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Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

澤穂希さんの思い出

2016-01-01 20:59:48 | レディース
澤穂希選手の思い出は数知れません。生では2005年なでしこジャパン豪州戦(西が丘)、2007年なでしこジャパンメキシコ戦(国立)、2008年浦和対日テレ(駒場)、2013年INAC対新潟(Nack5)の4度しか見ていませんが、印象深い選手でした。

澤は、試合中はそんなに走る方ではないですが、ここぞのところで出せるスプリント力は37歳の今でもトップクラスだと感じています。ミスをしても自分で回収でき、ピンチになりそうになったら立ちふさがってパスを出させないなど、スタンドで見ていると地味ですが楽しい選手です。

そんな澤ですが、最も優れている点はセットプレーのターゲットとしての強さです。本人は謙遜して「自分はそんなに足は速くないですよ」と語りますが、先ほど書いた通りのスプリント力をどこで出すべきかは熟知しています。相手を出し抜くタイミングの妙と、セットプレーを供給してくれる、宮間のキックの精度が効いて、大事なときに大事な得点を決めていました。

それが効いて、澤はなでしこジャパンでもなでしこリーグでも最多得点記録をMFながら持っています。両方とも、今後更新は難しいと思えるダントツの高いレベルの記録です。これだけ結果を残していれば、キッカーの方が澤を信頼して、澤さんに合わせておこうとボールを蹴ってくるようになるのも、得点量産の理由と思います。現役最後のゴールになった、皇后杯決勝のゴールは、キッカーの川澄が「澤さんめがけて蹴った」と証言しています。

また、若い頃はトップ下、ベテランになってからはボランチとして出番を得ますが、どちらでも明確な長所がありました。トップ下のときはパスを出した後のゴール前に詰める動きが秀逸でした。MFながら高い得点力を誇っていたのは、出したまま終わりではなく、セカンドストライカーとして飛び出していけるからだと、当時の試合で感じていました。

ボランチのときは、確実にボールをさばく安定感と、体を張れる強さを持っていました。男子並みに、後ろからゲームを組み立てることでなでしこジャパンを世界に通用するチームにしたいという意図に思えた、佐々木監督の狙いを実現できたのが澤でした。そんな高い能力を持っていた選手を、生で何度か見られたことは、私のサッカー観戦歴にとって大きな財産だったと思います。
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前からプレスに来た新潟(12/27INAC対新潟)

2015-12-27 17:27:59 | レディース
今日は皇后杯決勝、INAC対新潟レディースの試合をテレビ観戦しました。この試合は、日本女子サッカーのレジェンド、澤穂希選手の現役最後の試合という理由で注目されていました。澤を中心に見る予定でしたが、相手の新潟の戦い方に惹かれたので、そっちを先に追ってみました。

私は2年前、さいたま市のNack5スタジアムで、同じカードの皇后杯決勝を見ています。当時、INACがボールを支配し、新潟は後ろの2ラインをコンパクトに保ってからの堅守速攻という対決でした。当時の新潟は外国人FW、ティファニーの決定力が頼りでしたが、今の新潟が様変わりしていたのに驚きました。

今の新潟は、前から積極的にプレスに行く、高い連動性を誇るチームになっていました。INACのポゼッションサッカーを利用して、高い位置から取ってのショートカウンターで積極的に攻めました。なでしこジャパンを数多く持つINACが、最初は新潟のプレスの前に安全第一で無理をしなかったほど、相手に圧力をかけていました。

新潟では、右SB左山選手のプレーが目を引きました。決定機になったシュートシーンに、ぎりぎり体を入れてクリアしたプレーもあり、攻撃参加にも意欲的で左SBの小島選手のヘディングシュートを引き出したクロスもありました。スターは不在でも、全員の力を結集して力以上のものを出そうとした新潟は、これからいいチームになっていくと思います。

もっとも、この試合は結果はINACが1-0の勝利でした。結末は劇的なもので、川澄の蹴ったCKを、引退する澤本人がヘディングシュートを決めた点が決勝点になったものです。確かに、澤はセットプレーの強さでここまでなでしこジャパンの最多得点という記録を作ってきたMFです。そんな澤が、大事な決勝戦で、これ以上ない形で自らの最後を飾ってみせたことには、感動を覚えました。

善戦した新潟ではありますが、CKの本数ではINAC8本、新潟1本と差をつけられました。その差が、こういう結果になったのでしょう。澤のことはあとでじっくり触れますが、楽しかったテレビ観戦でした。
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澤穂希の価値(12/23INAC対仙台)

