静岡古城研究会会長:もっちーのブログ

静岡古城研究会会長:望月のブログです。主に静岡県内の中世城郭関係の情報を発信します。※当ブログはリンクフリーです。

静岡古城研究会 第255回見学会(浄福寺城、小田野城の予定)の下見に行ってきました

2016-12-18 22:29:04 | 報告、その他お知らせ

12月18日(日)、翌年(2017年)3月19日(日)に行われる予定の見学会の下見に、宮川理事と行ってまいりました。

今度の見学会は、「北条氏照の城郭シリーズ」のパート3ということで、浄福寺城(由井城)と小田野城に行くことを予定しており、その2ヵ所の城跡に行ってきました。

先ず、小田野城に行きました。同城は北条氏照の家臣であった小田野氏の屋敷跡ともいわれていますが、残念ながら1970年代の土取り工事により遺構の大部分は削平されてしまい、写真にあるように東側の虎口状遺構と、曲輪の南北の端の一部が残されているだけです。ただ、ここから浄福寺城が、木々の間からではありますが望むことができ、八王子城との位置関係を把握することができます。

  

次に、3月の見学会のメインである浄福寺城に行きました。城跡の麓にある浄福寺は、大永5年(1525)、この地域の国衆であった大石氏が開いた寺院ということで、同城と大いに関係がありそうです。たまたま墓地を掃除していた住職様にもお会いすることができ、当日バスの駐車場をお借りすることなどをお話しし、寺の背後から城跡に登りました。

見学ルートは、寺の背後から曲輪Ⅰ(本曲輪)を目指し、そこから少し東に行った後一旦南側に下がり、一連の堀切・竪堀を見学します。その後、一旦元の場所に戻り、北側の曲輪・堀(堀切・竪堀・畝状空堀群)を見学、最後に南東側の尾根の遺構群を見ながら恩方第一小学校西側に下りるというルートを考え、宮川さんと二人で実際に歩いてみました。所々「難所」があるものの、山城が好きな人にとってはなかなか見応えのある遺構が続き、満足すること間違いなしです!!

    

見学会は3月19日(日)とまだ先ですが(その前の1月15日に、来年の大河ドラマ「おんな城主直虎」ゆかりの井伊谷周辺の城跡の見学会があります)、2月末~3月初めに見学会の案内が出るのを楽しみにしていてください。(但し、浄福寺城は健脚向けですので、脚力レベルはかなり上になります。ご承知おきください。)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

興国寺城跡の発掘調査現地説明会に参加しました

2016-12-18 22:04:59 | 現地説明会情報・参加報告(静岡県内)

12月11日(日)、沼津市の興国寺城跡の発掘調査現地説明会が行われ、参加してきました。今回は、二の丸と三の丸の接続部分と、三の丸東大手口付近の発掘調査が行われており、この2ヵ所の説明が行われました。

先ず、二の丸と三の丸の接続部分ですが、ここからは土橋に伴う石積みが東西に2列ずつ確認されました。石積みは土橋の東西の端を固める石積みとして築かれ、それが後に拡幅されたことがうかがえる遺構でした。石積みの中に詰まっていた土は自然堆積の様相を示し、調査担当者の説明では、堀に溜まった土を残して両端を石積みで固め土橋を築いたのではないか、とのことでした。そのような例はあまり聞いたことがないので、また類例がないか、調べてみたいと思います。

   

また、三の丸東大手口付近ですが、曲輪と外堀(泥田堀)の境目が確認でき、地山が盛り上がっている部分=土塁の基盤跡も確認することができました。興国寺城北東部の境目がほぼ確認できたということで、なかなかの成果があったと思います。

興国寺城は今後史跡整備の作業が逐次行われ、次年度以降は当分大きな発掘調査はない、とのことですが、どのような復元整備が行われるのか、楽しみなところです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真壁城、小田城の現地説明会に行ってきました

2016-12-17 08:26:27 | 県外の城郭の情報

12月3日(土)、茨城県南部の代表的な中世城郭である真壁城(桜川市)、小田城(つくば市)の発掘調査現地説明会が行われる、とのことで、少し遠出をして行ってきました。

先ず午前中は真壁城の説明会へ。同城は以前から整備のための調査が行われており、今年度は主に庭園の一部とそれにつながる水路、土塁跡の調査をしていました。庭園跡からはおびただしい数のかわらけが出土しており、宴会を盛んにやっていたことが想像できました。園池跡に前日に降った雨水がたまっており、水面には逆さになった筑波山が映っていました。

 

午後は小田城の説明会に行きました。同城は最近史跡整備がほぼ完了し、整備のための大規模な発掘調査はこれが最後だということでした。今回の調査では深さや規模の異なる障子堀が出土しており、その変遷の状況も非常に興味深いものでした。また調査とは直接関係ありませんが、ちょうど紅葉がきれいな時期で、「涼み台」の真っ赤な紅葉が見事でした。

 

茨城県では最近この両城に代表されるように中世城郭の整備が進められており、最先端の技術を用いながら城跡の整備・復元を行っている自治体の姿勢は、大いに参考にすべきものがあると思います。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする