静岡古城研究会会長:もっちーのブログ

静岡古城研究会会長:望月のブログです。主に静岡県内の中世城郭関係の情報を発信します。※当ブログはリンクフリーです。

葛山館(裾野市)の土塁上に彼岸花が咲きました

2024-10-04 21:38:05 | 報告、その他お知らせ

少し前になりますが、9月末に裾野市の葛山氏の館跡に行ってきました。

ここはいつもお彼岸の頃(9月20日前後)になると、土塁の法面上に彼岸花(曼殊沙華)が群生して咲いているのが見られるのですが、今年は例年に比べ10日ほど遅れてようやく彼岸花が咲き始めました。

   

やはり猛暑の影響でしょうか!? 最近やっと朝晩涼しくなってきて、例年の「秋の彼岸」の気候に近づいてきたため、開花してきたのでしょう。

ーといっても昼はまだまだ暑いですが、この彼岸花の開花は我々にとって「山城シーズン」の到来を告げるものだと思います。

私もいよいよ「始動」したいと思います。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第271回見学会「足助城とその周辺をたずねて」を開催しました

2023-01-17 01:12:47 | 報告、その他お知らせ

遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

さて、当会では昨年末の告知のとおり、令和5年(2023)1月15日(日)、第271回見学会「足助城とその周辺をたずねて」を開催いたしました。

当日の参加者は19人。8:00に静岡駅北口に集合し、途中小笠PA、三方原PAで西部方面の参加者をピックアップして、東名高速道路→東海環状自動車道を経由して、豊田市の足助方面に向かいました。

先ず最初の訪城地は城山城。同城は20年ほど前に国道バイパス建設に伴い発掘調査が行われており、堀切、横堀、掘立柱建物跡などが検出されていますが現在埋め戻されており、藪がひどい所も相当あり、見学はなかなか困難な状態でした。それでも堀切の跡や虎口の跡などの遺構が観察でき、16世紀前半以前の遺構の上に16世紀後半の改修の跡がみられる興味深いものでした。

   

次に、紅葉のシーズンにはごった返す(当日は人もまばらでしたが)香嵐渓にバスを止め、麓で昼食をとった後、香積寺を経由して飯盛山城(飯盛城)を目指しました。城跡に向かう途中の山の中腹には、足助鈴木氏五代の墓、「装束塚」などの石塔の類があり、いずれもその形状から15~16世紀頃の室町~戦国期のものと思われました。山を登ること約10分で山頂のⅠ郭(本曲輪)に着き、かなり古い様相を示す周辺遺構を観察することができました。足助鈴木氏の居館跡と考えられる香積寺とセットになった、同氏の「詰めの城」とも考えられる山城でした。なお、山頂のⅠ郭からは、写真のように足助城を望むことができました。

       

そして当日最後の訪城地は足助城(真弓山城)。同城は30年ほど前に発掘調査の成果をもとに建物や柵、塀などを復元しており、戦国時代の山城のイメージを視覚的に認めることができます。しかし、(安全上の配慮と思われますが)周辺に柵やネットが張り巡らされて西側の遺構群が観察できない状態になっており、その点が少し残念でした。

      

こうして3城の見学を終えましたが、終了後雨が降ってきて辛うじて「雨中の見学会」とはなりませんでした。これも参加者の皆さんの日頃の心掛けが良いからだと思います。

なお、足助周辺には今回訪城した3城の他に興味深い城跡が幾つかあり、いつか「パートⅡ」をやっても良いのではないかと思いました。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『静岡県の城跡 中世城郭縄張図集成(西部・遠江国版)』の刊行費のご支援ありがとうございました

2022-06-01 09:08:26 | 報告、その他お知らせ

先日、当会から7月発行予定の『静岡県の城跡 中世城郭縄張図集成(西部・遠江国版)』の刊行に際し、有志の皆様からのご寄付をお願いしましたが、昨日(5/31)締め切らせていただきました。

その結果、昨日まで80名以上の方から目標金額を超える約120万円のご寄付をいただきました。皆様のご厚意に厚く御礼申し上げます。お陰様で予定どおり7月に刊行できることとなりました。

ご寄付をいただいた皆様には、お約束のとおり巻末にご芳名を記載させていただき、1万円につき1冊を進呈させていただきます。

ただ、ご寄付をされた方の中で、ご氏名(漢字)、送り先の住所・連絡先が不明な方が2名いらっしゃいます(「ハバ」様、「ハセガワ」様というお名前です)。お心当たりのある方は、当会事務局のメール s-kojouken@outlook.com か、こちらのブログまでお返事をくださいますようよろしくお願いいたします。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

