

3月4日(土)、熱海市中張窪(ちゅうばりくぼ)にある江戸城石垣の石丁場跡の見学会に参加してきました 石丁場跡は他の所のものは何ヵ所か見学したことはありましたが、恥ずかしながら熱海市のこの石丁場跡を見るのはこれが初めてでした。
「羽柴右近(森忠政=森蘭丸の弟)」の名前が書かれた石や「是ヨリにし(西)有馬玄蕃(有馬豊氏)石場…」などと書かれた石、矢穴が縦横に穿たれた石や刻印石等々、なかなか面白いものを見させていただきました
これを海岸まで運び出して船に乗せて江戸に運ぶなんて、考えただけでも大変そうですね。 今放送している大河ドラマ「どうする家康」で石切りの場面が出てくるかどうかわかりませんが、江戸に幕府を開いた後の家康の権力の大きさを改めて思い知らされました。
来たる4月3日(日)13時より、勝間田区絆づくり事業(牧之原市社会教育課)主催で「勝間田城趾見学会」が開催され、当会会員の小城小次郎(佐藤友男)氏と不肖 私望月が城跡のご案内をさせていただきます。
現在静岡県指定史跡となっている勝間田城は「続々日本百名城」入りを目指しており、牧之原市及び地元の方々によって整備が進められています。以前と比べると草が刈り払われているなど、遺構が見やすくなっています。特に北東部の二重堀切と、南東部の五重堀切は必見です。その他曲輪などもきれいになっており、東尾根曲輪からは晴れた日であれば、富士山静岡空港の向こうに富士山が見えます。
見学会は参加無料、事前申し込み不要で、参加希望の方は下のチラシにあるように、13時に勝間田城下の第1駐車場に集合してください。
多数の皆様のご参加をお待ちしております。
現在、伊豆の国市の韮山城二ノ丸跡では、史跡指定を目指す資料収集のため発掘調査が行われていますが、明日2月8日(土)に現地説明会が開催されることになり、伊豆の国市教育委員会文化財課から以下の要領で説明会が行われる旨の情報提供を受けましたので、お知らせいたします。
・日時:2020年2月8日(土)13:00~15:00(当日雨天の場合中止)
*学芸員による説明は13:00~、14:00~ の2回、各30分程度行われます。
・集合場所:韮山城内権現曲輪(熊野神社前)
・車でお越しの方:江川邸駐車場に駐車してください。
昨日(2月6日)夕方、私は韮山城の整備委員でもあるので事前視察をさせていただきましたが、二ノ丸の曲輪の造成面は少なくとも2時期あり、かわらけ、天目茶碗等の遺物が出土しています。遺物の年代はいずれも16世紀代(小破片のため詳細な時期は不明)のものだとのことです。
また東側の土塁は盛り土で(写真参照)、西側のトレンチからは礎石列(写真参照。現時点で3個。石と石の間はちょうど90cmでした。)が出土しています。
昨今の華々しい調査成果を挙げている他県の城郭調査に比べると地味かも知れませんが、今回の調査が韮山城の本城部分の初の本格的調査で、東側土塁が削り出しではなく盛り土で造られており、また礎石列が発見されたのは驚きでした。
諸般の事情で直前のお知らせになってしまいましたが、お時間と興味のある方は是非お越しください。
少し前の話になってしまいますが、2月23日(土)に駿府城天守台の発掘調査現地説明会が行われ、午後の部に参加してきました。
昨秋豊臣期の天守台跡や金箔瓦で話題になっただけあり、会場には多くの人が見学に来ていました。
今回は、その豊臣期(秀吉配下の中村一氏の時代)の天守台石垣を間近に見ることができた他、家康期 の 天守下門である枡形虎口の石垣が確認できました。石垣の下の方には、木橋の橋脚の柱穴ではないかと思われる遺構も検出されていました。この天守下門と枡形は、中村一氏の時代の本丸堀を埋め造成しているため、膨大な石材や川原石が詰まっていました。
この天守台の発掘現場は通常公開されているため、常に堀跡の向こう側から現場を見ることはできるのですが、今回は堀跡の中に入って間近に石垣を観察することができ、いささかの興奮を覚えました。
この駿府城の天守台の発掘調査も来年度(2019年度)が最終年度とのことで、現在の遺構の下から今川氏時代の館の遺構が出てくるか、楽しみですね。