静岡古城研究会会長:もっちーのブログ

静岡古城研究会会長:望月のブログです。主に静岡県内の中世城郭関係の情報を発信します。※当ブログはリンクフリーです。

第12回考古学と中世史シンポジウム「木の中世」に参加しました

2014-07-06 21:54:20 | 報告、その他お知らせ

7月5・6日(土・日)、山梨県笛吹市の帝京大学文化財研究所で、第12回考古学と中世史シンポジウム「木の中世」が開催され、参加してきました。

木材資源は中世のみならず、近代以前の日本人が最も多く使ってきた資源で、権力者や寺社などが木材資源の管理に力を入れてきた時代もありました。

同シンポジウムは、中世の「木」について、資源としての木材や遺跡から出土する木製品、中世の文献から見た樹木・竹木など、考古学・文献史学双方の立場から様々な視点での発表がありました。

その中で共通の話題になったのが、鎌倉後期(13世紀後半)から南北朝時代にかけて、植生の変化や、人々の樹木に対する考えの変化、武家・公家の木材資源の所有・管理に関する権益の在り方などに変化が起こっているということでした。

現在の中世史研究では、一般的に中世の前期・後期の境目を鎌倉-南北朝時代の間に設定していますが、木の利用や管理に関しても、同じ時期に変化の画期があるようです。

鎌倉後期~南北朝時代というと、城郭の歴史では、本格的な山城が出現してくる時期にあたります。山城でも当然相当量の木材を使用する訳で、ひょっとするとこの変化は、城館の在り方の変化ともリンクしてくる可能性があります。

今回のシンポジウムでは、そんな、城館に関する話はあまり出てきませんでしたが、大変勉強になりました。

 

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