内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

コルマールで初夏の朝の光の中を歩く

2021-06-11 23:59:59 | 雑感

 今日、一年三ヶ月ぶりに、ストラスブール市内の路面電車以外の電車に乗った。コルマールで開催される会議に出席するために利用した。この間、別に電車利用を特に避けていたわけではなく、都市間を移動する必要がなかっただけのことだが、久しぶりにストラスブール中央駅のホームに立ってみて、皆マスクをしている以外は特に以前と変わったところもなかった。ストラスブール・コルマール間は三十分ほどで、もともとそう混雑する路線でもなく、コロナ禍以前から二人がけの座席に一人ずつ座るのはごくふつうのことだった。
 ようやく夏らしい日となり、快晴の空高く太陽が輝き、日中の気温は二十八度まで上昇した。湿度は低く、歩いていると流れ出した汗もむしろ心地よく感じられた。コルマール駅から会議場まで、徒歩十五分ばかりの道のり、朝の光に照らされた蒼樹が美しいシャン・ド・マルス公園を通り抜け、気持ちよく歩くことができた。ウンテルリンデン美術館近くの広場で、先生に連れられ街を見学している小学生たちのグループを何組か見かけた。そうした光景も人々の生活が平常に戻りつつあるしるしだ。
 会議があったのは、ウンテルリンデン美術館付属の建物で、広場を挟んで美術館に面している。会場は元屋内プールだった室内を改装したものだが、もとのままと思われる高い天井にはめ込まれた方形の色とりどりの硝子や白亜の壁面の装飾はなかなかに立派なものであった。会議後、その会場で簡単な昼食会があった。互いに十分に間隔を取られた丸テーブルそれぞれに六人ずつ座っての会食であった。食事に残ったのは三十数人だったであろうか。
 油断はもちろん禁物だし、まだ楽観が許されるわけではないが、コロナ禍からの出口がようやく見えてきたことを感じさせる一日だった。