千葉県市原市と大多喜町にまたがる養老渓谷周辺は、関東でも見頃が最も遅い紅葉の名所として知られている。台風15号、19号によりこの地域も大きな被害を受けた。地元の観光協会に問い合わせたところ、養老渓谷温泉郷と更に奥の粟又の滝方面への道は工事中で一車線交互通行になっていたり通行に注意を要する場所もあるが開通はしているということで、昨年の秋以来久しぶりに出かけてみることにした。
小湊鉄道養老渓谷駅前を通過し、まずは温泉郷の途中にある「二階建てトンネル」に立ち寄って見ることにした。これが三度目の訪問になる。SNS投稿記事の写真が話題を呼んで、今では観光バスも立ち寄る「名所」にもなっている。断崖を掘りぬいて奥の川沿いの「隠れ湯の宿川の家」に通じる全長115mのトンネルで、入り口には「向山(むかいやま)トンネル」の標識が出ている。写真のように昔ながらの素掘りのような暗く狭いトンネルを歩いていくと、前方に見えてくる出口がまるで「二階建て」のような不思議な造りになっている。
幅は狭くて小さい車でもすれちがうことはできない。この「二階建て」の訳はなかなかわかりにくい。調べてみると、昔は上の出口(穴)だけであったが、昭和になって(昭和45年3月竣工)、車でも通行できるように坂になった素掘りの道を平にして出口の下を掘りぬき新しい出口を造ったという。この新しい部分の23mは手前のような素掘りではなく金属とコンクリートで仕上げられている下の段のトンネルになった。そしてその部分(23m)は「共榮トンネル」と名づけられた。トンネルを出て振り返ると、こちらの出口には「共榮トンネル」という標識が出ている。一つの短いトンネルに名前が二つあるのも極めて珍しい。初めて訪れる人はバスガイドさんの説明を聞いてびっくりするのはまちがいない。
トンネルを抜けるとすぐ左手川沿いに「隠れ湯の宿川の家」がある。その川にかかる橋の上から見た上流の紅葉が台風でもほとんど傷んでいなくて養老川の水面にもきれいに映りこんでいた。
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