「北の山・じろう」日記

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ドイツのシュルツ首相の考えが分かってホッとしました<ウクライナ紛争2024.3.10

2024-03-10 13:38:48 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

「Hara Blog」を見たら興味深い記事をアップしていました。
その前に独ソ戦での双方の犠牲者数。
ソ連
1939年人口1億8879万3000人
犠牲者数 2700万人(諸説あり)
ドイツ
1939年 6930万人
戦闘員が最大531万8000人
民間人が最大300万人
合計最大約832万人

ドイツが戦争の反省もかねて平和国家を志向する理由です。
ロシアがNATOの国境線がロシア国境に近付くことを恐怖する理由です。特にロシアは総人口の14%以上が戦争の犠牲になっています。
ウクライナのNATO加盟をロシアが絶対に認めることが出来ない理由が分かると思います。
そもそも旧ソ連の共和国が独立した時の旧ソ連との約束があります。
①中立を保つこと
②反旧ソ連的な軍事同盟に加入しないこと

2013年まではウクライナもこの約束を守ってきました。
だからこの時までは、ロシアとウクライナの紛争はありません。2014年、アメリカが関与して西ウクライナの過激民族主義者がクーデターを起こし政権を奪取しました。この政権が強引にNATO加盟路線に政策を変更しました。もちろんアメリカの意を受けてのことです。
ここから現在に至るウクライナ紛争が始まりました。
ロシアの恐怖が理解できると思います。
そしてウクライナを元の中立に戻し、NATO加盟を放棄させるのはロシアの安全保障上絶対に譲れない点なのです。

アメリカは、そんな事は百も承知で強引にウクライナにNATO加盟路線を推し進めました。


※本題
「Hara Blog」の記事
Germany’s Ukraine policy is incoherent for a reason
ドイツのウクライナ政策が支離滅裂なのは理由がある
https://www.politico.eu/article/germanys-ukraine-policy-is-incoherent-for-a-reason/
「Google Chrome」で読むと自動翻訳機能で翻訳文が読めます。

大雑把に内容を抜粋すると・・・
シュルツ首相は、「ウクライナの戦争勝利を望む発言を拒否し」
「ロシアが勝ってはならず、ウクライナが負けてはいけない」
と、しか発言していません。
トーラス巡航ミサイルの供与は拒否しています。
ロシア領への攻撃に使用されることを恐れてのことです。
そのミサイル供与についてのドイツ国民のアンケート
2月 反対49%
3月6日のアンケート 約60%が反対
急上昇したのは、ドイツ空軍最高幹部の会話傍受内容がリークされたためだと思います。

軍事面でのウクライナ支援について
もっと必要 20%
今で十分 40%
支援しすぎ 40%
(ほかの国とはずいぶん違います)

政治面
東ドイツを構成する5つの州(ベルリンを除く)で、親ロシア派の「ドイツのための選択肢」(AfD)がリード。
ドイツ人の多くの考え方
「ロシアとの付き合い方の秘訣は対話を通じて取り組むことだ」
フランスのマクロン大統領のウクライナ派兵発言に対するシュルツ首相の答え
「絶対に明確にしておきますが、私はドイツ首相として、ドイツ連邦軍兵士をウクライナには派遣しません」

所属政党(社会民主党)のベテラン議員の発言
「有権者に自分たちが平和の党であるSPDであることを伝えるつもりだ」

大体、ドイツ全体の考え方は・・・
ウクライナが負けない程度の支援はする
戦争の拡大は望まない
ロシアとは話し合いを通じて解決するべきだ

こんなところだと思います。
そこから出てくる答えは❓
「ウクライナが(遅かれ早かれ)和平交渉に同意すること」

つまり、これがシュルツ首相の考えでありドイツ国民の多くが考えている事のようです。
少なくともヨーロッパの大国のドイツは、停戦を目標にしている事が分かってホッとしました。
世間の付き合い上、「停戦しろ」とは言いませんが戦争を拡大する意図もロシアとの摩擦をこれ以上招く意図もないようです。
フランスの跳ね返りのマクロンがラッパを吹こうと、ドイツが動かなければ、そうはなりません。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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