南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

ダイバーシティ

2010-03-12 17:21:05 | ユニオン

“ダイバーシティ”という単語を最近知りました。
SF小説のなかに出てくるような単語ですが、英語(diversity)で“多様性”という意味だそうです。
人事戦略で使われるようになったそうですが、人材獲得競争に勝つために必要な考え方です。
人事制度には時代の潮流がありました。
それは社会や経済自体の大きな潮流とも連動するものです。

戦後復興から高度経済成長期にかけては、終身雇用・年功序列・企業内組合という今考えれば古きよき時代の「日本的雇用慣行」が人事制度の基本でした。
バブル経済の時代に入るとそれに「能力主義人事」が加わり、加点主義を取り入れた人事制度に変わっていきます。
バブル崩壊後は競争が激化し、アウトプット中心の「成果主義」がもてはやされ、そして「行き過ぎた成果主義」が横行し、結局“労働の質”が低下していきます。
そんな潮流の向こう側には、どんな人事戦略が望ましいのでしょうか。

我が国はいよいよ人口減社会に突入しました。
グローバルな戦いにおいても、国内においても競争はますます激化していきます。
どんな産業においてもライバルとの差別化を図ることでしか生き残れなくなります。
差別化を図るためには“戦略的発想”が求められますし、優秀な人材確保が企業の生殺与奪を決めるといっても過言ではなくなりました。
しかし優秀な人材を給与だけの厚遇で得られる時代ではなくなっています。

これからの社会を考えてみると、まさしく多様化(ダイバーシティ)社会です。
共働きや介護問題も新しい時代の社会的テーマです。
東京都の区長さんも育児休暇をとる時代でありますし、一方では私の知る何人もの優秀な人が家族介護を理由に退職している時代でもあります。
社員一人ひとりも多面的に捉えてみると、社員としての顔だけでなく、親としての顔、子としての顔、趣味人としての顔、地域住民としての顔などなど、実に様々な顔を持ちます。
昔のような企業戦士という扱いでは優秀な人材確保はとてもできません。
一人ひとりの多様性を認め、個々人を活かす形で仕事や人事制度を構築していこうとする考え方が、“ダイバーシティ型人事戦略”です。