静岡古城研究会会長:もっちーのブログ

静岡古城研究会会長:望月のブログです。主に静岡県内の中世城郭関係の情報を発信します。※当ブログはリンクフリーです。

つくば市主催のシンポジウム「小田氏と小田城」に参加してきました

2016-09-24 18:52:58 | 県外の城郭の情報

9月24日(土)、茨城県つくば市の小田城跡歴史ひろばの開園を記念して、シンポジウム「小田氏と小田城」が開催され、少々遠方ではありましたが行ってきました。 シンポジウムは午後からでしたので、少し早めに行き、小田城跡歴史ひろばも午前中に見学しました。

小田城の現地は、一昨年発掘調査の最中に訪れたことがありますが、整備のほぼ完成した状態及び案内所を見学するのは初めてでした。城跡は前回整備されていなかった所まで整備が行き届き、案内所もコンパクトながら小田氏と小田城の歴史がよくわかる良い施設に仕上がっていました。

   

午後のシンポジウムは、つくば市教育局の広瀬氏の報告「小田城の発掘調査と復元整備」から始まり、茨城大学の内山俊身氏による講演「小田城と地域社会」、京都造形芸術大学の仲隆裕氏による講演「戦国大名の居館と園池」の2本の講演の後、国立歴史民俗博物館の小野正敏氏の司会で、報告・講演を行った3氏に江戸東京博物館の齋藤慎一氏、つくば市文化財保護審議会委員の中村幸雄氏・橋本喜美子氏をパネリストに加えてシンポジウムが行われました。

時間の都合でシンポジウム(討論会)の時間が大変短く、その点はもったいない気がしましたが、その前の報告・講演は小田城の遺構・遺物や小田氏の歴史について大変興味深い話が聴けました。

小田城跡の発掘調査については「歴史ひろば」が開園してこれで完了、というのではなく、今後も未整備区域を中心に調査が進められていく、とのことですので、今後の更なる調査の進展が期待される城跡です。


織豊期城郭研究会小田原大会に参加しました

2016-09-18 08:19:39 | 報告、その他お知らせ

9月10・11日(土・日)の両日、小田原市で織豊期城郭研究会の大会が開催され、参加してきました。

初日の10日は現地見学会で、石垣山一夜城と早川石丁場、そしてオプションでリニューアルされた小田原城天守閣を見学しました。石垣山一夜城は、今まで何度となく訪れていますが、小田原市の職員の方の案内でじっくりと見て回ると新たな発見があり、大変勉強になりました。発掘された石丁場の保存、展示の状況、リニューアルされた小田原城天守閣の展示も見応えがありました。

2日目の11日は国際医療福祉大学小田原キャンパスで、シンポジウム「織豊系城郭の石垣上礎石建物」が行われました。「織豊系城郭」の3点セットの一つである礎石建物の石垣上の建造状況について、各地の類例が発表された後、討論会が行われ、懸け造りの建物についても話題となりました。なかなか専門的な内容でしたが、天端いっぱいに礎石建物を建てるのが織豊系城郭の大きな特徴の一つという認識は確認できました。

なお、古城研究会の書籍も販売会場で販売しましたが、売れ行きは今一つでした。ーともあれ、お買い上げいただいた皆様、どうもありがとうございました。

     


深沢城攻めの陣城の遺構か⁉︎

2016-09-18 07:29:47 | 報告、その他お知らせ

もう1ヶ月近く前の話になってしまいますが、8月下旬、古城研究会の会員であるHさんが、御殿場市で深沢城攻めの陣城ではないかという遺構を発見したというので、Hさんの案内で、同じく会員のMさんも同行して確認しに行きました。

現地に案内していただくと、確かに土塁に囲まれた、一辺が20m余りのやや形の崩れた方形状の遺構が確かにありました。Hさんの案内で更に北側に進むと、円丘の上に凹みのある遺構が存在していました。

また、以前Mさんが発見した、土塁状遺構にも案内していただきました。これも陣城遺構の一部でいいのではないかと思います。

以上、案内していただいた遺構は、私見では以前私が確認した大雲院周辺と同じく、深沢城の攻防に関連する遺構でよいのではないかと思いますが、今後他地域の類例等も調べつつ、涼しくなったら現地の簡易測量等も行って、遺構の性格を考えてみようと思います。