2015-12-23 17:37:16 | レディース
今日は皇后杯の準決勝、INAC対ベガルタ仙台レディースをテレビ観戦しました。生観戦も検討しましたが、最高気温9度の寒さと雨模様の天気を判断してキャンセルしました。この試合は、女子サッカーのレジェンド、澤穂希選手の現役最後の大会という理由で注目されています。そのため、私も澤を中心に見ていました。

澤は、なでしこジャパン時代の佐々木監督にボランチにコンバートされ、今でもボランチです。テレビでは「よく走る」と言われていますが、実際は中島や川澄ほどは走っていません。ただ、危険察知能力とフリーになる位置の見分け方が卓越しており、ここへ行く必要があると判断すればダッシュで動ける能力を持っています。

また、仙台MFがプレスに来ても、澤の技術があれば「そんなものはプレスでない」と言わんばかりに、当たり前のように前線に正確なパスを配給しています。もともとはトップ下だった澤のボランチ起用は、男子並みに後ろからゲームを作れないと世界では戦えないという意図だったと思います。その改革は成功し、今や猶本(浦和)や川村(仙台)など、その域を目指している攻守両面のボランチが現れ始めています。

試合内容は、序盤は仙台がうまく戦っていたと思います。仙台はリーグ最多得点という触れ込みでしたが、INACの高いポゼッションを意識して、少し低いラインを引いてからの速攻で勝負してきました。昨年のチームから、中野、有町を補強してスピードのあるサッカーを目指し、川村がポスト直撃のシュートを放つなど互角の入りでした。

しかし、CKから高瀬が頭でつないだボールを大野が決めてINACが先制すると、仙台の堅守速攻のスタイルが出せなくなってきました。ポストプレーヤーを持っているわけではない仙台の場合、追い上げるオプションがこの日の試合を見る限りではわからなかった印象です。試合はINACの底力を強く感じた圧勝で、決勝進出を果たしました。

決勝はアルビレックス新潟レディースが相手です。新潟は以前の引いて守るスタイルでなく、高い位置からプレスに行くサッカーです。どんな試合になるか注目です。
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澤穂希、現役引退

2015-12-16 21:59:52 | レディース
オフネタを書こうとしていましたが、サッカー系ブログとしては優先順位トップのネタが来ました。それは女子サッカーのカリスマ、澤穂希選手の現役引退です。澤穂希といえば、2011年の女子W杯の優勝を牽引したキャプテンで、W杯得点王、MVP、FIFAバロンドール(世界最優秀選手)という、男子ではありえないような未知の領域を切り開いています。

そんな澤穂希ですが、私は女子サッカーが人気のなかった時代に孤軍奮闘した印象が強いです。澤穂希は早熟の天才で、13歳で読売ベレーザの大人のトップチーム入り、15歳で日本代表入りという、今後更新は不可能と思われる記録を作っています。

17歳で出場した1996年アトランタ五輪は3戦全敗で敗退しますが、澤の将来は前途洋々かに思えました。しかし、その後2000年のシドニー五輪の出場権を逃したことで、日本の女子サッカーは企業チームが相次いで撤退し、冬の時代を迎えます。澤のいた日テレはチーム自体は残ったものの、選手の待遇がアルバイトに切り下げられ苦しい時代でした。

澤は日本人初の女子プロを目指して単身渡米して、アメリカのプロリーグでプレーすることに成功します。いつか、自分の力で日本の女子サッカーを強くしたい、そんな思いだったと聞きます。転機になったのは、2004年アテネ五輪の予選、朝鮮民主主義人民共和国戦でした。当時、共和国は日本より強いチームでしたが、靭帯損傷を押してトップ下で出場した澤にけん引され、見事出場権を勝ち取り「なでしこジャパン」の愛称もつくことになります。

それから、女子サッカーをめぐる流れは変わりました。日テレも選手の待遇をアルバイトから正社員にしましたし、練習環境のいい浦和レッズレディース、岡山湯郷ベル、INACレオネッサなどの新興勢力もできました。あのとき、澤が欠場して共和国に敗れていれば、こんな劇的な変化はなかっただろうと、女子サッカーにとってのターニングポイントでした。

