お父さんの底力。

寅さんとか長島監督とかによく例えられるお父さん。ついに脳梗塞で倒れました。しかしマイペースさに変わりなし!

お父さんの涙。

2016-11-13 23:31:36 | Weblog

入院ももう一月半くらいになった。

むくみも引いていないし、談話室まで歩くのも息を切らしている。

でも私が行くといつも談話室で雑談をして、

しゃべるうちにだんだん調子が出てきて、

早く出たいな、もう飽きたよ、と言ってはいるが

基本的には明るいお父さんだった。

でも、その父が今日、泣いたのだ。

雑談の最中に、突然!!

 

おばあちゃんが亡くなった時も、お母さんが亡くなった時も

私の前では涙を見せなかった父が!!

(陰では泣いていたらしいが)

本当に驚いてしまった。

「胸を突かれる」って表現があるけど、

これだな、と後から思った。

 

何事もないように、不安そうなところやイライラしたところをみせなかった

父だけど、本当はいろいろ不安だし、つらいんだろうなあ。

と、改めて思い知った感じがした。

回復が思うように進まず、先が見えない不安。

自由な生活ができないまま、どんどん病気が進行して行くんじゃないかと言う不安。

失業して働こうともしない弟のことも涙の一因だったのかもしれないけど。

(その話しているときに泣いたから

 

 

ステロイドは情緒不安定になるっていうからそれもあったかもしれないけど、

あの父が泣いたということに、とにかく驚いてしまった。

 

客観的にみれば、お父さんももうりっぱな老人だし、しかも病気だし、

気が弱っていても不思議はない。

私はまた、自分の精神年齢の低さもだめだなと思った。

いつまでも強いお父さんのイメージが抜けないのだった。

 

 

いつも、自由に好きなことをやって、何でも自分でできると行動していた父が、

こんなに閉鎖的な空間に閉じ込められて、体もままならないのは

さぞかしくやしいことだろう。

 

いつもすぐそういう年寄りたちを下にみて、

優越感に浸っていた父だから(そういうところが嫌いだった)、

ほら、そういう人たちの気持ちがわかったでしょ、

あんなにバカにしてたから、と思うけど、

さすがに気の毒すぎて言えない。

 

「どうしたの、大丈夫?」

と声をかけた私に、見えないように下を向いて涙を拭きながら、

「大丈夫だ。おれは男だから。」

と強がってる父は、本当に偉いなあと思った。

さすが、いつもいばっているだけのことはある

たぶん、つらいことはたくさんあっても、子どもの私には

弱い自分をみせないようにがんばってくれているんだろう。  


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