「北の山・じろう」日記

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(ゆっくり)学ぶロシア軍と学ばないウクライナ軍<ウクライナ紛争2024.2.20

2024-02-20 14:15:55 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

ロシア軍がアウディーイウカ「完全制圧」…ゼレンスキー氏は「戦略的判断」による撤退と強調
2024/02/18 23:30
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240218-OYT1T50080/

2年近くウクライナ紛争を見てくると色々なことに気が付きます。プロパガンダもあり、賢いウクライナ軍、愚かなロシア軍のイメージが2022年は強かったです。
実際、2022年のロシア軍は愚かで間抜けでした。
一方でウクライナ軍は、多少ましだったので差が際立って見えたのでしょうね❓
ロシア軍の方もすぐ終わると思って戦争を始めたので全然準備が出来ていなかったようです。ロシア兵は何故戦っているのか分かりません。
ウクライナ兵が歯を剥いて銃撃してくるので、ど~して❓と、こんな感じでした。ロシア軍の指揮官や参謀本部も同様で、戦争が長く続くと考えていたのは誰一人いなかったようです。
『ウクライナは3週間で降伏する、行けば花束で出迎えてくれる、拍手で出迎えてくれる⇒ロシア軍はナチに支配されるウクライナ人を救う解放者』
どうも、ロシア軍は今となっては冗談としか思えない情報部の分析を信じ込んでいたようです。

結局、行くことは行ったけれど戦争をするつもりで行った者は、ほとんどいなかったようです。だから心構えもなければ準備もない・と言うような状態であったようです。

だから開戦後、半年くらいはロシア軍は何をやっているのか全然分かりませんでした。ピクニックか演習に行った心算がいきなり戦争が始まったので、狼狽して右往左往していたのが実情のようです。
最初ロシア軍が愚かで無能に見えたのは、実際その通りでどうしていいか分からなかったのでしょうね❓

だから、方々で失敗するわ・大損害を出すわ・の連続だったようです。補給計画もなかったから空腹の兵士が続出していました。指揮命令系統は混乱しているというのか無いと言うのか❓
まともな地図さえ持たされていない部隊も結構あったようです。通信手段が手旗信号しかない・とか❓

だから2022年のロシア軍は大混乱のオンパレードで凄く愚かで無能であった訳です。

2022年のハルキウ州大敗走とヘルソン市撤退作戦後のころから、やっと正気を取り戻し始めました。
当時のスロビキン上級大将が、特別軍事作戦の総司令官になり指揮を執り始めてから、段々まともになってきました。
今、ロシア軍の全体の作戦計画の基礎にあるのは、その時にスロビキン上級大将に決めたことがベースになっています。
つまり、この時まで指揮官すらいなかった訳です。
命令も何となくアバウトな命令しか出ていなかったのでしょうね❓

2022年のロシア軍が間抜けで愚かに見えたのには、このような事情がありました。実際にその通りだったのです。

しかしスロビキン上級大将が普通のまともな全体の基本計画を決めたので、それ以降は将軍たちも行動しやすくなりました。
その基本計画は、ハルキウ州大敗走の反省から1000kmに及ぶ前線の全てに防御ラインを建設することが手始めでした。これがスロビキン・ラインと呼ばれるロシアの前線の全てにある防御ラインです。
そして全体を攻めるのは物理的に無理ですから「南部は守り東部で攻める」と言う作戦行動の基本を決めました。
これを決めただけでロシア軍の将軍たちは現場での指揮を執りやすくなりました。

その後、参謀本部でも現場の司令部でも色々考えるようになりました。元が何もなかっただけに改善や改革の効果は大きかったです。
物凄い例・・・・
2023年2月ごろ❓
東部戦線である大隊がウクライナ軍に砲撃されて壊滅する事件がありました。バカな指揮官が塹壕を掘ることを命じました。しかしその大隊にはシャベルが3本しかなかったそうです。仕方がないので兵士たちが手で塹壕を掘っていたというのです。
500人くらい集まってうろうろしているのですからウクライナ軍の砲兵部隊の格好の的になり砲撃されて壊滅したという、実にお粗末な話です。
しかし、その後ロシア軍は反省しました。
その後は、前線にいる兵士にはシャベル1本が携帯品になりました。
イギリス人は「ロシア人は弾がなくなったらシャベルで戦うのか❓」などと馬鹿にしていました。

しかし、その後前線で一定の前進があったらすぐ塹壕を掘るようになりました。身を隠す場所がなければ、すぐ撃ち殺されますから全部の兵士がこうするようになりました。段々と戦いながら塹壕を掘るのが、ロシア軍の標準的な行動になりました。そして最前線で塹壕が掘れたら、次は後方の塹壕から連絡塹壕を掘ります。
こうしてロシア軍の塹壕は完成する片っ端らから連絡通路で結ばれて有機的な働きをします。

500人壊滅事件がロシア軍にこのような大変化をもたらしました。
このような塹壕の掘かたが、今ではロシア軍の基本的な行動です。

もう一つ例を上げるとアウデイーイウカの包囲作戦が実行されて市街が陥落して終わりました。
この作戦は、いつから始まったのか❓
2023年の3月ごろから始まっています。
アウデイーイウカ市街北の郊外は、かなり東の方までウクライナ軍が保有していました。これに対しロシア軍は、塹壕や陣地を少しづつ削り始めます。段々、西に進んで行って大きくアウデイーイウカ市街の包囲が完成したのが2023年の12月です。
この間、ウクライナ軍は何もせず徐々に後退するだけでした。気が付いたら「アウデイーイウカ市街の包囲が完成」と言うわけです。
もう少し早く気が付かないのか❓

馬鹿だ愚かだとウクライナ軍から嘲笑されるロシア軍も遅いかもしれませんけれど、徐々に色々なことを考え改善や改良をしています。

例に挙げた記事では・・・
『米政策研究機関「戦争研究所」は、露軍が空爆を重ねてウクライナ軍の戦力を損耗させた上で地上部隊が前進を図ったと分析する。露軍がこうした「近接航空支援」と呼ばれる戦術を使ったのは初めてとみられる。』

何故、ロシア軍がこうしないのか、不思議がられていました。多分、知らなかったのでしょうね❓
参謀本部の誰かがアメリカ軍の戦術を研究して気が付いたのだと思います。気が付いたので、きっと訓練してきたと思います。(訓練しなければ出来ません)
その最初の事例が、アウデイーイウカ攻略作戦だったと言うわけです。

学習速度は相当遅いようにも感じますが、日々ロシア軍は学習しています。そしてその成果を戦場で応用します。

※一方で、ウクライナ軍は❓
2年もたとうかと言うのに同じ間違いを延々と繰り返します。間違えては負けて・間違えては負けて・普通2回間違えれば3回は間違えないと思いますが、アウデイーイウカでまた同じ間違いをして負けました。

ロシア軍もその点を見ていると思います。
「こうやったら❓間違えるだろ❓」
ロシア軍の期待の通り間違えると言うわけです。

※ウクライナ軍を見ていると自分たちは賢く・ロシア軍はバカだ!と決めつけているように見えます。
自分たちは賢い!と信じ込んでいるから改善も改革もしようとしません。
一番、良くないのは❓
後方の戦闘地域でない場所に70万人の兵士を隠しています。(もちろん、「わ◎ろ」を取るとかしていると思います)
これダメでしょう❓
兵士を探そうと思えば多少は後方に支援要員が必要ですが30万~40万はすぐ探せます。
前線で深刻な兵士不足が言われて久しいのに、一向に隠されている兵士を探そうとしません。

ここまで来るとウクライナ軍のこれまでのザルジニー参謀本部に戦争に勝つ気があったのかどうか❓さえ疑わしいです。

ウクライナ軍の場合は、このような部分が多々見られて一向に改善や改革の気配が見えません。
大統領からしてそうですね❓
「ロシア軍に勝つ!」一本鎗で他は何も考えないようです。
それで戦争に勝てれば、誰も苦労はしませんが❓

※大体、ロシアの場合は負けると大変です。
非難・批判の嵐が起こります。
国防相はロシア国会に呼び出されて非難され罵倒されます。2022年秋には、セルゲイ国防相がロシア国会で度々サンドバッグになっていました。あれは、イヤだと思います❓
「二度とこんなのイヤだ!」
心底、そう思うでしょうね❓

ウクライナでは、そんな話は聞きません。
サッカー日本代表監督と同じで❓
精一杯、頑張ったんだから・仕方ないよね❓


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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