以前、この欄でもご紹介したSさん。
結婚4年目で多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と高プロラクチン血症があり、1年半排卵誘発剤+タイミング・人工授精をするも妊娠せず、体外受精を勧められていました。PCOSは卵胞の育ちが悪く、無排卵や稀発月経などを伴うため、大変厄介な疾患です。
「出来れば自然に授かりたい」とのご希望で、少し時間はかかったものの周期調節法により自然妊娠。一昨年の春に男の子を出産されました。
妊娠前は極度の冷え性で、低血圧や立ちくらみがあって疲れやすい、便秘も酷いなどさまざまな不調がありましたが、漢方ですっかり改善。妊娠中~産後も身体のために婦宝当帰膠の服用を続けられました。その結果、おっぱいもたくさん出るし、お子さんも病気知らずで母子ともに健康そのもの。産後1年ほどで生理がまた来るようになりました。「しばらくはこの子をのんびり育てます。」と第二子妊娠に対しては気負いもなく、基礎体温だけ再度計測をし始めました。
妊娠前は不安定だった排卵も、排卵期特有のおりものもしっかりみられ、ちょうどいい時期に排卵するようになっていました。ただ、スムーズに排卵できていなかったため、排卵期に気血の働きを良くする冠元顆粒と逍遥丸を足すことをお勧めしました。
すると、次の周期(生理が戻って半年弱)になんと自然妊娠!「1人目はあんなに苦労したのに、信じられない思いです。」と驚きながらご報告頂きました。
産後、気血の消耗が戻らなかったり、養生が悪いと第二子不妊の原因にもなりますが、しっかり漢方薬を飲んで養生された結果のご懐妊です。
R君ももうすぐお兄ちゃん。よかったですね、Sさん。
ながさきプレス 2011、3月号掲載