静岡古城研究会会長:もっちーのブログ

静岡古城研究会会長:望月のブログです。主に静岡県内の中世城郭関係の情報を発信します。※当ブログはリンクフリーです。

韮山城 天ヶ岳砦の案内をさせていただきました

2018-05-13 23:36:25 | 報告、その他お知らせ

先日、小田原のYさんから、韮山城の天ヶ岳砦のツァーを行いたいので案内をしてもらいたい、というオファーがあり、4月末の連休中に関東方面からいらっしゃった十数名の方々を天ヶ岳に案内させていただきました。

天ヶ岳は、行ったことのある方ならわかると思いますが、標高(128m)の割には険しい斜面が多く、非常に危険な、登りにくい城の一つです。今回のツァーの参加者は女性が半数近くと多く、当初は全員付いて来れるか心配でしたが、城好きの女性のパワーは思ったより強力で、全員無事に天ヶ岳を縦走することができました。

今回の天ヶ岳縦走コースは、比較的登りやすい江川砦の裏から登り始め、岩盤をくり抜いた障子堀を越えて尾根伝いに本曲輪を目指し(途中堀切見学)、本曲輪からの眺めや虎口の構造などを堪能しつつ、堀切が連続する狭い尾根を通り、竪土塁を見ながら斜面を下り、最後の大堀切を越えてしばらく歩いて東側の下り口にゴール、というコースでした。

大きな堀切の険しい斜面を下って登って越える所や、非常に細い尾根を通らなければならない所が連続し、一行の中には悪戦苦闘している方もチラホラいましたが、ほぼ危なげなくクリアし、参加者の皆さんは山頂からの眺め(残念ながら富士山は少し雲に隠れていましたが)はもとより、変化に富んだ遺構の数々を十分楽しんでいただいたようでした。

その後、本立寺の付城跡にも行きましたが、他の付城も行きたいというリクエストが多く、また付城ツァーも秋以降に実施できれば、と思います。

それにしても、(くどいようですが)天ヶ岳は整備されていない上に険しい登り下りが多く、トレッキングシューズ、手袋、杖等の装備をきちんとして、できれば慣れた人と一緒に行った方がよいという、「危ない城」です。加えてイノシシが潜んでいるという噂もあるので、登る際には十分注意して登っていただきたいと思います。

    

 

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柏木屋敷、千福城、南一色城の現状

2018-05-12 22:29:31 | 報告、その他お知らせ

先日、近場であるがゆえに最近行っていなかった、裾野市の柏木屋敷、千福城(平山城)、長泉町の南一色城を訪れました。

先ず柏木屋敷に行きました。柏木屋敷は、一辺が100m以上ある、土塁をもった方形居館の跡として知られていますが、ここは地域の方々のゲートボールやグランドゴルフなどをやる場所と化しています。土塁はまあ何とか残っていますが、心なしか、一昨年来た時より土塁が低くなっている箇所がいくつかありました。内部を「公園」として地域の方々が利用するのはやむを得ないとしても、土塁・堀などの遺構は保護して欲しいものです。

次に千福城(平山城)に行きました。同城は最近地元の方々が少しずつ整備しているようで、樹木や草が生い茂っていた所が要所要所きれいになっており、曲輪や横堀、竪堀等の遺構が見やすくなっていました。曲輪、堀などを示す小看板も所々にあり、ある程度一般の人にもわかるように配慮がされていました。今後の更なる整備が期待されるところです。

  

次に南一色城に行きました。同城は曲輪内が個人の畑となっており、以前心ない城郭ファンが断りなく畑に入って地主さんが迷惑しているような話を聞いていましたが、今回訪れてみると、曲輪の周囲には電線が張り巡らされており、完全に入れない状態になっていました。地主さんのお気持ちを考えれば致し方ないのですが、曲輪の出入り口付近には農耕用の軽車両が入ったタイヤの跡がついており、このままだと遺構がどんどん破壊されてしまうのではないか、と危機感を覚えました。城の北側法面一帯もコンクリートの擁壁に覆われており、長泉町の教育委員会には何らかの対策をして欲しいと思いました。

この他、この近辺には裾野市大畑の大畑城もありますが、それも含め、今後城郭遺構の(少なくとも)現状保存のため、「見守り」をしっかりしなければ、と痛感した次第です。

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