3月31日(日)、裾野市葛山の地区集会所において、平成24年度の葛山城址保存会の歴史講演会が開催され、当会の望月副会長が「戦国期の葛山館と駿東郡北部の土豪屋敷」と題して講演を行いました。
講演の概要は、当会が行ってきた「縄張図集成」作成に伴う駿東郡の調査結果をベースに、戦国期における葛山氏と駿東郡北部の土豪の関係を、土豪屋敷のあり方から考察しようというもので、葛山氏の駿東郡における支配権は駿府館の今川氏の「守護公権」を後ろ盾にしたもので、永禄11年(1568)12月の武田信玄の駿河侵攻により今川氏の支配が崩壊し、それに対して北条氏が駿東郡一帯を占領すると、武田氏側についた葛山氏の支配権も崩壊し、周辺の土豪が土塁・堀を設けた大規模な館を築き、「自立」して戦国大名と個々に関係を築いていくのではないか、というものでした。
当日はあいにくの雨模様の天気でしたが、会場には地元の方をはじめ、小田原や遠く三重県から見えた方を含め、約60名の方が熱心に聴講してくださいました。
また当日は、写真にあるように葛山城下の仙年寺周辺の桜が満開で、のどかな春の葛山の風景を楽しむことができました。