吹 文明君 岩永 峯一君
江渡 聡徳君 大野 松茂君
大野 功統君 金田 英行君
河村 建夫君 熊谷 市雄君
倉成 正和君 佐田玄一郎君
滝 実君 津島 雄二君
中谷 元君 西川 公也君
蓮実 進君 宮本 一三君
目片 信君 望月 義夫君
山本 公一君 山本 幸三君
吉田六左エ門君 渡辺 喜美君
上田 清司君 枝野 幸男君
岡田 克也君 海江田万里君
北村 哲男君 佐々木秀典君
仙谷 由人君 古川 元久君
細川 律夫君 石井 啓一君
上田 勇君 大口 善徳君
並木 正芳君 西川 知雄君
鈴木 淑夫君 西川太一郎君
西田 猛君 佐々木憲昭君
佐々木陸海君 春名 直章君
濱田 健一君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 宮澤 喜一君
出席政府委員
(中略)
委員外の出席者
議 員 池田 元久君
議 員 枝野 幸男君
議 員 古川 元久君
議 員 石井 啓一君
議 員 西川 知雄君
議 員 鈴木 淑夫君
議 員 谷口 隆義君
衆議院法制局第
二部長 窪田 勝弘君
最高裁判所事務
総局民事局長 石垣 君雄君
参 考 人
(金融危機管理
審査委員会委員
長) 佐々波楊子君
衆議院調査局金
融安定化に関す
る特別調査室長 藤井 保憲君
―――――――――――――
委員の異動
(略)
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
不動産に関連する権利等の調整に関する臨時措
置法案(内閣提出第一号)
金融機能の安定化のための緊急措置に関する法
律及び預金保険法の一部を改正する法律案(内
閣提出第二号)
債権管理回収業に関する特別措置法案(保岡興
治君外三名提出、衆法第一号)
金融機関等が有する根抵当権により担保される
債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する
法律案(保岡興治君外三名提出、衆法第二号)
競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整
備に関する法律案(保岡興治君外四名提出、衆
法第三号)
特定競売手続における現況調査及び評価等の特
例に関する臨時措置法案(保岡興治君外四名提
出、衆法第四号)
金融機能の再生のための緊急措置に関する法律
案(菅直人君外十二名提出、衆法第五号)
金融再生委員会設置法案(菅直人君外十二名提
出、衆法第六号)
預金保険法の一部を改正する法律案(菅直人君
外十二名提出、衆法第七号)
金融再生委員会設置法の施行に伴う関係法律の
整備に関する法律案(菅直人君外十二名提出、
衆法第八号)
――――◇―――――
(前略)
○相沢英之委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。岡田克也君。
○岡田委員 民主党の岡田克也です。
きょうは、野党三会派の法案について質問をさせていただきたいと思います。質問をする以上、同じ党とはいえ、聞くべきことはきちんと聞く、そういう姿勢で聞かせていただきたいと思いますので、よろしく御答弁をいただきますようお願いします。
まず、この委員会でもたびたび議論になりました金融再生委員会の性格詮について、少しやりとりをしながら整理をしておきたい、こういうふうに思っております。
基本的に、この金融再生委員会は国家行政粗織法三条の機関というふうに位置づけられているわけでありますが、なぜわざわざ三条機関ということにしたのか、その基本的考え方についてまず確認をしておきたいと思います。
○池田(元)議員 岡田委員にお答えをいたします。
国家行政組織法第三条の委員会、いうところの独立行政委員会として金融再生委員会を設置すべしというのは、我々の提案の中心の一つでございます。
この三条委員会といいますのは、いわゆる国家行政組織の中で、政治的中立性、それから相反する利益の調整等、そういった事務に適するものとして考えられておりますが、この再生委員会は、まさにそれに適合するものとして三条機関としたわけでございます。
○岡田委員 確かに、この金融再生委員会のいろいろな機能の中で、所管事項及び権限ということになるわけですけれども、この中で、例えば検査に係ることあるいは監督に係ること、そういうものは中立性ということが非常に要求されることではないかというふうに思うわけですが、四条の第一項第一号の「金融制度の調査、企画及び立案をすること。」ということも、つまり、今大蔵省にある金融の企画立案機能というものもこの再生委員会に持ってきているわけでございます。
こういう金融制度の調査、企画、立案をすることということは、ある意味では行政そのものでありまして、そういう意味で、三条機関、独立性を持った三条機関の行う所掌としてはなじまないのではないか、こういう議論が当然出てくるわけでございますが、それに対してどのように御説明されますか。