それからの活躍は皆さんご存知の通りです。以前、大儀見が半田悦子さんが持っていた女子代表史上2位の得点数を更新したと話題になっていましたが、ダントツのトップは澤です。大儀見が澤の記録を抜こうとするなら、これから今までの得点とほぼ同じ数を決めないといけないほどです。そんな偉大な澤も、ついにスパイクを置くときが来ました。ありがとうと言いたいです。
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堅守速攻を選択したアメリカ(7/6なでしこ対アメリカ)

2015-07-11 17:00:22 | レディース
今日、ようやくなでしこジャパンの決勝、アメリカ戦の2-5の惨敗を見ました。ラジオで戦況は聴いていたので、最初に4点を取られて試合を決められてしまったことは知っていましたが、映像を観るまではとゲームレポートは今日まで控えていました。

アメリカの戦い方を見ると、モーガン(13番)を1トップに置いた4-3-2-1でした。パスを回すなでしこに対抗するためには、堅守速攻がいいと判断して、なでしこ対策として取ってきた布陣です。この布陣の狙いは、このゲームでハットトリックを決めた、ボランチのロイド(10番)を「隠す」ものでした。

もともと、なでしこのサイドハーフを置く4-4-2は、相手のボランチにマークをつけにくい布陣です。前回のW杯決勝でボランチの澤に活躍されたリベンジのような格好になり、ロイドにはなかなかマークをつけにくくなでしこは苦労していました。特に、重要なのは1点目です。なでしこはアメリカの高さを警戒していましたが、わざとゴール前を混戦にしてバイタルエリアを空け、そこにロイドを走り込ませたCKは、たぶん練習でやっていた奇策だと思います。

アメリカは予想していた、オールコートプレスのような最初から飛ばすサッカーではありませんでしたが、結果的にサインプレーが成功してその後もCKと岩清水のミスで加点して、序盤を耐えればというなでしこのゲームプランは崩壊してしまいました。アメリカとの対戦成績は1勝6分け25敗という大差をつけられているので、今回はそれが表に出てしまったのでしょう。

また、なでしこは攻撃でも澤の投入まで形を作れませんでした。安藤の負傷離脱、大野と川澄は本来の出来でないと、なでしこが得意とするスピードからの攻撃はなかなか出せませんでした。岩渕がスタメンで行ければ使いたかったでしょうが、おそらく負傷からの回復が十分でなく、スタメンで行けるコンディションではなかったのでしょう。

決勝戦はスコア通りの完敗でしたが、それでも1次リーグの苦戦ぶりを見れば、よくここまで来られたとの思いです。日本の女子サッカーの土壌は思ったよりは強いと、自信を持ってこれからのなでしこリーグを含めた底辺からの強化を進めて欲しいと、今後の女子サッカーには期待しています。
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ポジショニング(宇津木瑠美)

2015-07-06 18:18:09 | レディース
今日のなでしこジャパンの決勝アメリカ戦は、少なくとも家に帰るまでは映像を見られないので、穴埋めネタを用意しておきます。今回のなでしこジャパンのメンバーで、海外メディアの評価が高いのがボランチの宇津木瑠美選手です。「400m走者のよう」と走力が評価されています。

宇津木は、フランスリーグのモンペリエでプレーする「海外組」です。今は、海外でプレーする女子選手の生活費20万円ほどを日本サッカー協会が補助してくれるようになったので、女子選手の海外進出が盛んになっています。宇津木は日本人女性にしては上背があり、アンカーの位置に置いても相手にフィジカルで潰されない強さを持っています。

日テレで試合に出るようになった当時は左SBでしたが、アンカーの宇津木も魅力的で、派手な上がりより堅実にいいポジショニングをしてボールを引き出すセンスが抜群です。また、フィジカルがあるので、相手アタッカーのドリブルを遅らせて最終ラインに時間的に余裕を与えることもできます。

もっとも、宇津木は前回の女子W杯では澤のボランチコンバートで割を食った選手でした。安定感の宇津木より、どこまでもボールを追いかけられる、闘犬のような阪口が澤のパートナーにふさわしいと佐々木監督に判断されました。

しかし、今回は澤が絶対的な存在ではなくなっていたので、阪口に攻撃に絡んで欲しいと判断したのが宇津木起用の理由でしょう。宇津木の良さは、引きの映像で試合を映しているときによく現れており、バイタルエリアにスペースがあって危ないなと思うと、大抵宇津木がベストの位置を陣取ります。

今日のなでしこの敗戦は本当に残念でした。早い時間で次々点を入れられるのは、パワーでなでしこを潰せるアメリカだからこそできた手でしょう。試合レポートは映像を見てから改めて書きますが、それでも世界の準優勝は誇れる結果です。胸を張ってこれからの選手生活に生かして欲しいです。
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奇跡的なオウンゴール(7/2なでしこ対イングランド)

2015-07-05 17:58:40 | レディース
明日の朝、なでしこジャパンは女子W杯決勝のアメリカ戦です。その前に見ておかないと感動が薄れるという理由で、今準決勝のイングランド戦のビデオを確認しました。イングランドは強い相手でした。映像を観ている限りでは、幸運なオウンゴールの決勝点で、なぜ勝てたかわからない試合という印象です。

イングランドは4-3-3の布陣で、中盤ではあまりつながずに縦に蹴ってきます。なでしこに比べると、その精度は高くない印象でしたが、それでもJスコット(8番)、ウイリアム(4番)ら170cm台を多く揃えるイングランドは、なでしこの感覚では届かないようなボールに足が届くという優れた特性を持っています。

なでしこが、この試合で勝負できる展開に持ち込んだのは、序盤を耐えられたからでした。イングランドのような、強さを持つチームはなでしこに対してはパワーで潰しに来ます。その圧力に屈して序盤で失点すると、そのまま逃げ切られてしまいますが、なでしこは序盤をゼロでしのいで、PKで先制点を得るところまではプラン通りの戦いでした。

しかし、シビアに見てしまうとこの日のなでしこの内容は良かったとは言えません。理由はなでしこのバイタルエリアの攻防戦で敗れ、この位置から何本も決定的なシュートを打たれたからです。最初のうちは、宇津木、阪口のダブルボランチが帰陣を早くして、CBの熊谷、岩清水と連携して数的優位を作ってボールを奪っていましたが、次第にパスミスやカウンターでバイタルエリアに侵入され、クロスバーに当たったミドルシュート、GK海堀のスーパーセーブなどに辛くも救ってもらった展開でした。

この試合で良かったのは岩淵です。不利な展開で、彼女の持つキレのあるドリブルはイングランドにも通用しており、その個人技で何度もチャンスを演出してくれました。一方的に押されるのは避けたいと、苦しい状態だったなでしこに、攻撃のチャンスをつくって流れを一時的にでも持ってきたのは大きなプレーでした。

最後は川澄のクロスを、イングランドDFの6番がまさかのクリアミスでオウンゴールとなりましたが、アメリカはたぶんこのイングランドの身体能力と高い技術を併せ持っているはずです。もし可能なら、岩淵をスタメンで起用して、最初からその個人技で勝負して欲しいと、そんな期待をしながらアメリカ戦を楽しみにしています。
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影武者から主役へ(阪口夢穂)

2015-07-04 21:17:53 | レディース
イングランド戦、なかなか映像を見る時間を確保できないので、なでしこジャパンの選手ネタで、ボランチの阪口夢穂選手を取り上げます。阪口は若手時代から有名だった攻撃的MFで、2007年当時は名門TASAKIペルーレで、19歳の若さで背番号10をつけていました。当時の彼女のポジションはサイドハーフでしたが、浦和戦の鴻巣陸上競技場で見た彼女はあまりにもポジションが低い位置で、「そんな後ろからどうやってゲームを作るつもりなんだ」と思うほどのポジショニングでした。

しかし、その答えは試合の中にありました。阪口の身体能力が女子では群を抜いて高かったからです。逆サイドから届きそうもないように思えたボールに、阪口だけは追いつける能力がありました。この能力は、澤のボランチコンバートに伴って、どこまでもボールを追いかけてくれそうな身体能力のある選手を探していた佐々木監督の目に留まりました。

澤と阪口のダブルボランチは2008年の北京五輪からです。当時、澤は攻撃力は高いものの、守備に帰る戻りの遅さが課題でした。それをカバーする阪口は、当時は荒削りでパスミスなどもありましたが、猛暑の中国で、失ったボールをどこまでも追いかけてくれる粘りは見ていて感動的でした。

しかし、この北京五輪の4位は、一見世界を驚かせた結果のようですが、選手たちは誰も満足していないようでした。もっと上を目指すと、澤と阪口のコンビを熟成させたなでしこジャパンは、2011年女子W杯で優勝という大きな結果を残します。このあたりになってくると、阪口も本来は攻撃的MFなので、時折攻撃力を発揮する場面も出てきます。

