静岡古城研究会会長:もっちーのブログ

静岡古城研究会会長:望月のブログです。主に静岡県内の中世城郭関係の情報を発信します。※当ブログはリンクフリーです。

第269回見学会(設楽郡名倉の城砦群)のご案内

2022-03-31 00:04:09 | 見学会のお知らせ

目下、新型コロナウイルスの感染者数は高止まり状態ですが、3月21日に「まん延防止等重点措置」が全面的に解除されましたので、この度感染防止に注意しながら、バスツアー型の見学会を久々に実施することとなりました。

今回は来たる4月17日に開催されます第269回見学会『名倉高原の城砦群と田峯城』のご案内をさせていただきます。

今回の見学地には奥三河の国衆、名倉奥平氏・田峯菅沼氏が今川・徳川・武田の間で興亡するさまをとどめる城砦が多く見られ、その特徴的な縄張りを見学しながら時期や築城者を考察してみたいと思います。実に2年3カ月ぶりとなりますバスツアー型の見学会の復活ですので、多数の皆様(非会員の方も)のご参加をお待ちしております。

■実施日:令和4年4月17日 (日)

*小雨決行、悪天候の場合は見学地・コースの変更あり

■見学先:清水城、鍬塚城、寺脇城、時間に余裕があれば田峯城(脚力レベル★★★☆☆)

■参加費:会員5,000円/一般6,000円

■乗り物:市沢さんのバス

■乗車地:静岡駅北口ロータリー(今川義元像・竹千代像の西)  

  *会員の皆様にお送りした「のろし」第318号 にお示しした集合場所から変更になりましたので、ご注意ください。

■身支度:ハイキング程度の服装(滑りにくい靴・雨具)・弁当飲物類

■担 当:齋藤理事・澤田理事

■締切日:4月10日(日)までに必着 メール s-kojouken@outlook.com まで、お名前・連絡先(携帯電話をお持ちの方は携帯電話番号)・バス乗車場所をお知らせください。

■日 程:8:00JR静岡駅北口出発 → 8:10東名・静岡IC → 8:20日本坂PA下り8:40小笠PA下り9:00三方原PA下り → 三ケ日JCより新東名 → 9:30新城IC→ 10:30~12:20鍬塚城(昼食)→ 船戸橋(古戦場)→ アグリステーションなぐら(トイレ休憩)→ 清水城 → 寺脇城→田峯城の順に見学 → 17:00新城IC → 17:30三方原PA(上り) → 17:50小笠PA(上り) → 18:10日本坂PA(上り) → 18:30静岡駅北口着・解散

※途中乗車希望の方は希望場所(赤い表示)を明記してください

 

☆見学地概要説明

①鍬塚城

 設楽町東納庫(ひがしなぐら)字城山(じょうざん)。名倉高原の南端に近い山上にある。比高は100mほどである。ただし、南麓を流れるタコウズ川からは300mにもなり、しかも南・東・北は断崖といってもよいほどの急斜面である。尾根に続く西側を、切岸を設けた主曲輪を横堀状の腰曲輪が防御する堅固な山城である。名倉奥平氏の城とされ、奥平喜八郎・戸田加賀守の居城と伝えられるが、これは同一人物である。また、武田氏に攻められて落城、喜八郎と奥方が討ち死にしたとの伝承があるが、実際には喜八郎は戦国を生き延び尾張徳川家の家臣となっている。

②寺脇城

 設楽町東納庫字軒山に所在する。比高は20mほどである。民家の裏にあるが遺構はよく残っている。全体は150m四方ほどの規模である。東西60m、南北50mほどの本曲輪を大きな土塁と堀が囲んでおり、その周囲に曲輪が設けられている。作手奥平氏の亀山城との類似を指摘する見解もある。居館的な性格をもち、背後の城ケ峰には詰城と考えられる浜城がある。城主は後藤弾正とされるが、疑わしい。その規模から名倉奥平氏の本拠としてよいであろう。なお、西納庫にも奥平氏の屋敷と伝えられる遺構がある。

③清水城

 名倉川の右岸、西納庫の清水集落北部の丘陵先端部に立地し、比高は20mと低い山であるが北側は急崖、南斜面には横堀をめぐらせる要害となっている。元亀2年の武田氏による三河侵攻時、田峯菅原氏はその軍門に降っており清水城もその支配下に入るが、天正3年の長篠合戦を境に徳川氏の城となる。

④田峯城(蛇頭城・龍ヶ城)

 設楽町田峯字城にある。長篠菅沼氏・作手奥平氏とともに山家三方衆と呼ばれた田峯菅沼氏の居城として知られる。比高は30mほどであるが、田峯集落そのものが寒狭川から約150m登った山腹にあるため、集落を含めて要害である。今川・徳川・武田の間で揺れ動き、凄惨な一族間の抗争の伝説を残す。東西250m、南北200mほどの規模とされ、堀切は少なく、ほぼ切岸によって曲輪を造成している。切岸は高い。平成5年に御殿・門・厩・櫓などが建てられた。落城伝説にかかわる「道善畑」・「首塚」などがあり、歴史的な環境を残す。

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「勝間田城趾見学会」が開催されます

2022-03-28 05:38:31 | 現地説明会情報・参加報告(静岡県内)

来たる4月3日(日)13時より、勝間田区絆づくり事業(牧之原市社会教育課)主催で「勝間田城趾見学会」が開催され、当会会員の小城小次郎(佐藤友男)氏と不肖 私望月が城跡のご案内をさせていただきます。

