静岡古城研究会会長:もっちーのブログ

静岡古城研究会会長:望月のブログです。主に静岡県内の中世城郭関係の情報を発信します。※当ブログはリンクフリーです。

伊豆の国市シンポジウム「北条氏のふる里・再発見」に参加しました

2017-03-19 00:06:51 | 講演会・シンポジウム情報

3月18日(土)、伊豆の国市の韮山時代劇場映像ホールで、「北条氏邸跡(円成寺跡)国指定史跡20周年記念 北条氏のふる里・再発見-発掘調査の成果から-」が開催され、参加してきました。会場は市当局の予想を上回る約170人の参加者で埋め尽くされ、大盛況でした。

最初に、伊豆の国市の池谷初恵氏から「北条氏邸跡(円成寺跡)の発掘調査成果」の報告がありました。報告は、北条氏邸跡(円成寺跡)の発見の経緯と発掘調査の成果について、12世紀中頃~13世紀前半の北条氏館の時代、14世紀中頃~15世紀後半の円成寺の時代の遺構・遺物について、時期を追ってわかりやすく説明がされました。

次に、学習院大学の家永遵嗣先生の講演「文献資料から見る北条氏邸・円成寺」が行われました。先生のお話は、文献史料と考古学の成果をリンクさせ、北条氏と京都とのつながり、北条氏邸の変遷、山内上杉氏と円成寺、堀越公方足利政知と堀越御所・円成寺について、大変興味深いお話をしてくださいました。平安時代末から鎌倉時代・室町時代を経て戦国時代に至るまでの時間の幅と、伊豆から京都更に東アジアへと空間の広がりをつなぐ、ダイナミックな話だったと思います。

その後、帝京大学文化財研究所長の萩原三雄氏を加えてパネルディスカッションが行われ、北条氏邸・円成寺の遺構・遺物の位置付け、今後の史跡整備の方針などについて、短い時間でしたが、中身の濃い話し合いが行われました。

「城跡」が好きな人たちは、ともすると戦国時代、それも後半の城跡に目が行ってしまいがちですが、時にはそれ以前の時代の居館や寺院などにも目を向けて、戦国時代の城の位置付けを考えてみるのもいいのではないでしょうか。

 

 

 

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豊橋市の普門寺・船形山城に行きました

2017-03-18 23:41:59 | 県外の城郭の情報

少し前の話になってしまいますが、2月26日(日)、豊橋市の美術博物館(吉田城内)に行き、当日最終日だった特別展「普門寺と国境のほとけ展」を見てきました。

特別展は、三河と遠江の国境近くにある普門寺とその周辺の仏像や仏具、古文書、発掘調査で出土した遺物など非常に豊富な展示物が見られ、地域の博物館としては近年にない、内容の濃い展示でした。

展示を見終わった後、せっかくだから現地に行ってみようと、普門寺に行きました。同寺はもともと山岳寺院とのことで、現在の寺院の背後の山に所々平坦部があり、そこには寺院の建物の基壇跡や池の跡等々、寺院の遺構が明確に残っていました。この周辺地域の山岳寺院としては、湖西市の大知波廃寺が有名ですが、それに次ぐくらいの見事な遺構でした。

   

その寺院遺構を過ぎて山の尾根上にたどり着いてしばらく西側に歩いていくと、今度は山城の遺構が見えてきます。今川氏の文書にも出てくる船形山城です。城の本曲輪には残念ながら鉄塔が建ってしまっていますが、それでも土塁が観察でき、尾根に沿って堀切・竪堀が残っています。山上からは豊橋の街や遠州灘が一望に見渡せました。

   

普門寺・船形山城は、山岳寺院と山城の遺構の両方が楽しめる、なかなか贅沢な遺跡です。

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