福を招くとされる竜と鳳凰をあしらった能装束「紺地丸龍と風景文側次」(彦根城博物館蔵)
招福の願いが込められた彦根藩主・井伊家伝来の品々を紹介する正月恒例の企画展「新年の寿(ことほ)ぎ-吉祥のデザイン」が、1月1日から滋賀県彦根市金亀町の彦根城博物館で始まる。縁起物とされる鶴亀や鳳凰(ほうおう)の意匠を取り入れた美術工芸品など33点を展示する
中国・清朝の官服を仕立て直した能装束の側次(そばつぎ)は、略式のよろい姿を表し、福を招くとされる竜の丸い文様が紺地の肩と背中に、裾には舞う鳳凰の姿が配されている。日本刀の外装である大小二つの拵(こしらえ)は、長寿の象徴のツルの足皮で鞘を包み、金具類にもツルの柄をあしらった。刀身も「延寿」の名を持つ刀工の作を採用して吉祥尽くしで仕立てている。また、永遠の命をもたらす果実として珍重され、井伊家が家紋としたタチバナと、輝く金地を組み合わせた能小道具「金地橘図扇」も展示する。
29日まで(会期中無休)。有料。12日午後2時から学芸員のギャラリートークもある。問い合わせは同館TEL0749(22)6100。
http://www.47news.jp/localnews/odekake/2012/12/post-20121223115033.html