静岡古城研究会会長:もっちーのブログ

静岡古城研究会会長:望月のブログです。主に静岡県内の中世城郭関係の情報を発信します。※当ブログはリンクフリーです。

沼津市立図書館秋の企画展「戦国沼津の城 ~今よみがえる長浜城~」が開催中です

2015-09-27 23:53:11 | 展示会情報

9月15日(火)~10月6日(火)まで沼津市立図書館の4階で企画展「戦国沼津の城 ~今よみがえる長浜城~」が開催されています。

この5月に史跡整備が完成した長浜城の発掘調査成果や復元過程などを写真パネルを中心に展示しています。また、北条氏の水軍関係の史料や関船の復元模型(写真)などの展示もあり、東国の海城関係のことを知るには参考となる資料が多く展示されています。

また同じフロアに興国寺城、三枚橋城の発掘調査成果及び遺物の展示もあり、沼津市内の戦国城郭を知る上で非常に興味深い資料が目白押しですので、一見の価値はあると思います。

更にすぐ下の3階には、戦国期の大型軍船であった安宅船の復元模型も展示されており、これも必見です。(これは写真撮影禁止なので、実際に行って見てください。)

 

なお、これに関連して、同じ沼津市立図書館の4階ホールで8月22日(土)から3回の予定で連続講座が開かれており(1回目は奈良大学の千田嘉博先生(城郭考古学)と、名古屋工業大学の麓和善先生(建築史学))、9月27日(日)は2回目の講座が開催されました。

講師は、中世考古学特に陶磁器がご専門の柴垣勇夫先生と、民俗学がご専門の武蔵野美術大学:神野善治先生でした。柴垣先生は、長浜城跡出土の陶磁器の年代観と中近世の陶磁器の系譜について、神野先生は、沼津市内浦地区を中心とする漁民の生活と、日本の漁船・軍船について、大変興味深いお話をうかがうことができました。

3回目は10月11日(日)13:30~、同じ会場で学習院大の家永遵嗣先生、江戸東京博物館の齋藤慎一先生の講演が行われる予定です。後北条氏領国における長浜城及び周辺の伊豆の城郭についての詳細なお話が聞けるようで、たのしみです

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第248回見学会「桶狭間合戦における今川方の城」に参加しました

2015-09-20 23:41:16 | 報告、その他お知らせ

9月20日(日)、当会の第248回見学会「桶狭間合戦における今川方の城」が開催され、23名の方が参加しました。

当日は朝から、いつも乗せていただくマイクロバスが故障して来れず、別の大型バスが遅れて集合場所に来るなど、波乱含みのスタートとなりました。

更に秋の5連休「シルバー・ウィーク」の二日目とあって高速道路は混雑気味で、随所で渋滞に遭い、最初の目的地にたどり着くまで3時間半以上かかりました。

最初は知立(池鯉鮒)城跡に行きましたが、城跡は写真のとおり公園になっており、特に遺構はありませんでした。むしろ、城跡に行く前にバスを止めた知立神社の多宝塔(説明板によれば永正6年建築、とのこと)の方が印象に残りました。

 

次に、桶狭間の戦い当日に今川義元が出陣したとされる沓掛城跡を見学しましたが、ここは公園となっていて一応整備されており、堀・土塁などの遺構が観察しやすくなっていました。 -が、もう少し草刈りをしていてくれればもっと見やすいのに・・・、と思いました。昔の絵図を見ると城の遺構は現在の公園の範囲内だけでなく、西隣にある慈光寺や周辺の住宅地にも広がっており、相当な規模の城郭であったことを再認識しました。一方、沓掛城から西へ約300mほど行った所に聖応寺という曹洞宗の寺院がありましたが、その背後(西側)に土塁や堀らしき遺構があり、城郭遺構なのかどうか、ちょっとした議論になりました。(個人的には堀の掘り方や規模が城郭のそれとは違うのではないか、と思いました。寺院の境目や水路の工事など、近世以降の同寺の記録を探ってみるべきでしょう。)

  

最後に、桶狭間の戦い前夜、松平元康(徳川家康)が兵糧を入れたという大高城を見学しました。ここも公園化により一部遺構が改変されているものの、堀や土橋、切岸が比較的よく残存しています。特にⅡの曲輪の南から西側の堀は幅15m以上、深さも6~7mほどあり、見応えがありました。

 

-以上、今回は桶狭間の戦いに関連する今川方の城郭を見学しましたが、バスの中では担当の川村副会長の解説、持論も聞くことができ、大いに勉強になりました。来年は織田方の砦を見学する予定とのことで、桶狭間の戦いに対する従来の考え方に一石を投じる有意義な見学会のシリーズになりそうです。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

織豊期城郭研究会 2015年度小牧研究集会に参加しました

2015-09-20 00:28:10 | 報告、その他お知らせ

1ヶ月以上も投稿をサボってしまいました。すみません・・・。

9月12日(土)・13日(日)、愛知県小牧市で織豊期城郭研究会2015年度小牧研究集会が開催され、参加してきました。

1日目の12日(土)は、小牧市のあさひホール(まなび創造館)でシンポジウム「構築技術からみた織豊系城郭の石垣の成立」が行われました。シンポジウムは、地元の小牧山城の永禄期(信長時代)の石垣の報告を皮切りに、東海地方、近畿地方、若狭・越前地方、兵庫・中国地方の各地方の織豊系城郭の石垣について、特に成立期のものを中心に報告がありました。寺院や戦国期大名居館の石垣と織豊系城郭の比較、矢穴などからみた石材の調達方法など多様な視点からの報告で、大変参考になりました。

その後討論が行われ、信長によって築かれた小牧山城の石垣は何をヒントに造られたのか、岐阜城→安土城の石垣構築技術の変遷過程、石垣と礎石建物の構築位置の関係、矢穴の問題など、活発に意見交換が行われました。夜には懇親会が開催され、昼間に話し足りなかった点について、会場内の各所で熱心な議論が交わされました。

2日目の13日(日)は、小牧市の発掘調査担当の小野氏を案内役に、小牧山城をほぼ全山見て回る見学会が行われました。ふだんは立ち入ることができない発掘現場内や、信長時代の遺構、家康時代の遺構をじっくり見ることができ、大変充実したひと時を過ごすことができました。

  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする