…と、ブログを書いた直後のことです。
私はお昼を作ろうとちょっと目を離しました。
するとその隙に
ガターン、ガタガタ!!
すごい音がして、リビングに飛び出していくと
はしごが倒れかけていました。
走っていったけど間に合わず、はしごから転げ落ちたお父さんは
またしても
ゴツーン!
頭を壁に打ち付けました。
ああもう!!
だから言ったのに!!!!
心の中で叫んで、走りよって安否確認。
心を落ち着けて、なるべく平静に。
「大丈夫?けがはない?」
「大丈夫だ」
頭をさすってすぐ立ち上がろうとします。
はしごが倒れた瞬間にとっさにつかんだブラインドは大きく折れ曲がり、
近くにあった鉢植えたちはひっくり返って床中土まみれ。
それをかき集めて片付けたり、曲がったブラインドをまっすぐなおそうとします。
うまくできなかったことを自分で認めたくないのです。
大丈夫だ、片付けなきゃ、と言うのをやっと止めて
座ってもらいました。
なにかぼーっとしているので不安ですが、とりあえず受け答えは
できるし、気分が悪かったりモノが2重にみえたり、ってことはないようです。
お昼も過ぎているのでお腹がすいているはずですが、
「食欲がない」
と頭を抱えています。先生が
「今度転んだら脳出血がおきて、こんな程度じゃ済まないから」
と言っていたので救急車を呼んだ方がいいのかなあ、と迷いましたが
(お父さんが問題起こすのはいつも日曜)
様子をみることにしました。
「もう、だから言ったのに」
言わないで言おうと思った言葉をつい言ってしまいます。
無言なのでますます尖った声になってしまって
「やらないで、とはもう言わないよ。
だけど慎重にして、頼むから!
今まで通りできるってなめてちゃダメだよ。
慎重の上に慎重にして。」
返事がありません。
私にもわかっているのです。
お父さんのプライドが傷つくから、
責めるようなことを言っちゃダメだって。
負けず嫌いなお父さんのこと、言えば言うほど
「なにおー」
と再チャレンジに燃える方向に行くに決まってます。
でも黙っているとなにかが爆発しそうです。
もう!!
でも、これ以上言うとまた逆ギレしそうです。
無言なだけましかもしれません。
お父さんなりに悔しさをがまんしているのです。
私は膨らんでくる風船を無理矢理抑える感じで言葉を抑えました。
黙ってもぐもぐ食べていたお父さんは、完食すると(よかった、食べた)
こう言いました。
「しかしなんだなあ、入院した時はこんなに動けるようになると思わなかったなあ。
もう普通とほとんど同じだもんなあ」
ジジイ、ぼけてんのかい!!
ケツの穴から手え入れて、奥歯ガタガタ言わせたろか!!
という気持ちにリアルになった。
しかし、本当に認めたくないんだな。
その後も、ちらちら天井を(はがれている箇所がないか)みたり、
玄関にいつの間にか2つも置いてある工具箱から何か取り出しにいこうとしたり、
気が気じゃなかった。
知り合いのドクターに聞いたら、
今は何ともなくみえても5~6時間後に脳出血の重篤な症状が
でることもあるってことでした。
「そうなったら緊急開頭オペで、まあ覚悟した方がいいよ」
今のところまだ大丈夫みたいだけど
結局私がついていても、転倒を防げなかった無力感たらない
今日も心休まらない休日でした。