黒坂黒太郎コカリナブログ

黒坂黒太郎のコカリナコンサート活動、東日本大震災被災地支援活動など

アイルランド報告 その2

2014-07-26 15:53:13 | 情報
カイルモア修道院のコンサート終了後、僕と周美、そして山下直子さんはブレンダンさんのご自宅に招待していただきました。本当は皆で行きたかったのですが、ブレンダンさんの住む村までの道は、道幅が狭く、バスが通れないとのこと。実際行ってみると、本当に、乗用車が一台やっと通れるだけの道でした。どこまでも草原の山が続く風景の中、ブレンダンさんが運転、コンサートの感想、音楽の話、日本の被災地の話をしながらのドライブでした。周美は「あなたは本当に美しい声だ」と褒めてもらい有頂天でした。彼女はあまり嬉しくて後部座席から「私もブレンダンさん愛している」と叫んだのですが、直子さんが「それは誤解を生むから訳しません」と英語にしてくれませんでした。ブレンダンさんは「彼女は何を行っているのだ?」としきりに聞いていました。
ブレンダンさんの自宅は、山奥の、そのまた奥。集落には家が3,4軒しかない。なにやら奥さんがネイティブアイリッシュ(アイルランドの原住民でアイルランド語という全く違った言語を持つ)で奥さんが育った村に住むことにしたのだそうです。石作りの素朴な家。「ユー・レイズ・ミー・アップ」は全世界800種類のCDや楽譜になりその印税だけでも莫大なものであろうに、暮らしぶりはなんとも質素。到着するとブレンダンさんは、「アイルランドでは本当に信頼する人には裏口から入ってもらうのだ」と玄関でなく、キッチンに続く勝手口から家に案内してくれました。そのキッチンでティータイム。ブレンダンさんは奥さんが留守なことを謝りながら、美味しい紅茶とアイルランドで最も美味しいと言われる「ミカド」というお菓子を出してくれました。この名前の由来は日本語の帝(ミカド)にあるらしいとのこと。ティータイムの後は、ブレンダンさんの仕事場で、ブレンダンさんのピアノに合わせて「涙と希望の島(村)」や「ユー・レイズ・ミアー・アップ」を歌いました。そのピアノたるや日本のカワイ製。しかも日本で幼稚園の子が弾くような、背の低い小さなアップライト。ブレンダンさん曰く「Good sound.! My favorite piano (お気に入りピアノ)」と。このピアノから数々の名曲が生み出されたのか、と思うとなんとも不思議な感じがしました。そして帰り際、宝物のように壁に掛けていた「Isle of hope , Isle of tears」(涙と希望の島)の詞が書かれた石盤をヒョイと取ると「これをあなたにあげよう」と差し出す。僕は「いえいえ、こんな貴重なモノは受け取れない」と断るのですが、どうして持って行けとひきさがらない。そして「私はもうひとつ作る。そしたら世界に二つしかないことになる」と。その言葉に甘えて有り難く頂戴して来て、いま我が家の壁に掛かっています。
 帰国後、ブレンダンさんから長文のメールをいただきました。「そこには私も貴方や周美、コカリナアンサンブルの皆さんにお会いでき本当に楽しい時間でした「ユー・レイズ・ミアー・アップ」の日本ででている楽譜が欲しい。いつかまだ見ぬ日本に行きたい」と書かれていました。
 写真は
 上 ブレンダンさんの家に向かう道で
 下 ブレンダさんのピアノと共に。 持っているのは、アメリカ移民第1号アニー・ムーアの像



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