現在静岡県指定史跡となっている勝間田城は「続々日本百名城」入りを目指しており、牧之原市及び地元の方々によって整備が進められています。以前と比べると草が刈り払われているなど、遺構が見やすくなっています。特に北東部の二重堀切と、南東部の五重堀切は必見です。その他曲輪などもきれいになっており、東尾根曲輪からは晴れた日であれば、富士山静岡空港の向こうに富士山が見えます。

見学会は参加無料、事前申し込み不要で、参加希望の方は下のチラシにあるように、13時に勝間田城下の第1駐車場に集合してください。

多数の皆様のご参加をお待ちしております。

 

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第5回城巡りウォーキング(韮山城天ヶ岳砦・土手和田砦)のご案内

2022-03-05 00:33:17 | 見学会のお知らせ

3ヵ月ぶり&2022年初の投稿となってしまいました。本年もよろしくお願いいたします。

コロナ禍も3年目に突入し、当会でも思うように見学会等のイベントが開催できない日々が続いております。

去る1月16日には何とか現地集合・解散型の城巡りウォーキング「森町の城2 天方の城」を実施しましたが、3月・4月に予定していた見学会は下記のような状況で、当初の計画を変更せざるを得なくなりました。

先ず、3月20日(日)に予定していた「設楽町名倉の城砦群」の見学会ですが、コロナ禍でいまだ「蔓延防止等重点措置」が解除にならないということと、当日見学地近くの愛知県新城市において自動車レース「新城ラリー2022」が開催され、交通規制や渋滞が予想されるため、開催延期が妥当と判断いたしました。

次に4月16日・17日(土・日)に予定していた1泊見学会「湖北・若狭の城」については、宿泊先に予定していた福井県敦賀市のホテルがコロナ禍により一般の団体の予約を受け入れられない状況(軽症者の療養施設になる可能性もあるため)ということで、今年度については実施を見合わせざるを得ないという判断に至りました。

つきましては、「設楽町名倉の城砦群」を4月17日(日)に延期し、「湖北・若狭の城」は中止(次年度以降に実施の可能性あり)とし、3月20日(日)には急きょ、現地集合・解散型の第5回城巡りウォーキング「韮山城天ヶ岳周辺をめぐる-天ヶ岳砦・土手和田砦-」を開催したいと思います。

3月の第5回城巡りウォーキングについては下記の要領で開催させていただきますので(非会員の方の参加も可)、参加を希望される方は、当会事務局長の望月 徹 宛てにメール(アドレス s-kojouken@outlook.com)で氏名・住所・連絡先(できれば携帯電話)をお知らせください。

○実施日  令和4年(2022)3月20日(日)

○見学地  韮山城天ヶ岳砦(遺構群)、土手和田砦(遺構群)(伊豆の国市)

○担当者  望月保宏・望月 徹(緊急連絡先:090-7025-1039 望月事務局長携帯電話)

○参加費  会員1,000円(資料代)、非会員2,000円(資料代・保険代)

○日程(予定)

   9:30      江川邸駐車場集合(伊豆箱根鉄道韮山駅より徒歩約20分、路線バスあり)

   9:40~13:30  天ヶ岳砦(遺構群)見学(途中 昼食)

  14:30~15:30  土手和田砦(遺構群)見学

  16:00      江川邸駐車場着、解散

  *雨天・悪天候(積雪等)の場合は見学地・コースを変更することがあります。

○脚力レベル ★★★★★(5/5) *健脚向け、トレッキングシューズ必須(急斜面、危険箇所多数。過去に滑落死者あり。)

                   登山用ロープのある方はご持参ください。

○申込み  メール(アドレス s-kojouken@outlook.com)でお申込みください

      締切日:3月16日(水)

※集合地にて検温を行い、37.5℃以上の発熱のある方は参加をご遠慮いただきます

(見学地概要)

【天ヶ岳砦(遺構群)】

韮山城本城(龍城山)の南にそびえる山が天ヶ岳で、同山は全体に細尾根で切り立っており、標高128.7mの山頂を中心に北東・南東・南西・北西の四方に尾根が延びている。天ヶ岳砦(遺構群)はこの山頂を主郭として四方の尾根に堀切を施す構造が中心となっている。

主郭は中央部西側に土塁を設け、北・東・南の3ヵ所に虎口が認められる。堀切群は規模の小さな堀切と岩盤を削って堀障子を伴った遮断性の強い堀切に大別される。基本的に南東方向は連続堀切まで、北東及び南西方向はさらにその先に遮断の堀切を普請し、広義の砦の範囲とする二重の構造を呈している。

なお、南東方向の尾根中腹~先端部にかけて尾根筋に沿い竪土塁が走っており、同遺構は小田原合戦における韮山城攻防戦の際の豊臣軍側の仕寄りではないかという説もある。

【土手和田砦(遺構群)】

 本城からおおよそ南方向、天ヶ岳砦からは南西に続く尾根の先端に位置する。最高所を主郭とし、北に向けて階段状に小さな曲輪を連ねて、通路を北側山麓に下ろしている。主郭の南側から東側にかけて横堀をめぐらし、横堀の東側先端から竪堀が下っている。横堀は岩盤を削り込んだ障子堀となっており、天ヶ岳砦や江川砦の堀切と共通する特徴がみられる。

 平成31年(2019)には主郭及び横堀の一部が発掘調査され、主郭が後世の畑地開発で改変を受けていることや、障子堀の詳細な規模等が明らかとなった。

 

 

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