(中略)
○岡田委員 それは別に裁判所をかませないとできない話ではないように私は思うのですが、ここはなお検討課題だというふうに申し上げておきたいと思います。
それから、金融整理管財人のもとでいろいろ、最長二年間やっていくわけですが、ここで言われている最終的な処理というのは、合併とか営業譲渡ということをまず念頭に置いて組み立てられておられるのか、原則清算ということを考えておられるのか、いずれなんでしょうか。
○石井啓一議員 清算という言葉に若干いろいろな意味が、意味がといいますか誤解が含まれるような要素があると思いますけれども、ここで私どもが言っておりますのは、単に会社を単純に清算をして全部なくしてしまうということではなく、原則営業譲渡あるいは資産の売却等を行うということを考えておりまして、残った法人を清算する、こういうことでございますので、先生おっしゃるとおりでございます。
○岡田委員 そこで、二十六条の「管理の終了」というのがそこに当たるわけでありますが、原則一年以内、場合によっては一年に限りこの期間を延長する、こういうことになっているわけです。ここが政府・与党のお出しの法案と長さの点において違いがあるわけですが、基本的に原則一年、例外二年ということでそういう合併相手あるいは営業譲渡先というものが見つかるのかどうか、あるいは、これを長くしたときにどういう弊害があるのかということについて御答弁いただきたいと思います。
(中略)
○岡田委員 今の御答弁を整理しますと、だれでも早く合併の相手とか営業譲渡先を見つけたい、一刻も早くそうしたいというのはこれは当然のことでありますから、ポイントはむしろ今の御答弁の後半にあったのであって、最長二年を超えてしまうと結局非常に劣化したものしか残らずに、かえって公的負担がふえてしまう、だから原則一年、例外二年ということで切った、そこが政府と考え方の違うところだ、こういう答弁と理解してよろしいですね。
それでは最後に、時間が参りましたのでもう一問だけ。
公的管理のところに関係するわけですが、第五十三条に「金融機関の申出」という規定がございます。金融機関は、「その業務又は財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれがあるときは、その旨及びその理由を、文書をもって、金融再生委員会に申し出なければならない。」ーーこういうふうになっておりますが、このことと、それから二十八条の「特別公的管理の開始の決定」というものはどういうふうにリンクしているんでしょうか。
○古川元久議員 今委員の御指摘の「金融機関の申出」は、御承知のようにこれは雑則のところに入っておりまして、これはそもそも、金融再生委員会が、いわゆる特別な公的な管理に入るか、あるいは金融整理管財人をつけるか、その判断をする前のところのアクションを起こすときの両方にこれはかかっているんですね。
別に、この申し出があったら必ずこれは特別公的管理に入るというわけではなくて、そういう申し出があれば、これは事実上、つまりあしたの資金繰りもつかないというような状況に金融機関が立ち入って、そこで、今そういう状況ですということを再生委員会に申し出てくるということになりますから、そこでは、これは前の方で言っておりますように、その場合にはこの再生委員会でいわゆる破綻した金融機関というふうに認定をして、それによって、ある場合には金融整理管財人、そしてある場合には特別公的管理、そういった従来のスキームの中でこれを判断していくということになると思います。
○岡田委員 ですから、客観的な条件が二十八条の適用のためには必要ですが、そういうものを満たしておれば、みずからが払い戻しの停止のおそれがあると認めてそういう申し出をしてくるわけですから、原則的には、金融再生委員会は二十八条でそれを受けとめて、そして一定の要件がそろえば手続に入っていく、その導入のための規定になるということですね。
これは、おそれですから、実際に債務超過であるとか実際に停止であるということは必要ありませんので、銀行自身がみずからおそれがあると思ってこの申し出をすれば、おそれがあると自分が言っているわけですから、二十八条でそれを受けとめて、その手続に要件がそろえば入っていく、こういうふうに理解していいですね。
○枝野議員 まさに今御指摘のとおりでありまして、そういったことから公的管理等に入っていくというケースが、むしろ場合によっては、特に初期の段階は、金融再生委員会が立ち上がっても、そのしっかりとしたルールに基づいての検査というのが終わるまでの間というのは、もしかするとそういったケースの方が多いのかもしれないというふうに思っています。
○岡田委員 これで終わります。
(後略)
[国会議事録から引用おわり]