インディアンの青年
前回、現代のアメリカインディアンが深い精神性も気概も失ってしまった、と書いたがそれは取りも直さず現代の日本人そのものだ。自分が接した自衛隊出身の若者は、セミが怖いとギャーギャー言って逃げ回っていた。どこの世界に虫が怖い歩兵がいる。いっちゃあ何だが、北朝鮮兵と戦場で出くわしたらひねり潰されるだろう。餓死してでも敵に銃を向け続けた、あの勇猛果敢な日本兵はどこにもいない。
言われたことだけをこなすドブネズミルックの働きアリなら、通勤電車にあきれるほど乗っている。時代は変わった。インディアンも日本人もない。平和で人を殺すことも殺されることの無く、飢えることも無いのだからいいじゃない、と言えないこともない。
自分が30代の頃、アメリカ出張で国内線に乗っていた。西から東3-4時間のフライトだった。機内はわりと空いていて3人席に2人、隣りはアジア系の若者で腕にTATOOのちょい険しい雰囲気。自分は文庫本を取り出して読んでいた。TATOO兄ちゃんは、俺の本が気になるらしくチラチラと見ていたが、とうとう声をかけてきた。相当なブロークンイングリッシュで聞き取りづらかったが、ちょっと見せてくれと言っているらしい。本を渡すと、兄ちゃんは縦にしたり横にしたり逆さにしたりする。
「よく読めるな、あんた中国人だろ。」妙に感心している。いかつい顔の割りに人なつっこい奴。聞いてみると×▽族っていうからインディアンだ。彼の名前を聞いて、ナプキンに漢字で書いてやった。呂弾とか邪久孫、肉損・仏手・九厘豚といった適当な当て字だ。その兄ちゃんの名前も種族名もとっくに忘れた。というか会ったことも忘れていた。
「ここに俺の名前が書いてあるのか?」「Yes,日本人にこれを見せたら分かる。」「そうか。」ナプキンを横にしたり縦にしたりして、思いの他喜んでいる彼の顔を見て、心がちょっと温かくなった。
前回、現代のアメリカインディアンが深い精神性も気概も失ってしまった、と書いたがそれは取りも直さず現代の日本人そのものだ。自分が接した自衛隊出身の若者は、セミが怖いとギャーギャー言って逃げ回っていた。どこの世界に虫が怖い歩兵がいる。いっちゃあ何だが、北朝鮮兵と戦場で出くわしたらひねり潰されるだろう。餓死してでも敵に銃を向け続けた、あの勇猛果敢な日本兵はどこにもいない。
言われたことだけをこなすドブネズミルックの働きアリなら、通勤電車にあきれるほど乗っている。時代は変わった。インディアンも日本人もない。平和で人を殺すことも殺されることの無く、飢えることも無いのだからいいじゃない、と言えないこともない。
自分が30代の頃、アメリカ出張で国内線に乗っていた。西から東3-4時間のフライトだった。機内はわりと空いていて3人席に2人、隣りはアジア系の若者で腕にTATOOのちょい険しい雰囲気。自分は文庫本を取り出して読んでいた。TATOO兄ちゃんは、俺の本が気になるらしくチラチラと見ていたが、とうとう声をかけてきた。相当なブロークンイングリッシュで聞き取りづらかったが、ちょっと見せてくれと言っているらしい。本を渡すと、兄ちゃんは縦にしたり横にしたり逆さにしたりする。
「よく読めるな、あんた中国人だろ。」妙に感心している。いかつい顔の割りに人なつっこい奴。聞いてみると×▽族っていうからインディアンだ。彼の名前を聞いて、ナプキンに漢字で書いてやった。呂弾とか邪久孫、肉損・仏手・九厘豚といった適当な当て字だ。その兄ちゃんの名前も種族名もとっくに忘れた。というか会ったことも忘れていた。
「ここに俺の名前が書いてあるのか?」「Yes,日本人にこれを見せたら分かる。」「そうか。」ナプキンを横にしたり縦にしたりして、思いの他喜んでいる彼の顔を見て、心がちょっと温かくなった。
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