葛山かくれ城、大畑城を踏査しました

2020-11-15 23:09:27 | 報告、その他お知らせ

静岡古城研究会はコロナ禍の影響もあり、しばらく事業を休止していましたが、11月15日(日)、事業再開の第1弾として新企画「山城踏査」を実施しました。

第1回目の目的地は裾野市にある葛山かくれ城(葛山古城)と大畑城でした。

参加者は会員13名と、地元の事情通の方1名の計14名。9:30に葛山城下の仙年寺前の駐車場に集合し、先ずそこから歩いて葛山かくれ城を目指しました。

麓の登り口まで歩くこと約40分。そこから山道 時々 道なき道を登って30分ほどで城域の南東部にたどり着きました。同城は遺構が江戸時代宝永期の噴火の際の火山灰にかなり埋もれているようで、堀切などは今一つはっきりしない所が多かったのですが、それでも切岸あり、横堀や虎口らしき遺構や土塁もあり、なかなか面白い遺構のある城でした。記録や考古学的な年代の裏付けなども一切なく築城年代や城主などは不明と言わざるを得ませんが、最終形態は、一説には永禄12年(1569)頃の北条氏と武田氏の抗争の際の「逃げ城」的なものではないかと思われます。

        

次なる目的地は大畑城。近くの裾野中央公園の駐車場まで移動しそこに車を止め、歩いて15分ほどで城の南側の一角に到着しました。

城の南側の麓一帯は「殿屋敷」といい、西側に土塁の一部が残っています。また城の南側麓部分には横堀と土塁が残存しており、城と居館の関係性を考える上で重要な遺構となっています。

城山の尾根部分には程なく着き、しばらく北西に向けて歩くと幅8mほどの堀切があり、そこを抜けると虎口部分があり、「二の曲輪」といってもいい土塁を伴う平坦部に入ります。その西側部分の細い通路を北側に進むと複雑な折れをもつ技巧的な虎口があり、その複雑な虎口の通路を抜けると西側に土塁を伴う主郭(本曲輪)に入ります。

これらの主要部の北側には幅15mほどの大堀切が存在します。この大堀切は下からも地形の変化が確認できるほどの大規模なものです。

以上のように大畑城は、築城主体や築城年代が全く不明ですが、コンパクトながらも導入・遮断部分にかなりの技巧性が認められ、非常に興味深い城郭遺構です。ただ、惜しむらくは写真で見てもわかるように城の主要部分の藪の繁茂がひどく、一般の見学には向かない「残念な城」です…。

      

以上、2城の踏査会でしたが、参加者一行は久々に歩く険しい山中や藪の中をものともせず、全員無事元気に2城の見学を終えました。皆さん十分満足してくださったようでした。

コロナ禍の収束がいまだ見込めない中、当会では当面バス移動による「密」を避けて、現地集合・現地解散を基本とする今回のような「山城踏査」(基本的に会員限定・健脚向け)と、今後予定している「城めぐりウォーキング」(会員外の一般の方も含めた比較的歩きやすい城の見学会)を行っていきたいと考えています。「城めぐりウォーキング」については、このブログでも事前にお知らせしたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山中城・諏訪原城に行ってきました

2020-08-13 06:26:31 | 報告、その他お知らせ

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により3月から「自粛生活」を余儀なくされた関係でどこにも行けなくなってしまい、半年ぶりの投稿になってしまいました。すみません・・・。

気が付けば梅雨も明け、ここ数年「恒例」となっている猛暑に加え新型コロナウイルスの感染拡大は全く収まる気配はなく、外出するのもままならないという状況が続いています。

そんな中、近場の整備された城ならいいだろう、ということで、8月9日、三島市の山中城に行ってきました。山中城では今月いっぱい、昨年クラウドファンディングに協力した方々の名前を記した「のぼり」が城内の各所に立てられています。ちなみに私の名前が書かれたのぼりも、西ノ丸の出入口近くに立てられていました。なお、昨年の台風による土砂の崩落個所はまだそのままになっており、台風シーズンに突入する前に何らかの対応をしてもらいたいと思いました。

        

 

翌日は、少し足を伸ばして島田市の諏訪原城に行きました。同城には昨年ビジターセンターが新設されており、島田工業高校の生徒によって制作された模型をはじめ、発掘調査で出土した鉄砲玉をはじめとする遺物や解説のパネルなどが展示されており、城内を散策する前に是非訪問をお勧めしたい施設となっています。城内は夏場ということもあり少し草が生い茂っていましたが、それでも昔の一見うっそうとした森だった頃と比べると格段に整備されており、遺構もわかりやすくなっています。訪城した当日は、夏には珍しく雲の間に富士山が見えていました。

        

新型コロナウイルスの感染を防止するため「3密」を避けマスクも手放せない昨今ですが、このような城跡なら野外で「密」にもならず、周りに人がいなければマスクをしなくても大丈夫です。しかも、山中城・諏訪原城とも結構風が通り、思ったより気持ちよく城跡を散策することができます。山城歩きの「シーズン」到来まであと数ヵ月、新型コロナウイルスの感染拡大が収まるのを祈りつつ、整備された城を歩いて健全に過ごしたいものです。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする