
1か月だけ、J-SPORTSを契約して、南半球の代表チームのラグビーを見てきました。その5戦目の、南アフリカ対豪州のビデオを見ていました。両チームとも世界的に知られた強豪ですが、この試合を見たことが逆に世界一のNZの強さを改めて確認するきっかけになりました。NZの強さを語る際に、キックパスや相手の頭上を浮き球で抜くパスなどを挙げていましたが、南アフリカも豪州もそういうプレーができる能力は持っています。
もっとも、そういう難しいプレーは成功して初めて価値を持ってきます。南アフリカが、豪州を押し込んでトライ目前になったプレーで、その「難しすぎるプレー」が仇になります。南アフリカがトライを狙おうと、無理に浮き球で「一人飛ばす」パスを狙ったところ、これをバックスがキャッチできず、トライが取れるはずだったプレーが、アドバンテージで流されたペナルティになり、PGで3点こそ得たもののトライ+ゴールの7点から目減りしてしまいました。
豪州も、キックパスを通せなかったプレーもあります。また、後半はビハインドを追った豪州がボールを支配し、SHのゲニアが出すボールこそ安定していたものの、その後の突破がことごとく南アフリカDFに止められました。しかも、南アフリカのウイングの11番が、プロフェッショナルファウルでシンビンになり、最後の10分間一人多い状態ながら、その優位性を生かせなかった試合運びのまずさも感じます。
また、豪州で気になったのは、ライン参加したFWのノックオンです。NZが強いと言われるのは、SHのAスミスがラックに巻き込まれていても同様のボールが出せることが挙げられます。つまり、背番号が何番であろうと、バックス並みのつなぎはできるということです。そういうところは、豪州ではリザーブのFWにまで同質のプレーができなかったことも感じます。
それでも、さすが世界最高峰のラグビーだけに、身体能力の高さはさすがでした。試合は南アフリカが23-12で勝ったのですが、いきなり南アフリカが豪州の自陣のパス回しを11番のウイングがカットして倒れ込むだけでトライという、驚くべきプレーも出ています。そういう、身体能力を発揮しあう勝負なら、南アフリカが一歩上だった印象は受けます。
この、ラグビーのビデオ観戦で、スーパーラグビーで来日してくるメンバーが、本当の世界トップレベルということにも気付きました。サッカーで言えば欧州CLが来るようなものと感じた、私の直感は間違っていませんでした。願わくばサンウルブズがもっといい戦いをして欲しいですが、楽しかった1か月間のラグビーのビデオ観戦でした。