10月10~15日まで、毎年恒例の中国・不妊症研修へ。
今年は2年ぶりに南京中医薬大学附属病院での研修でした。
周期調節法を確立された不妊症の大家・夏桂成先生は、御年80才。
ご高齢のため診察は今年で最後とのことで、先生の言葉を一言一句聞き逃さぬように臨床に、講義に耳を傾けました。
生理の日数を3日・5日・7日タイプに分類。排卵期特有の透明なオリモノも同じ日数続くとして、そのリズムを基準に考える「3・5・7律」を考案された夏先生。
3日の人は太陽経(頭痛や関節)に、5日の人は陽明経(胃腸)に、7日の人は少陽経(肝胆)にトラブルを起こしやすいので、薬を考える時には注意が必要。
イライラや夜更かし、睡眠時間が短い・眠りが浅い・多夢などは「心火」=頭部に熱を持っているのが原因で、その「心火」の熱が腎(生殖器系)を損ない、卵胞の発育を阻害すると考えます。
赤ちゃんを望みながらもなかなか授からない人は、周囲の何気ない言葉やプレッシャーに傷ついたり、身近な人の妊娠で心が焦ったり…。かえって質の良い卵が出来なくなります。「いい卵胞をつくるためには『心の安定』を図ること。10時までには寝ること。」を強調されていました。
南京研修は6度目ですが、夏先生も毎日の臨床の中から試行錯誤し、毎回周期調節法が進化していることに驚かされます。
午後からは今回初参加された不妊症カウンセリング学会の前理事長で私たちの顧問である聖路加国際病院産婦人科前部長・佐藤孝道先生の「着床障害と習慣性流産」と題した講演がありました。
南京中医薬大学の医学生が多数聴講に訪れ、西洋医学と中医学の交流を持ちました。