「唐崎の夜雨(からさきのやう)」は近江八景のひとつです。笠のように、大きく枝を広げた「唐崎の松」、夜間この松に降りそそぐ雨の情景が主題となっています。「唐崎の松」は唐崎神社のご神木であり、明治初期の由緒書によると、現在の松(昭和4年・1929年植樹)の先代は高さ27 m、幹廻り11 m、枝東西72 m、南北86 mという巨木であった
ことがわかります。
唐崎は、ふるく大津宮(667年~671年)のシンボルともいうべき景勝の地であり、柿本人麻呂は「楽浪(さざなみ)の志賀の唐崎幸くあれど大宮人の船待ちかねつ(万葉集)」と歌い、815年(弘仁6年)嵯峨天皇は当地で船遊びに興じています。平安時代には七瀬之祓(ひちせのはらい)の一所に定められ、朝廷の夏越の祓をはじめ、国家の大事にあたっての祓がおこなわれました。現在も毎年7月28日・29日におこなわれる唐崎神社の「みたらし祭」は、この唐崎祓所の伝統を受け継ぐとされています。
今回の探訪では、唐崎学区文化協会のみなさんや県の文化財専門職員が同行案内し、唐崎神社を中心に唐崎一帯を詳しく訪ねます。
JR唐崎駅→唐崎神社→白髭神社道標→メリノールガーデン→穴太廃寺→穴太地蔵・足利義晴供養塔→高穴穂神社→宝光寺→盛安寺→穴太野添古墳群→伝仲哀天皇産湯の泉→(京阪穴太駅)→JR唐崎駅