南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
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歴史の分岐点

2010-03-29 17:26:34 | 政治

歴史を振り返ってみれば、大きな分岐点には必ずといっていいほど戦争の爪あとが残されています。
国土を崩壊させたり生死を分かつような戦いであると同時に、戦前と戦後の社会システムや国民の価値観にも大きな変化をもたらすからでもあります。

わが国においても明治維新を経て近代国家を歩み始めてからのほぼ半世紀の間に4つの大きな戦争を経験しました。
1894年7月から1895年3月までの「日清戦争」。
およそ9年の平和を保ち、1904年2月から1905年9月は「日露戦争」。
その9年後の1914年7月から1918年11月が「第一次世界大戦」。
それから21年ののち、1939年9月から1945年9月までの「第二次世界大戦」、そして原爆投下で敗戦を迎えます。

1945年8月15日(終戦記念日)を起点とすれば、今年で65年間の平和な生活を我が国はキープしています。
まさに4つの戦争サイクルを体験した半世紀と較べたら、雲泥の差がある平和な半世紀です。
なぜこの平和をキープできたのかを私たちは考えなければなりません。
また同時にこれからもどうすれば平和をキープできるのかを考えなければなりません。

しかし現実世界は混沌としており、アジアでも軍拡競争の波が押し寄せています。
世界中の軍事費もこの10年間で45%も増加していますし、2009年には中国がフランスを抜いて世界第2位に躍り出ました。
中国の軍備増強や北朝鮮の核開発が周辺国の軍事装備ハイテク化を誘発していると日経新聞では解説していました。

軍拡競争の影には軍需産業の姿も見えます。
武器輸出国はアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国ですが、どの国も軍需産業が経済の一角を占めています。
一方武器輸入国は、アフリカ、南米、中東、アジアなどで政情不安定な国々です。
建て前では世界平和を希求するとは言っても、本音では武器需要が続くことを願う勢力はたくさんいると思われます。

いずれにしても我が国にとっての戦後65年が、70年、100年と続くことを願わずにはいられません。
そのために私たちができることは何か、それは軍拡による抑止力のアップではなく、まずアジアにおける各国間の信頼関係を醸成させることだと思います。
2月に日中歴史共同研究が、3月には日韓歴史共同研究が報告書をまとめ活動を終了させました。
議論が噛み合わないとした部分もあるとしていますが、それもひとつの結論としてさらなる信頼関係の構築へ進めて欲しいと願います。
間違っても現代が“戦前の末期時代”などと未来の教科書に書かれないようにしなければなりません。

今日、岡田外相が米国へと飛び立ちました。
沖縄普天間基地問題についての協議でしょうが、もっともっと根元的な問題についても意見交換されることを望みます。