旅とエッセイ 胡蝶の夢

ヤンゴン在住。ミラクルワールド、ミャンマーの魅力を発信します。

今は、横浜で引きこもり。

ミャンマーであまちゃん

2022年10月25日 07時23分00秒 | エッセイ
ミャンマーであまちゃん

 6-7年前、ミャンマーのTVで"あまちゃん"が放映された。自分がカミさんと始めて訪緬した時、ヤンゴンの街で放映予告の看板が出ていた。

 あまちゃん、面白いからね。第二の"おしん"とまではいかなくても、人気が出るでしょ。これは楽しみ。NH Kだって、そう思ったに違いない。週一回、3話か4話をまとめて、夜の放映だったらしい。ところがどっこい。これが受けなかったのだ。えー、なんでー。面白いのに。

 "おしん"はアジアで爆発した。シンガポールで台湾でイランで、人々の涙を絞った。苦労しておしんの国、日本に働きにきたエジプト人青年は、ガングロ・高サンダルのやまんば娘の集団を見て仰天した。

 うん、今なら俺には分かる気がする。価値観の違いだ。ミャンマーの子供は、僧侶、両親、先生を敬い、大切にする。親の言うことには、ほぼ無条件で従う。自分の気持ちは後回し。
 自分が教え始めた或る女子生徒は、頭がよくて熱心。ひらがな・カタカナを2日で覚えた。彼女は将来、日本に行くことを熱烈に願っていた。だがお母さんに反対されると、泣きながら辞めてしまった。慟哭していたそうだ。無料で日本語を教える代わりに、日本語検定2級を取り企業で働く条件だった。応募するのはナイショだったんだろうか。でもそこまでが精一杯。彼女にお母さんに逆らう選択肢は無かった。ミャンマー人で、日本で働く若者の、両親への送金率は群を抜いているそうだ。

 で、あまちゃんは?小泉今日子演じる母親は娘に言う。「あんたは本当に。親に言うことを一つも聞きゃしない。」その母親は、おばあちゃんに反発して家を飛び出し20年も音信不通。物語のテンポが良くて、魅力ある脇役がいても、本来のところでミャンマーの人にはしっくりこないのよ。分かる?


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