澤の陰の存在だった阪口ですが、今大会はコンビを組むボランチが、守備が強い宇津木になりました。宇津木をアンカーに残して、セットプレーなどで相手のマークを外すのがうまい阪口は、攻撃面で大きな貢献を見せるようになりました。当初の澤の影武者が、今は真の大将になれる可能性も持っており、次のW杯決勝戦でその一端が見られるといいなと思っています。
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女版小野伸二(宮間あや)

2015-07-04 11:10:00 | レディース
なでしこジャパンのイングランド戦は、帰宅後見るとして、穴埋めネタです。今のなでしこでは、澤は試合を落ち着かせるスーパーサブになっており、今のゲームメーカーは宮間あや選手です。宮間はなでしこではNo.1のテクニシャンで、左右両足でセットプレーを蹴れる優れた特徴を持っています。

宮間は150cm台と小柄な選手です。そのため、得意なポジションは中盤の前の方です。試合前の布陣図の説明では左のサイドハーフと書かれますが、ウイングのように縦に走るよりは、ゲームメーカーとして真ん中で持った方がいいプレーをします。

女子のサッカーは、GKの身体能力が男子とは差があるので、直接FKは大きなチャンスです。宮間はFKの名手なので「女俊輔」と呼ばれたこともありますが、プレースタイルは厳しいパスを出す中村俊輔より、味方を計算して出す小野伸二の方が似ています。

宮間は足元の技術がしっかりしているので、パスを出す前に一呼吸置けます。そこから、左右どちらの足でもいいパスが出せる優れた特徴を持っています。一度、皇后杯準決勝のNACK5スタジアムで見た当時の印象では、宮間に出せば一旦ボールが落ち着く印象でした。

宮間のゴールは多くがセットプレーです。なでしこの場合、意外にも澤がセットプレーを苦手にしているので、PKやFKは宮間が蹴ります。ロンドン五輪のカナダ戦で、宮間が珍しいヘディングシュートを決めていますが、相手の屈強なDFは怖かったようで、目を思わずつぶっていた写真が新聞に載っていました。

宮間は所属チームは岡山湯郷ベルです。湯郷は温泉町で、選手の中にはホテルのフロントに立っている選手もいますが、有名や宮間とGK福元の勤務先は「岡山県体育協会」でファンの前には出ない仕事です。それでも、湯郷は小さな町なので宮間は英雄で、多くのファンに囲まれることもあると聞きます。

今回大会は宮間はMVP候補で、また日本人のMVPが実現すれば奇跡的な快挙です。宮間選手の決勝での活躍を期待したいと思います。
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なでしこアメリカ戦プレビュー

2015-07-03 22:00:15 | レディース
まだ、イングランド戦のビデオを見ていませんが、日本時間月曜日の朝、なでしこジャパンは女子W杯の決勝戦のアメリカ戦を戦います。4年前の決勝戦も同じアメリカが相手で、当時の対戦成績は2分け25敗という、なでしこに勝ち目はないと思われていた成績でしたが、見事奇跡を起こして優勝したのは皆さんご存知の通りです。

今回、なでしこは、過去4年間で1勝2敗3分けと、以前ほど絶望的な差はつけられていません。前回のなでしこの優勝の前の女子サッカーは、縦パスやアーリークロスを入れて、個人技かスピードのあるFWが自分で何とかするサッカーが主流でした。その個人技の前に、対応できなかったのが、それまでの日本の敗北の歴史でした。

しかし、前回のなでしこの優勝は、パスとグループ戦術の大切さが世界に広まる、一つの契機になりました。それまで、力任せでなでしこに勝っていたアメリカが、オールコートプレスという全員の連動性が要求される難しいサッカーをあえて採用して、日本に勝ちに行った親善試合もありました。

なでしこに勝機があるとすれば、スピードも高さも相手が上なので、そのテンポの速いゲーム感に序盤で慣れておくことです。おそらく、最初は押され気味の展開からスタートするでしょうが、それを耐えて、相手が攻めきれなくなってくると、なでしこらしいパスが次第につながってきます。

キーパーソンは宮間です。彼女が全くボールが持てないとなでしこの勝利は難しく、できればバイタルエリアで彼女がボールを持つ展開にできればチャンスも生まれるでしょう。もちろん、楽観的な私も90分で完勝できるとは思っていません。延長でもPKでも、ぎりぎりまで戦ってくれれば、見る方としては満足できる試合になると思っています。
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